【映画】感想：劇場アニメ「サクラ大戦 活動写真」(2001年:日本)

「サクラ大戦 活動写真」 https://www.sakura-taisen.com/archives/sakura_movie/
放送　AT-X。2021年2月21日(日)

【※以下ネタバレ】
　

帝国華撃団　銀幕に舞う！

太正十五年、帝都・東京は西洋文化と日本文化が入り交じり、街には蒸気電話、蒸気自転車、地下には蒸気鉄道網が敷設され、独特の文化が築き上げられていた。
しかし、この一見華やかな舞台の裏側には、“降魔”と呼ばれる異形の怪物が跋扈する闇の世界が潜んでいた・・・通常の軍隊、警察では到底手に負えないこれらの怪物から帝都を防衛すべく、闇と戦う秘密部隊「帝国華撃団」が組織された。だが、驚くべきことに、隊長をのぞいた全てのメンバーは花もはじらう乙女たちであった。彼女たちは、昼は帝都のスタア、「帝国歌劇団」として大帝国劇場で華やかに舞い踊り、一度、帝都に危機が迫ると、「霊子甲冑（りょうしかっちゅう）」に身を包み、「帝国華撃団」として華麗に戦う戦士たちである。

あらすじ

　太正15年12月。大神が巴里に出向して不在の帝劇に、元・星組のラチェット・アルタイルが現れる。ラチェットは、賢人機関が東京・巴里に続いてアメリカに設立予定の第三の華撃団「紐育華撃団」の参考するため、花組への入隊を要請する。

　一方、賢人機関のメンバーの一人・田沼は、帝都防衛のため、アメリカの企業ダグラス・スチュアート社が開発した無人兵器「ヤフキエル」を用いるように提案し、ヤフキエルは試験的に陸軍に貸し出されることが決定した。実は田沼はダグラス・スチュアート社の社長ブレント・ファーロングと癒着していた。

　年は明けて太正16年のある日、突然米田司令官と花小路伯爵が行方不明となり、同時に花組は花やしき支部に追いやられ、事実上解散状態となってしまう。マリアは単身ダグラス・スチュアート社の工場に潜入し、ヤフキエルが降魔を利用した兵器であることを突き止めるが、ファーロングの手下のパトリックに襲われ、川に転落して消息不明となる。

　さくらたちは、薔薇組の助けを借りて、秘密の通路を経由して帝劇に乗り込み、光武を奪回する。ファーロングは目障りな花組を壊滅させるため、降魔とヤフキエルの大群を送り込むが、降魔は返り討ちにされ壊滅する。さらに月組が奇襲を仕掛け、米田と花小路を解放した。

　しかしファーロングは逃亡し、無数のヤフキエルと合体することで巨大降魔と化して花組に襲い掛かった。花組は大ピンチに陥るが、そこに巴里から駆け付けた大神が参戦し、大神の復活に奮い立った花組は巨大降魔を倒した。行方不明だったマリアはパトリックの前に現れ、パトリックを倒した。

　最後、ラチェットが舞台劇の中でアドリブで他の隊員と台詞を通じて会話し、和解しておしまい。

感想

　評価は△（なんか微妙……）。

　1990年代後半から2000年代前半に大人気だった「サクラ大戦」の劇場版。ただし、質は今一つ……

　この映画の公開時期はゲーム3作目「サクラ大戦3」の発売後くらいで、ストーリーの方もゲームのちょい後くらい頃と、ゲームと連動した作品なのですが、これはちょっとアカンです。

　まず作画が「劇場版！」の割には大してよくない、というかところどころではさくらたちが全然可愛くない場面もあり、見ていて微妙な気分になりました。

　それ以上にイカンのが、脚本の方でして……、一応「国内の悪徳政治家と外国企業が癒着して、花組抹殺を企む」という大筋は理解できたのですが、

・ブレント・ファーロングって何がしたかったの？
・ダグラス・スチュアート社は何故降魔を利用した兵器を作っていたの？
・ファーロングの側にいた（そして簡単に殺された）パトリックって何者だったの？

　等々の疑問が噴出……

　まあ、想像を膨らませるなら、パトリックというのが魔の関係者で、こいつがファーロングに取り入って降魔入り兵器を作らせ、ファーロングが魔の力を利用して世界征服を企んでその手始めで帝都に手を伸ばした、というくらいだと思うのですが、そのあたりの説明が皆無なんですけど？

　前述のとおり話は説明不足だし、各キャラともあんまり立っていなかったし、大神君が帰って来たのに出番が一瞬だし……、主要キャラ周りの基本設定は説明不要なのだから時間が足りないということは無いはずなのに、とにかく何もかもが不足。

　おまけに、1時間24分映画なのに1時間9分頃には既に敵を倒して決着がついてしまい、「え？ この後なにするの？」と困惑していたら、舞台劇の中でラチェットとさくらがなんか、アドリブでよく解らん会話を延々続けた挙句に「終わり」となり、目が点になりました……、なんだこれ。

　期待していただけに、失望甚だしい内容でした……、
　　

　

https://www.at-x.com/program/detail/11721
サクラ大戦 活動写真

＜スタッフ＞
原作：広井王子
エグゼクティブプロデューサー：大月俊倫
スーパーバイザー：あかほりさとる
音楽：田中公平
キャラクター原案：藤島康介
キャラクターデザイン：松原秀典
活動写真版キャラクターデザイン：齋藤卓也
監督：本郷みつる
制作：プロダクションI.G
製作協力：ジャパンデジタルコンテンツ
製作：セガ/角川書店/プロダクションI.G/IMAGICAエンタテインメント/レントラックジャパン/日本出版販売/キャラアニ.com

＜キャスト＞
真宮寺さくら：横山智佐　　　　　　
神崎すみれ：富沢美智恵　　　　　　
マリア・タチバナ：高乃麗　　　　　　　
アイリス【イリス・シャトーブリアン】：西原久美子
李紅蘭：渕崎ゆり子
桐島カンナ：田中真弓　
ソレッタ・織姫：岡本麻弥
レニ・ミルヒシュトラーセ：伊倉一恵
藤枝かえで：折笠愛
ラチェット・アルタイル：久野綾希子

2001年劇場公開作品

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