【ドラマ】感想:NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」第5話「背中の正面」(2021年12月28日(火)放送)

【Amazon.co.jp限定】BD 岸辺露伴は動かない(オリジナル特典:メインビジュアルキャラファインマット※イラスト面Lサイズ) [Blu-ray]

岸辺露伴は動かない NHK https://www.nhk.jp/p/ts/YM69Q8456J/
放送 NHK総合

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

ヘブンズ・ドアー! 今、心の扉は開かれる――


ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名傑作漫画を映像化!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件に、相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を使って挑む姿を描く!

 

第5話 背中の正面 (2021年12月28日(火)放送)

 

あらすじ

岸辺露伴は動かない(5)「背中の正面」
[総合] 2021年12月28日 午後10:00 ~ 午後10:50 (50分)


ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名漫画の映像化第2弾!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件にヘブンズ・ドアーを使って挑む


露伴の家にリゾート開発を請け負う会社に勤める男、乙雅三が尋ねてきた。家の中に招き入れると、男はなぜか背中を壁につけたまま、ずりずりと不自然なかっこうで入ってくる。靴を脱ぐときも、椅子に座るときも、紅茶を飲むときも、愛想笑いをしながら、男は決して露伴に背中を見せようとしない。その奇妙な行動に猛烈に好奇心をかきたてられた露伴は策を弄して無理やり男の背中を見てしまう。すると背中を見られた男を異変が襲う


【原作】荒木飛呂彦,【出演】高橋一生,飯豊まりえ,市川猿之助,栄信,渡辺翔,【脚本】小林靖子,【音楽】菊地成孔

 
 泉京香は岸部露伴から聞いたランニング男事件について調べるうち「六壁坂村」という地名にたどり着く。そして露伴の漫画のネタにするため、ネットで「坂」と関係のある都市伝説を調べ、実地に現地を訪れて、まとめた内容を露伴に渡す。

 直後、露伴の家にリゾート開発会社の社員・乙雅三(きのと・まさぞう)がやって来る。乙は露伴が買い占めた六壁坂一帯のリゾート開発の責任者で、露伴から土地を購入するために来訪したのだった。露伴は、すぐさまヘブンズ・ドアーで乙の記憶を調べ、無害な人間であることを確認すると同時に、念のため露伴には攻撃できないように書き込みを行う。その際、露伴は乙が他人に絶対に背中を見られたくないと考えていることを知る。

 露伴は乙を家の中に招き入れるが、乙は露伴に背中を見られ無いことに異常なまでにこだわったため、面白くなった露伴は乙を上手く騙し、鏡を使って乙の背中を見るが、何も変わったところは無かった。ところが次の瞬間乙の背中が盛り上がると同時に乙の行動がおかしくなり、結局救急車で運び出される事になった。

 乙が去った後、露伴の背中に乙そっくりの何者かがしがみついていた。露伴はこれが乙の姿をしているが、何か別の物であることを悟る。乙は六壁坂村に行った際にこの何かに憑りつかれ、露伴が乙の背中を見たために、その何かは今度は露伴に乗り換えたのだった。この奇怪な何かは、六壁坂の土地を購入した露伴を敵視しているようだった。

 翌日。原稿を取りに来た京香は、前日渡し忘れていた都市伝説の追加資料を露伴に渡す。それを見た露伴は、危険を冒して外出し、他人に背中を見られないようにしながら、都市伝説の舞台「平坂」にたどり着く。ここでは「カゴメカゴメの曲が聞こえた時にふりかえると神隠しに会う」という噂が語られていた。

 露伴は京香を取材だと言って平坂に呼び寄せ、付近の横断歩道で流れる曲が「カゴメカゴメ」に変わった瞬間、京香に背中を見せる。乙の姿をした何かは、今度は京香に乗り移るために後ろを振り向くが、次の瞬間現れた無数の手によってからめとられ、どこかに姿を消してしまった。露伴は真相を知るはずもない京香を連れてその場を立ち去った。

感想

 評価は○(それなり)

 まさかの前回「ザ・ラン」の完全なる続編。今年の放送分は第4・5・6話が完全に続き物の模様です。

 元ネタとなったエピソードは、ジョジョ本編で、露伴が自律スタンド「チープ・トリック」に襲われる話ですが、ドラマではスタンドは登場させず、妖怪絡みの話となっています。なんか2020年放送分とは異なり、今年はもはや「原作漫画を元にした別の何か」になっちゃってますね。しかしまあ、これはこれで面白いので「妖怪ホラードラマ」と割り切ればなかなかかなと。


 それにしても、「相互に関係のない読み切り短編からネタを抽出し、連続物ストーリーに仕立て直す」という手法、アニメ「ブラックジャック21」みたいですね。
 
 

【放送日時】
[NHK総合]
第4話 2021年12月27日(月) よる10時~10時49分
第5話 2021年12月28日(火) よる10時~10時49分
第6話 2021年12月29日(水) よる10時~10時49分
(第1~3話:2020年12月放送)


【キャスト】
岸辺露伴高橋一生
泉京香:飯豊まりえ
橋本陽馬:笠松将(第4話ゲスト)
乙雅三:市川猿之助(第5話ゲスト)
大郷楠宝子:内田理央(第6話ゲスト)


【スタッフ】
原作:荒木 飛呂彦
岸辺露伴は動かない」(第4話、第6話)
ジョジョの奇妙な冒険」(第5話)
脚本:小林 靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
演出:渡辺一貴
撮影:山本周平、田島茂
照明:鳥内宏二
美術:磯貝さやか
音声:藤林繁
スタイリスト:羽石輝
衣裳制作:玉置博人
ヘアメイク:荒木美穂
映像技術:大西悠斗
VFX:菅原悦史
音響効果:谷口広紀
取材:名倉良祐
記録:幸縁栄子
編集:鈴木翔
制作統括:斎藤直子、土橋圭介、平賀大介
制作:NHKエンタープライズ
制作・著作:NHK、ピクス

 

2021年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)
岸辺露伴は動かない 2 (ジャンプコミックス)
岸辺露伴は叫ばない 短編小説集 (JUMP j BOOKS)
岸辺露伴は戯れない 短編小説集 (JUMP j BOOKS)
 

【歴史】感想:NHK番組「神田伯山の これがわが社の黒歴史」「ヤマハ・半導体の落とし穴」(2021年11月23日(火)放送)

神田伯山の これがわが社の黒歴史(NHKオンデマンド)

“総合楽器メーカー”の黒歴史から、今を生き抜くヒントを探る! 神田伯山のこれがわが社の黒歴史NHK_PR|NHKオンライン https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=31753
放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

神田伯山の これがわが社の黒歴史(2)~ヤマハ半導体の落とし穴~
[総合] 2021年11月23日 午後6:05 ~ 午後6:35 (30分)


講談師・神田伯山が企業の黒歴史を語る異色の番組第2弾!楽器メーカーヤマハが陥った半導体の落とし穴とは?幻の最新工場をめぐる物語を講談で。コマ撮りはウルトラ怪獣


講談師の神田伯山が企業の黒歴史(=苦労の歴史)を語る異色の経済番組の第2弾。総合楽器メーカー・ヤマハ半導体開発の物語に迫る。電子オルガンの音質向上のために自社開発した音源チップの半導体が、90年代のパソコンブームで急成長!「エレクトロニクスのヤマハ」として事業の柱に成長したものの、直後に思わぬ落とし穴が…。黒歴史を講談調で笑いに昇華しつつ、教訓をあぶり出す。ウルトラ怪獣たちの再現VTRも必見!


【出演】神田伯山,【アナウンサー】高橋美鈴

 

内容

 ヤマハは世界一の総合楽器メーカーでありながら、楽器とは全く無関係の、バイク、アーチェリー、スキー、ゴルフクラブ、バスタブ、など、なんでもかんでも作ってしまう会社でもある。そのヤマハがかつて「半導体」(電気信号を制御する無数の回路)事業で大変な目に有ったことがあった……



 1960年代、ヤマハは電子オルガンを作っていたが、これに使用する他社製の半導体が不良品ばかり。そこで半導体も自社で作ればいいと、技術を習得し、工場を立て、「FM音源方式」の半導体「音源チップ」を作ると、これが素晴らしい出来だった。試しに他社に売ってみると、これが好評で大評判になった。

 この音源チップは、パソコンや家庭用ゲーム機、ゲームセンターのゲーム機などに使用され、全盛期の1995年頃には、世界で販売されるパソコンの半数、2000万台に搭載されていた。ヤマハでは半導体事業の売り上げは楽器の売り上げを上回る一大事業となり、あのインテルとも取引していた。

 ヤマハは勢いに乗って新工場の建設を開始したものの、その矢先にインテルからの契約を打ち切られてしまう。ソフトウェアで音が作れるようになったので、ヤマハの音源チップをわざわざ買う必要が無くなったというのである。パソコン向けの需要が激減し、ゲーム機向けの需要を期待したものの、供給先のセガのゲーム機はソニーに負けてしまい、それもならず。

 新工場は1998年に出来たものの、作るべき製品も無く、結局一年も経たずに売却する羽目に…… すさまじい赤字となり、会社は新入社員の募集を一年取りやめるという事態に陥った。

 しかし、その後、携帯電話の「着メロ」のために携帯電話用音源チップという需要が生まれ、ヤマハ半導体事業は復活した。今は一度没落したときの教訓を踏まえ、自社では生産工場を持たず、他社に製造してもらうファブレス経営を行っている。

 ヤマハ半導体事業は今でも健在で、ルーター、次世代カーオーディオ、テレワーク用スピーカー、等の用途に半導体を生産している。


感想

 今年3月に放送した「レギュラー番組への道」の中の一作「神田伯山の これがわが社の黒歴史
 ↓
perry-r.hatenablog.com
 
 の第二弾が放送。前回はバンダイピピンがお題で、あれほど凄いネタはもう無いと思っていましたが、ヤマハ半導体事業という、スケール的には負けていない超凄い事例を掘り出してきていました(笑)

 神田伯山のノリのいい語り、人形(今回はウルトラ怪獣)による面白劇、で、暗い話を楽し~く見せてくれて、今回もめっちゃ面白かったです。

 まあ、こんなすごい失敗案件、しかも失敗するだけではなく、その後浮上していないとネタに出来ないので、テーマに出来るものが中々ないとは思いますが、もしあるなら続きも見たいですよねぇ。
 
 しかし、パソコンとかゲーム機でさんざお世話になったあのピコピコサウンドこと「FM音源」のあのゲームミュージックは、ヤマハのおかげで聞けていたのかぁ、初めて知ったぞ。

おまけ

 なんかインテルがパソコンメーカーで自社でパソコンを作っている様な話になっていましたが……? インテルってCPU作っているだけですよね……? なんか説明をうまくごまかされている様な……
 
 

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=31753
“総合楽器メーカー”の黒歴史から、今を生き抜くヒントを探る!
神田伯山のこれがわが社の黒歴史
11月23日(火・祝)[総合]後6:05


人気講談師の神田伯山が企業の“黒歴史”(=苦労の歴史)を講談で語る異色の経済番組『神田伯山のこれがわが社の黒歴史』。ことし3月に放送した『バンダイ・世界一売れなかった次世代ゲーム機』は、SNSでも話題に。


第2回となる今回は、「総合楽器メーカー・ヤマハ」の半導体にまつわるエピソードを紹介します。今や世界中にあらゆる楽器を提供する遠州・浜松の企業・ヤマハ。電子オルガンの音源チップ開発に端を発した、自社での半導体開発事業はPCれい明期の80~90年代に急成長を遂げます。「音のヤマハ」の品質も相まって、一時はアーケードゲームやパソコンの市場を席けんするほどの評判となりました。その流れをモノにしようと、社運をかけて建設した最新鋭の半導体製造工場。『これで「エレクトロニクスのヤマハ」は盤石だ!』と誰もがそう思っていたのですが…。


講談の手法で黒歴史を笑いに昇華しながら、失敗の原因や得られた教訓をあぶり出していきます。黒歴史を解き明かすVTRは、ウルトラ怪獣をコマ撮りで撮影し、再現! そのキャラクターすべての声も、神田伯山さんが熱演します!

 
 

他の回の内容・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
FM音源 音作りの覚え方のコツがわかる本
FM音源 音作りの覚え方のコツがわかる本
 
 

【特撮】感想:特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第40話「セブン暗殺計画 [後編]」

ウルトラセブン Vol.1 [DVD]

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

 

第40話 セブン暗殺計画 [後編]

 

あらすじ

ウルトラセブン 4Kリマスター版(40)「セブン暗殺計画 後編」
[BS4K] 2021年12月26日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)


ガッツ星人はセブンを処刑すると人類に通告。ウルトラ警備隊はセブンを助けるためにマグネリュームエネルギーが必要だと知る。その鍵はレーサーの夏彩子が握っていた。


1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!ガッツ星人は、はりつけにしたセブンを夜明けと共に処刑すると人類に通告する。セブンの念力でセブンがエネルギー切れの状態であることを知ったウルトラ警備隊は、マグネリュームエネルギーを与え、復活させようと考える。そしてエネルギー生成に必要なダイモード鉱石をレーサーの夏彩子が持っていると分かるが、ガッツ星人にも察知されてしまう。


【出演】中山昭二森次晃嗣ひし美ゆり子毒蝮三太夫阿知波信介古谷敏

 
登場 … 分身宇宙人 ガッツ星人

 地球防衛軍は謎の通信を受信するものの、すぐに別の妨害電波によって受信不可能になってしまい、その妨害電波はイズミガオカから発信されていた。

 謎の通信を解読した結果、それはセブンの脳から発せられたもので、体を動かすための「マグネリュームエネルギー」を求める内容と判明する。マグネリュームエネルギーを生み出すためには水素原子四個を融合させてヘリウム原子一個にする必要があり、そのために「ダイモード鉱石」が必要と指示されていた。しかしダイモード鉱石はアフリカ原産で、セブンの処刑までのわずかな時間で入手できる見込みはなかった。

 しかし、フルハシは数日前に妹の友人でアフリカにいる女性から、現地の宝石を郵便で受け取っていた。調査の結果、宝石はまさにダイモード鉱石と判明し、早速マグネリュームエネルギー確保のための試験が行われるが、鉱石が小さすぎて必要なエネルギーが生み出せず、一同は落胆する。

 しかしフルハシは同じ宝石をナツコという女性が持っていると気が付き、早速会いに行くが、ガッツ星人はセブンの通信を解読して先回りし、ナツコのペンダントの宝石を奪っていた。フルハシたちは悔しがるが、実は盗まれたのはガラス玉で本物の鉱石は盗まれていなかったことが解る。

 ウルトラ警備隊は遂に十分な量のダイモード鉱石を手に入れ、必要なマグネリュームエネルギーを発生させることに成功した。早速キリヤマたちは空中に磔になったウルトラセブンにウルトラホーク1号で接近し、ビームランプに向けてエネルギーを打ち込むものの、エネルギーは素通りしてしまい、しかも直後セブンの姿は消え、全ては幻だったと解る。セブンの居場所の手掛かりが見つからないままま、夜明けは間近に迫っていた。

 ナツコが車を運転していると、突然ガッツ星人の小型円盤が襲撃してきた。密かに尾行していたフルハシは円盤を追い払うが、直後イズミガオカの崖に磔になっているセブンを発見し、基地に報告する。キリヤマたちはマグマライザーで出撃するが、その到着前にガッツ星人の攻撃用宇宙船がセブンの処刑を開始した。きわどい所で間に合ったマグマライザーはセブンのビームランプにエネルギーを注入し、それによってセブンは復活した。

 セブンはガッツ星人の攻撃用宇宙船を次々と破壊し、ガッツ星人は予想外の事態に全く反応できないまま右往左往する。さらにセブンはガッツ星人の乗る宇宙船も破壊し、彼らの地球侵略の野望を粉砕した。最後、無事な姿のダンが他の隊員たちに発見されて皆が大喜びするシーンで〆。


脚本:藤川桂介
監督:飯島敏宏
特殊技術:高野宏一


感想

 評価は○(そこそこ)

 前編は、いきなりアロンとの戦いのシーンから始まったり、ウインダムが壮絶な戦死を遂げたり、セブンが敗北したり、と強烈なインパクトを残した回でしたが、後編は一転して変な展開となり、前編で張り詰めた気持ちが嘘のようにい雲散霧消してしまいました……


 まず第一。ダイモード鉱石を入手するくだりですが、ナツコってそもそも誰なんでしょうか? まあアフリカにいてフルハシに宝石を送ってくれた女性の姉妹くらいだと思いますが、いきなり「ナツコが宝石を持っている」とか言われても視聴者としては困惑するしかありません。ナツコさんもレーサーらしいので、もしかするとアフリカでラリーをしていた当の人物とも考えられますが、前編でフルハシに届いた小包はアフリカから届いたと言っていたので、それでは矛盾しますし……

 またガッツ星人はセブンの通信を傍受してナツコのことを知ったような説明がありましたが、セブン/ダンはナツコのこと(名前とか居場所とか)を知るはずもないのでは……? 

 まあ、それと宇宙人が夜明けにセブンを処刑してやると脅しているその当夜に、レースの記録取りみたいなことをしている心の余裕があるものなのかと……、全人類は宇宙人の侵略の恐怖に震えている長い夜なのでは……


 第二。ナツコが車を運転していて、ガッツ星人の小型円盤が襲ってくるあたり、全く話の流れが意味不明です。ガッツ星人がガラス玉をつかまされたから、腹いせにナツコを襲ってきた、という意味のシーンの様ですが、ナツコをわざと一人にしておいてガッツ星人に襲わせて、ウルトラ警備隊に何の得があるのでしょうか? またこの時点ですでに日は高く昇っており、「夜明けとともにセブンは処刑される」という話はどこかに消えてしまっているのも混乱を誘います。


 と、話の流れがめちゃくちゃなので、ウルトラ警備隊によるセブン救出大作戦のインパクトがとても薄く、今一つ盛り上がりに欠けました。


 また前編ではあれほどセブンを翻弄したガッツ星人が、後編では復活したセブンになすすべもなく敗北してしまうというあっけなさも悪印象に拍車をかけました。まあガッツ星人がもう一度分身戦法を使って来たらセブンが再度負けるしか無いわけですが、そうさせないために、宇宙船の中で反撃もできずにあたふたしながら右往左往しているだけ、では、前半の強敵キャラ描写がぶち壊しです。

 「ガッツ星人は、計画を綿密に立てて進める事には長けていたが、その反面、予想外の突発事態に対応する柔軟性には欠けていた」と納得するしかないのですが、そう考えてもあの最期は承服しかねます……


 結局、シナリオライターが前編を盛り上げるのに全体力を使ってしまい、後編でどう決着をつけるのか考えるスタミナが無かった、竜頭蛇尾エピソードであった、という印象ですね。残念。

豆知識

 この前後編ですが、タイトルが「前篇」「後編」と「へん」の字が違うのにお気づきでしたか? というか何故番組を作った人たちはこれに気が付かなかったんだ(笑)
 
 
 
分身宇宙人 ガッツ星人
S.H.フィギュアーツ ウルトラセブン ガッツ星人 約155mm PVC&ABS製 塗装済み可動フィギュア

 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
Vol.2
ウルトラセブン Vol.2 [DVD]
Vol.3
ウルトラセブン Vol.3 [DVD]
Vol.4
ウルトラセブン Vol.4 [DVD]
Vol.5
ウルトラセブン Vol.5 [DVD]
Vol.6
ウルトラセブン Vol.6 [DVD]
Vol.7
ウルトラセブン Vol.7 [DVD]
Vol.8
ウルトラセブン Vol.8 [DVD]
Vol.9
ウルトラセブン Vol.9 [DVD]
Vol.10
ウルトラセブン Vol.10 [DVD]
Vol.11
ウルトラセブン Vol.11 [DVD]
Vol.12
ウルトラセブン Vol.12 [DVD]
 

【ドラマ】感想:NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」第4話「ザ・ラン」(2021年12月27日(月)放送)

【Amazon.co.jp限定】BD 岸辺露伴は動かない(オリジナル特典:メインビジュアルキャラファインマット※イラスト面Lサイズ) [Blu-ray]

岸辺露伴は動かない NHK https://www.nhk.jp/p/ts/YM69Q8456J/
放送 NHK総合

www.nhk.jp

【※以下ネタバレ】
 

ヘブンズ・ドアー! 今、心の扉は開かれる――


ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名傑作漫画を映像化!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件に、相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を使って挑む姿を描く!

 

第4話 ザ・ラン (2021年12月27日(月)放送)

 

あらすじ

岸辺露伴は動かない(4)「ザ・ラン」
[総合] 2021年12月27日 午後10:00 ~ 午後10:50 (50分)


ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名漫画の映像化第2弾!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件にヘブンズ・ドアーを使って挑む


露伴は会員制のスポーツジムで橋本陽馬という若い男と出会う。陽馬は駆け出しのモデルで、事務所の社長から「体を作れ」と指示されてジムに通う、無気力でつかみどころのない青年だった。だがこの日を境に陽馬はランニングにのめり込むようになり、走りに対する執着は次第に常軌を逸していく。ある日、久しぶりに露伴の前に姿を見せた陽馬は見違えるほど自信に満ちあふれていた。そして陽馬は、露伴にある勝負を提案する…


【原作】荒木飛呂彦,【出演】高橋一生,飯豊まりえ,笠松将真凛中村まこと,増田朋弥,小水たいが,濱正悟,春木生,【脚本】小林靖子,【音楽】菊地成孔

 
 岸辺露伴は、担当編集者の泉京香に、唐突に自分が破産していることを打ち明ける。露伴は作品のネタになりそうな妖怪伝説が残る山に興味を持っていたが、その場所がリゾート地として開発されそうになったため、全財産をはたいて丸ごと購入したのだと言う。

 京香は妖怪話にはまるで興味がなかったが、露伴は人間が「妖怪・鬼・神」等と呼んでいる「何か」は現実に存在すると力説し、その証拠としてある男(実は露伴自身)の体験談を語りだす。



 露伴は会員制のスポーツジムで体を鍛えていたが、そこで橋本陽馬(はしまと・ようま)という若者と出会う。陽馬は駆け出しのモデルで、事務所の社長から仕事のために体を鍛えるように命じられジムに来ていた。陽馬は最初はトレーニングに全く興味が無かったものの、自分の体が少しずつ変わっていくことに喜びを覚え、やがて走ることにのめり込んでいく。

 陽馬の走る事への執着は次第に常軌を逸していき、生活の全てをトレーニングに捧げ、オーディションに合格してもトレーニングの時間の邪魔になるため辞退するという本末転倒の状態となる。

 自分に自信をつけた陽馬は、ジムで露伴を見つけ、ランニングマシン(トレッドミル)による勝負を申し込む。それは両者のマシンの間にリモコンを置いておき、同じタイミングで走り始め、先に時速22キロに達した方がリモコンを取ってマシンを停止させることができる、というものだった。露伴はこの挑戦を受け、陽馬に勝利する。

 露伴に敗れた陽馬は以後もトレーニングを重ね、さらに自らを鍛えて、深夜のジムで露伴に再戦を申し込む。しかも今度は窓際に置いてあったマシンの前後が逆になり、後ろに落ちると窓から転落する危険があった。露伴は陽馬の記憶をヘブンズ・ドアーで読み、トレーニングの邪魔と見なした人間を既に四人も殺していることを知る。

 露伴は時速25キロを目標とするランニング勝負に無理やり引きずり込まれ、陽馬が先に目標速度に達し、歓喜しながらリモコンを手に取る。しかし何故か無意識のうちに、自分のマシンではなく露伴のマシンに向けてリモコンの停止ボタンを押してしまい、自分のマシンを止められなかった陽馬は後ろに吹き飛ばされる。露伴はあらかじめ陽馬にヘブンズ・ドアーで露伴のマシンを停止させる命令を書き込んでいたのだった。



 京香は話を聞き終えるものの、どこが妖怪の話なのかといぶかる。露伴は陽馬が人外の存在に変わっていたのだと力説するが、京香は全く納得しなかった。露伴は陽馬の記憶を読んだ際に「六壁坂」でトレーニングていたという事実を掴んでいた。また京香も、陽馬の恋人の死体らしいものが「六壁坂村」で見つかったというネット記事を見つけていた。


感想

 評価は○(それなり)

 一年ぶりの岸辺露伴ドラマ三夜連続放送のトップバッター。去年放送分(特に第一話「富豪村」)が相当面白かったので、今回も期待していたのですが……

 悪くはない、悪くはないのですが、結末が釈然としない……、劇中キャラの泉京香に台詞で言わせている通り「ふわふわして」いて、ナニコレ感が物凄いんですよね……

 原作漫画の方は(内容はよく覚えていませんが)頭のおかしいサイコキャラとの命を懸けたランニング勝負で、死の瀬戸際で露伴がいつものように機転で切り抜ける、みたいな話だったと思うので、余計に「?? この結末は……、何なの?」感が凄い。

 ただ、最後の方で「六壁坂」云々という言葉が出てきますが、それが第六話のサブタイトルでもあるので、多分この第四話はそのための「前フリ」「プロローグ」であって、単独で評価する話ではないのだと思います……、多分。


 まあ、それでも面白いところもあって、序盤の方の露伴と京香の会話が……(笑)

京香「何読んでいるんですか?」
露伴「ド・スタール」
京香「あ~小説家の? 罪とか罰とか?」
露伴罪とか罰とか他にもあるような言い方をするな『罪と罰』この二つだけだ、そしてその作家ならドストエフスキーだ!」

 のところがコントみたいですごく良かった(笑)
 
 
ニコラ ド スタール Nicholas De Stael: Noon Landscape アートポスター
ニコラ ド スタール Nicholas De Stael: Noon Landscape アートポスター
 
 

【放送日時】
[NHK総合]
第4話 2021年12月27日(月) よる10時~10時49分
第5話 2021年12月28日(火) よる10時~10時49分
第6話 2021年12月29日(水) よる10時~10時49分
(第1~3話:2020年12月放送)


【キャスト】
岸辺露伴高橋一生
泉京香:飯豊まりえ
橋本陽馬:笠松将(第4話ゲスト)
乙雅三:市川猿之助(第5話ゲスト)
大郷楠宝子:内田理央(第6話ゲスト)


【スタッフ】
原作:荒木 飛呂彦
岸辺露伴は動かない」(第4話、第6話)
ジョジョの奇妙な冒険」(第5話)
脚本:小林 靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
演出:渡辺一貴
撮影:山本周平、田島茂
照明:鳥内宏二
美術:磯貝さやか
音声:藤林繁
スタイリスト:羽石輝
衣裳制作:玉置博人
ヘアメイク:荒木美穂
映像技術:大西悠斗
VFX:菅原悦史
音響効果:谷口広紀
取材:名倉良祐
記録:幸縁栄子
編集:鈴木翔
制作統括:斎藤直子、土橋圭介、平賀大介
制作:NHKエンタープライズ
制作・著作:NHK、ピクス

 

2021年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)
岸辺露伴は動かない 2 (ジャンプコミックス)
岸辺露伴は叫ばない 短編小説集 (JUMP j BOOKS)
岸辺露伴は戯れない 短編小説集 (JUMP j BOOKS)
 
 
 
 

【コミック】近代麻雀連載「むこうぶち」舞台は遂に2001年に突入(笑)【不老不死?】

むこうぶち (56) (近代麻雀コミックス)

近代麻雀 毎月1日発売 ? 近代麻雀 THE WEB | 竹書房近代麻雀オフィシャルサイト
https://kinma.takeshobo.co.jp/kindai/

kinma.takeshobo.co.jp

 
 近代麻雀誌のご長寿連載「むこうぶち」(天獅子悦也)。『1980年代のバブル期に、傀(カイ)と呼ばれる男(本名不明)が、賭けマージャンで勝ちまくる』という「これこそ麻雀漫画!」的な連載だったのですが……

 数年前に、登場キャラの中でも強キャラ中の強キャラが集まった「最強雀士決定戦」みたいなのを始めたので、この対局が終わったら最終回か!? と覚悟を決めていたら、その対局が終わった後も、しれっと「バブルが崩壊し、世の中は不景気になったが、まだ賭けマージャンは終わってはいなかった!」みたい展開が始まって、Σ(゚д゚;) !? てな感じに……
 
 そしてその不景気時代展開にもようやく慣れてきたと思ったら……、今度(2022年2月号)からは、さらに時代は進んで「2001年」に突入し、今度はIT長者相手に麻雀を打つ展開になりました(笑)

 ちなみに作中で20年くらい時間が経過しても、傀は全く老けておらず(笑)、もうゴルゴ13超人ロックか、みたいなキャラになっています(笑) 作者は完全に割り切って、傀を人間扱いするのは止めた模様。これならゴルゴ並みに時代を変えても果てしなく漫画続けられるな。
 
 
近代麻雀 2022年 02 月号 [雑誌]
 
 
 

【ロボコン】感想:科学番組「高専ロボコン2021全国大会 見せまSHOW! 超絶機巧(すごロボ)」

闘え!高専ロボコン: ロボットにかける青春

NHK ロボコン https://www.nhk.jp/p/robocon/ts/J8Y25YN2QG/
ロボコン”公式ホームページ http://www.official-robocon.com/kosen/
放送 NHK統合。

【※以下ネタバレ】

番組概要

高専ロボコン2021「全国大会  見せまSHOW! 超絶機巧」
[総合] 2021年12月25日 午後3:05 ~ 午後4:00 (55分)


全国の予選を勝ち抜いた高等専門学校生たちがアイデアと技術を競うロボットコンテスト。今年の競技テーマは「見ている人がスゴいと思うロボット」=「すごロボ」。


全国大会は11月29日に国技館で開催。大道芸やサッカーなどのスポーツ、ロボットによる演劇、かわいい犬型ロボットなど、さまざまなロボットが登場。。審査員による評価で最も多く得点を獲得したチームが最優秀賞に輝く。スペシャルナビゲーター:小島瑠璃子 カズレーザー 進行:浅井理アナウンサー


【司会】小島瑠璃子カズレーザー,浅井理,【解説】和田義久,【リポーター】渡辺健太,安藤結衣,【語り】三石琴乃

 

競技課題

http://www.official-robocon.com/kosen/
高専ロボコン2021 競技テーマ
超絶機巧(すごロボ)


とにかくすごい!ロボット。みんな集まれー!
自分たちがこだわってきた技術、挑戦してみたい新しい技(ワザ)を徹底的に追求し、「すごい!技のロボット」を製作してください。そして「このロボット、いいね!」「このロボット、欲しい!」「このロボット、すごい!」と思ってもらえるパフォーマンスを見せてください。パフォーマンスは「趣味」「実用」「芸術」「スポーツ」「ダンボール積み」「ペットボトル立て」「洗濯物干し」などなど・・・何でもかまいません。みなさんの「すごい!技のロボット」で感動を巻き起こしてください。

 
 今回は決まったテーマは無く、それぞれのチームが自分たちの作ったロボットでパフォーマンスを行い、それを会場の12名の審査員が採点するという形。

結果

優勝+ロボコン大賞 小山工業高等専門学校・クアッドアクセラ
準優勝 呉工業高等専門学校・ムササビ物語
イデア賞 香川高等専門学校(詫間キャンパス)  DBZ
技能賞 香川高等専門学校(高松キャンパス) 8236
 
 

感想

 昨年2020年は、コロナ禍のためお馴染みの国技館での決勝大会が開催できず、というか、いつも通りの競技形式が行えず、結局各校がそれぞれ自分たちなりの凄いロボットを作って、それをオンラインでアピールしあうという、なんだよくわからない形での大会に……(涙)

 今年は、地方大会→国技館決戦、という形式は復活できましたが、競技課題で競い合ってトーナメントで雌雄を決する、という形はとらず、昨年同様に各校が独自のロボを作って審査員にアピールして点数を獲得し、一番高得点が優勝、という、過去とは随分趣の違う大会になりました。


 しかし、にも拘らず展開が超劇的でした Σ(゚д゚;) ヌオォ!?


 まず、香川高等専門学校(高松キャンパス)の「8236」(やぶさめ、と読む)は、馬型四足歩行ロボットの上に人型ロボットが乗り、操縦者のアクションに合わせて弓を引いて的を射る、という「ウソやろ?」的パフォーマンスで94.7点を獲得し暫定一位に。


 そのあと、姉妹校の香川高等専門学校(詫間キャンパス)の「DBZ」は、「ディアボロ」という糸巻車みたいなアイテムを操る芸を、ロボット二体と人間二人がピッタリのタイミングでこなしつつ、後ろでは別のロボットがボール六個を打ち上げてはキャッチしてまた打ち上げての「ジャグリング」を行い、「ロボットの技術も凄いけど人間の芸の方も凄いわ……」という圧巻のパフォーマンスを展開。これも94.7点で姉妹校同士で暫定一位に並ぶ事態になりました


 残り二チームという状況で登場した呉工業高等専門学校「ムササビ物語」は、ロボット三体がバトンを繋ぎ合うというパフォーマンスで、

 一体目 … キャタピラ付き。階段をのぼり、溝に橋を架けて渡る
 二体目 … 荷物を運ぶ台的な形、上に載せた三体目を別の台まで運ぶ。
 三体目 … 小型の車。まず斜めになっている塩ビパイプを掴んでロープウェイ的に滑り降りた後着地。さらに垂直のパイプを掴んで上まで登り、最後に垂れ幕を広げる

 というピタゴラスイッチの超技術版みたいなのをやって、これまた94.7点を獲得し、暫定一位が三校並ぶという事態に!!


 そして最後に登場した小山工業高等専門学校{クアッドアクセラー」は、ジャイロ効果で一本足で立ち上がるロボをフィギュアスケートの選手として見せて、最後にロボットを別のロボットでジャンプ台に押し込んで、台を思いっきり跳ね上げてフィギュアロボを飛ばし、無事着地させるというパフォーマンス。練習でも予選でも成功しなかったというこのジャンプ芸が最後の最後、決勝大会で見事に成功し、なんと100点満点を獲得。劇的な優勝となりました。


 もう視聴していて、「こんな、展開作っているのか? 漫画かよ~(笑)」と笑ってしまうくらいに出来過ぎの展開でした(笑) しかしこれは面白かったわぁ。レギュレーションはイマイチでしたが、筋書きのないドラマつーかなんというかで、メチャクチャ盛り上がった大会となりました。ヽ(´▽`)ノ
 
 
ロボコンマガジン 2017年 07 月号
 
 
 

【SF小説】感想「神聖寺院作戦」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 655巻)(2021年12月16日発売)

神聖寺院作戦 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-655 宇宙英雄ローダン・シリーズ 655)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123489
神聖寺院作戦 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-655 宇宙英雄ローダン・シリーズ 655) 文庫 2021/12/16
クルト・マール (著), H・G・エーヴェルス (著), 鵜田 良江 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/12/16)
発売日:2021/12/16
文庫:268ページ

【※以下ネタバレ】
 

スラッチらはイプシロン星系にあるティグ・イアンに対するレジスタンス組織GOIの本部、クラーク・フリッパー基地を探していた


レジナルド・ブルの副官ファジーことボニファジオ・スラッチは、ソト=ティグ・イアンの護衛部隊の拠点である宇宙要塞から逃れ、名もなき惑星にある“クラーク・フリッパー基地”にやってきた。ここはソト=ティグ・イアンに対する抵抗組織GOIの本拠地だ。ファジーはGOI代表のジュリアン・ティフラーから任務をいいわたされる。パラ露をひそかに入手するため、惑星アラロンにいる闇商人に接触せよというのだが…世界最長のスペースオペラ

 

あらすじ

◇1309話 テラへの道(クルト・マール)(訳者:鵜田 良江)

 ボニファジオ・スラッチたちはGOIの秘密の本部に迎えられるが、幹部のティフラーはカルタン人の情報に興味を示さず、テラにいるアダムスに情報を伝えるようにアドバイスする。スラッチたちはGOIのメンバーとなり、テラへパラ露を輸送する任務を与えられるが、彼らを支援したスプリンガー族長「キャプテン・アハブ」こと「モセク・バン・オスファー」こそストーカーだった。スラッチたちはテラでアダムスと面会し、改めて三角座銀河に向かう様に指示される。(時期:NGZ446年2月)

※初出キーワード=ストリクター、パラテンサー、三角座銀河情報局(PIG)


◇1310話 神聖寺院作戦(H・G・エーヴェルス)(訳者:鵜田 良江)

 GOIはソト=ティグ・イアンが企んでいるというブルー族への攻撃の詳細を突き止めるため、チョモランマにあるソトの司令本部「ソトム」へ侵入する「神聖寺院作戦」を計画していた。ティフラーは、恋人ニア・セレグリスや他の三人のメンバーと共にチョモランマに突入したが、到着早々発見されてしまう。しかし突如謎の老人が現れて、発見者の記憶を消し一行を手助けした。(時期:不明:NGZ446年2月頃)

※初出キーワード=ソトム


あとがきにかえて

・ゲストキャラ「ネサ・クルド」の名前が、ローダンファンのウド・クラーセンのアナグラムという話
・お父上が亡くなられたという話


感想

・前半エピソード 原タイトル:HEISSE FRACHT FUR TERRA(意訳:テラ向け危険貨物)

 GOIの説明、ストーカーとの再会、テラについたと思ったら今度はすぐに三角座銀河行きに、と目まぐるしい展開のエピソードでなかなかの読みごたえ。意外なのは、スティギアン支配下の銀河系では、みんな結構自由にふるまっていること。ギャラクティカムはそのまま存在しているし、反スティギアンを掲げるブルー族は野放し(?)だし、と、公会議時代のように、反抗分子が手当たり次第に奴隷惑星に放り込まれたりはしていないようです。まあ秘密警察的な連中がうろうろしてはいますが……

 モセク・バン・オスファーの異名は「キャプテン・≪ア≫ハブ」よりは「≪エイ≫ハブ」の方が良かったなぁ……



・後半エピソード 原タイトル:UNTERNEHMEN GOTTERSCHREIN(意訳:神々の神殿作戦)

 GOIのトップのティフラーが自ら、戻ってこれる確率の方が低そうな決死作戦の指揮を執っています。往年のペリー・ローダンのごとし。ティフラーも(チーフみずから決死作戦の先頭に立っていた)第三勢力時代のノリが未だに抜けていないのかもしれません……

 P207辺りで、キチドグ・ロルヴィクといういかにも何かやりそうな名前の男が暗躍しており、いつものエーヴェルス風味です。というかこの人物、やっぱダライモク・ロルヴィク本人なのでは……
 
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

【ゲームブック】安田均先生がツイートでFF古本の高騰を嘆かれる……【転売ヤーの仕業?】

ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活

 ゲームブック5冊詰め合わせセット第二弾「ファイティング・ファンタジー・コレクション ~レジェンドの復活~」の話題でもちきりの年末ですが……

 安田先生がこんなツイートを……
 

https://twitter.com/yasudahitoshi2/status/1473806501286678528
「FFコレクション/レジェンドの復活」を喜んでいただいてるのは嬉しいが、その裏でFFシリーズ20番代後半から33番までが、古書価格で軒並み何万円という価格が付いているのは、あんまりという気がする(急に最近高騰した)。34番の「魂を盗むもの」を出して再開したいというのはこういう点も含めてです。

https://twitter.com/yasudahitoshi2/status/1473808344460980226
これは難しい点でもある。FFシリーズ20番代後半からはタイタン世界がほぼ全て。そこで面白い3部作の始まりとか多いのだ。こういうのは1度出てるので出しにくく、二の足を踏んでいたが、こんな値段になるのなら現在の最近作に続く部分でリメイク必要。そのためにはある程度売れないと、ということです^^

https://twitter.com/yasudahitoshi2/status/1473809428403322881
原書でもウォーターフィールドの55番「死の荒野」(「仮面の破壊者」の続編)なんかは日本ですぐ買おうと思ったら、8万円とか付いていた。本国の古書店から買えばそれほどでもないだろうが、足元見られてるのが多いなあ。

 
 うーん、ゲームブックガンダムのプラモみたいに「転売屋の買い占め(?)で品切れ&価格高騰で、欲しい人が入手できない」みたいな事になろうとは……、FFシリーズが話題になるのは良いけど「これは儲かる」と見られて転売屋(?)に食い物にされたのではたまらない…… 
 
 

死のワナの地下迷宮
死のワナの地下迷宮-アドベンチャーゲームブック(6)
地獄の館
地獄の館‾ファイティング・ファンタジー (10)
サイボーグを倒せ
サイボーグを倒せ‾ファイティング・ファンタジー (17)