ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第15話 ウルトラ警備隊西へ 後編
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版(15)「ウルトラ警備隊西へ 後編」
[BS4K] 2021年07月04日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
『ウルトラセブン』初の4K化・国内初放送!ペダン星人は地球をのっとるため、スーパーロボット・キングジョーを出撃させる。セブンとの壮絶な闘いがはじまる。
1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!防衛センターを襲撃したスーパーロボット・キングジョーに対し、撃退法の研究が開始される。ダンは、防衛会議の中心人物であるドロシーを誘拐したぺダン星人を見つけだし、ドロシーの解放と研究中止を交換条件として提示する。了承したかに見えたぺダン星人は約束をやぶり、再びキングジョーを神戸港に出撃させる!
登場 … 宇宙ロボット キングジョー、策略星人 ペダン星人
六甲山防衛センターを襲ったスーパーロボット・キングジョーは、セブンの必死の防戦の前に撤退していった。キリヤマはツチダ博士に対ロボット用の兵器の開発を依頼する一方、ウルトラ警備隊の隊員たちに守りを固めるように指示する。
ダンは神戸港でペダン星人の化けた偽ドロシーを発見するが、偽ドロシーはダンがセブンであることを知っており、また地球側が侵略目的で観測ロケットをペダン星に打ち込んだに違いないと非難する。ダンは偽ドロシーに地球側に侵略の意図はないと訴え、対ペダン星人用兵器の開発を中止する代わりに、ペダン星人は地球から撤退するという約束を交わす。そして偽ドロシーは誠意を示すため本物のドロシーを返すという。
ところがペダン星人は約束を守るところか、地球を侵略するため、母星のある第八銀河系から宇宙戦闘機部隊を地球に向けて出撃させていた。
六甲山防衛センターに戻ったダンは、キリヤマたちにペダン星人との約束について話し、兵器の開発中止を訴える。直後本物のドロシーが防衛センターに戻ってくるが、記憶をすっかり消されてしまっていることが解り、ツチダ博士はダンにペダン星人の誠意も怪しいと皮肉を言う。さらに宇宙ステーションV3はペダン星人の宇宙戦闘機の接近を確認、同時に神戸港にはキングジョーが出現し破壊を開始していた。
ダンはセブンに変身しキングジョーに戦いを挑むが、キングジョーの上陸を防ぐのが精一杯で一進一退の戦いとなる。同じ頃防衛センターではアンヌがショック療法でドロシーの記憶を取り戻し、ドロシーはペダン星人が使用する特殊な金属は「ライトンR30」を使用した弾丸で破壊可能なはずと指摘し、ツチダ博士と共に兵器の開発を開始した。
そして新型爆弾は一発だけ完成し、神戸港に急行したウルトラ警備隊はキングジョーに新型爆弾を打ち込んで破壊に成功した。そのあと、キングジョー内部に潜んでいたペダン星人の円盤もセブンによって破壊された。状況を知ったペダン星人の宇宙戦闘機部隊は途中でで引き返し、地球の危機は回避されたのだった。
脚本:金城哲夫
監督:満田かずほ
特殊技術:高野宏一
感想
評価は○(そこそこ)
初の前後編の後編ですが、話のクオリティはもう一つ。
前回セブンがキングジョーにのしかかられて絶体絶命!というシーンで終わるので、あの危機的状況からどうやって脱するのかと思ったら、セブンが失神したと思ったキングジョーはあっさり戦闘をやめてまた防衛センターに向かってしまうという展開でもう拍子抜け。しかも、そのあと、キングジョーは背後からのセブンのタックルを食らって転倒すると、そのまま分裂して撤退してしまうという行動がもう意味不明です。
「キングジョーは背中からひっくり返ると自力では立てないので撤退した」という説もあるのですが、明らかに間違いで、その証拠に前編では空を飛んできたセブンから飛び蹴りをくらわされて真後ろにひっくり返った後、きっちり立ち上がって反撃しています。ということで、本当に何故あそこで引き揚げたのか訳が分からない……
しかし、まあ、ちょっとオッと思うところもあり、中盤のダンと偽ドロシーとの会話での「地球人の方から先に仕掛けてきた」という非難は確かにもっともで「宇宙人=悪/地球人=正義」がいつも正しいわけではないという流れはセブンらしいと言えます。
さらに、ダンがペダン星人と約束した後、ウルトラ警備隊のメンバーに対して「みんな、何を疑っているんだ!? まず、相手を信じることです! そうでなければ、人間は永遠に平和をつかむことなどできっこないんだ!」と叫ぶところもなかなか味があり、先の展開とも合わせて、金城哲夫風味というか、そういう物を感じさせてくれました。
もっとも、そのあとペダン星人が簡単に約束を破ってしまったので、良い感じの台詞とかは全て無駄になってしまいましたが……、
終盤、セブンは神戸港に出現したキングジョーと死闘を繰り広げるのですが、この辺りの時間経過も何か変です。セブンは戦いを開始した後、六甲山では「ドロシーの記憶をショック療法で取り戻させる」と「ドロシーの協力で新型爆弾を開発する」というイベントが展開されますが、どちらも5分や10分で終わるような物ではありません。セブンはキングジョーと一体何時間戦っていたというのか……
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