感想:ウォーゲーム同人誌「SLGamer vol.10」『特集:フランス解放戦線』(2013年11月4日発売)


 『初心者向けSLG専門誌』を謳う同人誌(発行元:さいたまオフライン)の感想です。

■SaitamaOffline-Official Web-
http://saitama-offline.com/

■Vol.10 の紹介ページ
http://saitama-offline.com/list1001019.html

 11月4日(月)開催の「ゲームマーケット2013秋」に合わせて発行。


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□付録ゲーム コブラ作戦&エプソム作戦(天津老師デザイン)

>今回の付録ゲームは「コブラ作戦」と「エプソム作戦」の2in1ゲームで入門サイズとしては最適です。
ノルマンディ上陸作戦直後に実施されたブルゴーニュへの進撃作戦を扱っています。


 A4サイズのゲームが二個入り。どちらもプレイ時間30分程度の初心者向けとのこと。最近は「簡単なノルマンディ物」も増えてきましたねぇ。


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□特集 フランス解放戦線

・ゲーム紹介漫画「Operation COBRA」(全2ページ)
・ノルマンディ戦のヒストリカルノート
・有名指揮官列伝
・戦車紹介

 など。特集の割にはいまひとつパンチ力に欠けました…



□その他

[連載]世界のユニット列伝

 今回のテーマは「第12SS装甲師団ヒトラーユーゲント)」。ノルマンディとかバルジとか、あるいは奇天烈仮想戦ゲーム「ミシシッピ・バンザイ」とか、で活躍するこの師団のコマを徹底紹介。



[連載]WAR GAME

 3回目。移動について色々。機械化移動とかダブルインパルスとか。途中でテーマを忘れたのか現代海戦とか空戦の話にもなってましたけど。



[連載]ボードゲームからの道(徳岡正肇)

 新連載。コマンドマガジンとかで小難しいことを延々と書いている人がなんとこの同人誌に登場。今じゃんじゃん増えているボードゲーマーをこちらの世界に引っ張りこむにはどうするのかを考えるという連載。いつものように回りくどくて小難しいことばかり書いていて、相変わらずあまり面白いとは思えない。



・ゆるげーまーゆるもでらー(伏見健二)

 ウォーハンマー40000ネタ。いやぁ、ミニチュアゲームはスペースを取るという時点で日本人にはちょっと…



パンジャンドラムは電気洗濯機の夢を見るか?(菅原恭一郎)

 イギリスの珍妙兵器の中でもトップクラスの知名度と失笑度を誇る「パンジャンドラム」を皮切りに、ロシアの空飛ぶ戦車とか、珍兵器をどさっと紹介。それにしてもイギリス人はどうして素であんなに変な兵器を一杯作れるのだろう…、



[連載]アニメの中の戦争

 「#10 進撃の巨人」。前回も「#10」と書いてあってもう訳がわからない…、とにかく進撃世界の社会構成とか各兵団の紹介とか色々。リヴァイ「兵長」って鬼軍曹的な階級かと思っていましたが、実のところは佐官クラスくらいの大物のようです。紛らわしい。



[連載]歴史を支えた兵器たち

 イスラエルメルカバ戦車。フォルムが好きなのだ。



・B級ゲーム通信

 「この子誰の子」(ヨネザワ)。1980年代日本が元気でイケイケだった頃に発売されたマルチ。「できちゃった」子供を巡って、男と女がそれぞれ責任を押し付けあうというなんというかゲーム。1980年代末発売の翔企画版シミュレイターにちょろっと紹介されていたので名前そのものは知っていたのですが、内容は予想以上にヒドイゲームでした。いやコンポーネントがとかルールがという前に、ゲームアイデアの発想自体が。



□次号予告

 2014年3月予定。テーマは「三国志」。付録ゲームはマルチ「猛虎三国志」。天津老師氏の三国志ものかぁ。やっぱSSシリーズのあれみたいに超簡単な物になりますかな。

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 まあ、今までと基本的に作りは変わりないし、テーマはメジャーなノルマンディだし、とノリノリで読めるはずなのですが、何か妙な物足りなさを感じました。どうしてか良く解らないのですが、読み終えた後の充足感が皆無で「うーんんんんん」とうなりそうになりました。

 おまけ的な存在のはずの「B級ゲーム通信」が結局一番面白かったというのもどうなのかしらん…