感想「K-1 WORLD GP 2006 IN TOKYO〜決勝戦〜」


 昨夜(12/2(土))のK−1決勝戦の感想です。

 それにしても、一昔前は「第九の合唱」とか有って「すごいイベントの締めくくりだよ」という感があったワールドGPの決勝も、今では無造作にぽいっとやるだけ。まあ、今では大晦日イベントの方が重要だからですかねぇ。

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■リザーブ戦

ピーター・アーツ−×武蔵

 確か武蔵のほうが若いはずなのですが、アーツより先に衰えてどうする・・・


■準々決勝

アーネスト・ホースト−×ハリッド“ディ・ファウスト”

 ホーストの衰えぶりが痛々しく直視できない・・・。あの代名詞「対角線コンピネーション」は出せないし、ハイキックは首で止められるし、太ももの辺りを前蹴りで蹴られてころりと引っくり返るシーンなんかもう悲しすぎる・・・。なんとか意地で判定勝ちしましたが、もう切なくて仕方なかった。


セーム・シュルト−×ジェロム・レ・バンナ

 とにかくシュルトが前蹴りでバンナを近づけなかった試合、という印象が強いです。結局バンナはロクに殴れなくて判定負け。まあ、こういう戦い方も有りますわな。


グラウベ・フェイトーザ−×ルスラン・カラエフ

 カラエフってスピードだけは目立つけど、実は大して強くないのではないだろうか・・・、と疑念を抱かせる試合。私はグラウベも大して買ってないのですが、そのグラウベにあの負け方は無いだろう。


レミー・ボンヤスキー−×ステファン“ブリッツ”レコ

 「レミーは離婚して大変だねぇ」とかそういう思いが先に立って、イマイチ試合に集中できない。しかもレミーは途中で金的を蹴られ、のた打ち回ったあとにようやく立ち直ったと思ったら、もう一回急所蹴り。ここまで来ると悲劇というかなんというか表現しにくいです。結局レミーが判定勝ちしましたが、結局今回は「二連覇した若手のエース」という面影は皆無でした。


■準決勝

〇アーツ(レミーの代役)−×グラウベ

 金的のダメージで棄権したレミーの代役でアーツ登場。グラウベを一蹴! という感じで危なげなく勝利。


シュルト−×ホースト

 ホーストは一試合目よりは調子が良かったものの、体格差を切り崩せないまま負けちゃいました。引退も致し方なし、か。まあ、40代であれだけ戦えただけでも立派でしたよ。


■決勝
シュルト−×アーツ

 最近のK−1には珍しく決勝が異常に盛り上がりました。アーツは3月にシュルトに勝っているし、もう歳も歳だし、と色々な意味で勝たせてあげたかったのですが、シュルトが僅差で競り勝ちました。

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 シュルトは昨年のGPは「掴み→膝蹴り」の黄金パターンでバタバタ倒していっただけに、それが今年から禁止されたら弱くなってしまい、ゆえにGPでもころりと負けるかと思っていましたが、別の戦い方を見つけ出したようです。

 「歴代最強」とかいう持ち上げ方はどうかと思いますが、勝てそうな選手が思いつかない。これは「抜きん出て強い」というより、「年齢的に同じくらいで、かつ、往年のホーストとかアーツとかフグの様な人気と実力のある選手を思いつかない」という事です。

 というかホーストが消え、アーツもバンナもセフォーも年齢的に下り坂の状況で、今後誰がK−1を支えていくの? シュルト一人旅?