【ゲームブック】感想:ゲームブック「危難の港」(イアン・リビングストン/2022年)【一応クリア】

Fighting Fantasy: The Port of Peril
Fighting Fantasy: The Port of Peril 2017/8/3

http://www.amazon.co.jp/dp/4815613966
ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活 単行本(ソフトカバー) 2022/7/16
出版社:SBクリエイティブ (2022/7/16)
発売日:2022/7/16
単行本(ソフトカバー):1280ページ

★★【※以下ネタバレ】★★
 
 

危難の港
2017年に発表された最新シリーズの第一作で、巨匠イアン・リビングストンが20数年ぶりにアランシアを描いたことで注目を集めた話題作。物語はシルバー川に面した河港「チャリス」から始まるが、やがて冒険の舞台は‘盗賊都市’ポートブラックサンドなど広大な地域へと広がっていく。巨匠みずからが作り出したアランシア世界の魅力を余すところなく披露し、ファンサービスにあふれた一篇。

 
 今年7月に発売されたゲームブック5冊詰め合わせセット「ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活~」

ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活~ | SBクリエイティブ
https://www.sbcr.jp/product/4815613969/

www.sbcr.jp

 
 の中の一冊「危難の港」(本国イギリスでは2017年発売)をプレイしました。細かい分岐については、まだ完全に制覇したわけではないのですが、一応ラストまで到達しましたので、感想をば。


概要

 「ファイティング・ファンタジー(FF)・シリーズ」66作目。王道ファンタジー作品。


あらすじ

 熟練の冒険者である君は、落ちぶれ果てて無一文でチャリスの街をさ迷っていたが、ある日、怪しげな「宝の地図」を手に入れた。羊皮紙に書かれたその地図には、月岩山地の洞窟に隠された宝箱の在りかが記されていた。君は洞窟にたどり着き、見事財宝を手に入れることができるか!?


ゲームシステムなど

 パラグラフ数は400。ファイティング・ファンタジー・シリーズ共通の「サイコロを振ってキャラクターの3つの能力を決定」、「必要に応じてサイコロで判定を行い、戦闘や運試しなどを行う」というシステム。

 特別な追加ルールは無し。


感想

 評価は◎(面白い)。

 イアン・リビングストン御大が2017年(ホンの五年前!)に書いたFFシリーズの一作ですが、これがめっぽう面白かった!


 構成はいわゆるキャンペーン物で、主人公は最初は小さな冒険に挑むのですが、そのあと数珠つなぎにイベントが発生し、最終的には世界の命運を握るような大事件に巻き込まれる、という流れ。

 最初は無一文で残飯漁りをしている情けない状態の主人公が、有るかどうかも分からない宝物を手に入れるため旅立ちますが、そのまま宝探しで最後まで行くのかと思いきや、途中であっさりその冒険は終わってしまい、やがてザンバー・ボーン復活という重大な事実を知り、最終的にはヤズトロモ・ニカデマスという有名人たちとともに、ザンバー・ボーン率いる軍団との一大決戦に挑むことに……、と終盤はもう完全にアランシアの命運をかけて戦う英雄の物語になっていて、プレイしていてワクワクしました。


 ヤズトロモ、ニカデマス、さらに復活ザンバー・ボーンなど、過去のシリーズでの有名キャラたちが続々と再出演してくれているのが嬉しいし、また序盤にチャリスの街をうろついて買い物をしたりお金を稼いだりするあたりは「盗賊都市」の展開そのもので妙に懐かしい。さらに後半には、ニカデマスを探して連れて来るため、本物の「盗賊都市・ポート・ブラックサンド」に潜入するという、もはや「盗賊都市ふたたび」とでも言いたくなる展開も待っていたりして、もう盛り上がる盛り上がる。


 最終決戦では、途中までに必要アイテムを手に入れていなかったため、ザンバー・ボーン軍団になすすべもなく蹴散らされて「このタイミングであれが必要だったのか……(嘆き)」と頭を抱える羽目になったりしましたが(笑)、それもまた一興というかで楽しめました。


 ラストパラグラフも「君は目的を達成した」的なシンプルな内容ではなく、きちんと「大冒険のエンディング」している内容になっており、これまた満足度高し。


 ダイナミックな展開、有名キャラたちの共演、あちらこちらにある他作品(死の罠の地下迷宮。他)の内容への言及等々、サービス精神満載の一作で、これは本当に素晴らしい出来栄えでした。満足満足。
 
 

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