ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第27話 サイボーグ作戦
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版(27)「サイボーグ作戦」
[BS4K] 2021年09月26日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
地球防衛軍の野川隊員が謎の宇宙船に捕獲された。船内のボーグ星人は彼を操る装置を脳に埋め、爆弾を持たせて彼を基地に帰す。狙いは地球防衛軍基地の爆破であった。
1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!地球防衛軍の通信隊員・野川が、朝日沼にて謎の宇宙船に捕獲された。船内に潜むボーグ星人は野川を操る催眠プレートを脳に埋め、強力な爆弾を持たせて彼を基地に帰還させた。ボーグ星人の狙いは地球防衛軍の隊員たちが勤務交代する時間に合わせ、基地を爆破することであった。
登場 … 甲冑星人 ボーグ星人
地球防衛軍の通信隊員でソガの知人である野川は、婚約者のサナエと共にアサヒ沼周辺をドライブしていたが、湖から現れた宇宙船に車が吸い寄せられ、そのまま内部に取り込まれてしまう。
やがて湖畔にサナエが倒れているのが発見され、ダンたちは調査に向かい、野川は車ごと湖に転落したらしいと判断する。しかしいくら調査しても野川の消息は不明だった。
一方、ボーグ星人は捕まえた野川を改造し、自分たちの工作員に仕立て上げると、地球防衛軍の基地に送り出した。ダンは基地に戻ってきた野川に怪しい物を感じるが、野川が警備員を倒して行方をくらませたことを知り、すぐさま警報を発する。
野川は基地内に小型爆弾を仕掛けており、詰問したダンにボーグ星人の基地破壊の計画を話す。ダンは殴り倒され、野川はソガのショックガンで失神させられる。検査の結果、野川の脳内に「催眠プレート」が埋め込まれており、これで操られていたことが判明した。野川は手術で催眠プレートを除去され、「アサヒ沼」とうわ言を繰り返したため、キリヤマたちはすぐさまアサヒ沼に向かった。
キリヤマたちの攻撃で沼に潜んでいた宇宙船は破壊されたが、ボーグ星人は入れ替わるように基地に潜入していた。ボーグ星人は野川を殺そうとするが、ダンはそれを阻止し、変身してボーグ星人を倒した。
ラスト。結婚式を挙げた野川とサナエは、皆が祝福するなか車で旅立っていった。
脚本:藤川桂介
監督:鈴木俊継
特殊技術:的場 徹
感想
評価は○(そこそこ)
オーソドックスな侵略宇宙人との対決物。しかしながら、この回ならではの独自のアイデアという物がまるで見られず、適当に思い付いて書きなぐったようなシナリオで、満足度はイマイチでした。
侵略宇宙人が地球防衛軍の隊員を拉致して工作員に仕立て上げ、内部から基地の破壊を企む、と、あらすじだけならかなり緊迫感を感じさせる内容ですが、実際のところはかなりアレアレな展開で、
まず、地球防衛軍の作戦室に、ハイカーから「女性が倒れています」と電話がかかってきますが、これは警察とか消防が受けるべき内容なのでは? しかも対宇宙人専門チームのウルトラ警備隊がこんな的外れな電話をいちいち直通で受けて、さらに調べに行くなんて……
またボーグ星人の作戦が開始されますが、
・野川隊員は、基地に到着早々、むやみと警備員を失神させ(または殺害し)て、簡単にダン以下のウルトラ警備隊に「怪しい」と疑われ、こっそり爆弾を仕掛ける場面を監視されている有様。秘密裏に基地を爆破するどころではありません。
・さらにすぐにショックガンで失神させられ、あっさり宇宙人に操られていることがバレてしまい、手術によって元に戻されてしまいます。
と、ボーグ星人の陰謀は、開始数時間で失敗に終わっています。せっかく改造したのに、もう少しうまく立ち回るような計画を立てられなかったのでしょうか。
また、終盤、手術後の野川隊員を抹殺するためボーグ星人が女性の姿で基地に侵入してきますが、そもそも、そんなに簡単に侵入が可能なら、野川他員を拉致したり手術したりと手間をかける必要もなく、自分が直接爆弾を仕掛けたほうがよほど効率的かつ成功の確率が高かったのでは? また野川隊員を殺しに来た理由が「裏切ったから」というのもおかしな話で、野川は任務に失敗して失神させられただけで、裏切った訳ではありません……
この話で唯一良いのがボーグ星人のデザイン。「サイボーグ」と「防具」のダブルミーニングの名前も良いのですが、その名前に相応しい中世ヨーロッパの甲冑を思わせる姿は強敵感を醸し出す格好良さ。また肩当ての部分は左右でデザインが違っているという凝りようです。
そして、実力の方も、セブンに馬乗りになって上から殴りまくり、半失神状態に追い込むなど、格闘戦の力はなかなかのもので、やはり見た目通り頭脳戦より肉弾戦が大得意なタイプの宇宙人だったと思われます。もっともセブンは「ヨロイを着た相手は、可動部のすき間を狙え」という鉄則を熟知しており、アイスラッガーをむやみにヨロイにぶつけたりはせず、首の細いすき間を一刀両断するという頭脳プレイで侵略者を倒しました。
ラスト。結婚式場から車で新婚旅行に出発する(多分)野川夫妻ですが、車の後ろには無数の空き缶が紐で結び付けてあります。この「昭和の結婚式→新婚旅行のイメージ」がとてつもなく懐かしい……
甲冑星人 ボーグ星人
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
Vol.2
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Vol.6
Vol.7
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