【ボードゲーム】記事「日本一のボードゲーム専門店代表が語る、ボードゲーム最前線」←「すごろくや」店長インタビュー【辛口】

カルカソンヌJ (Carcassonne J) ボードゲーム

2020年7月15日
日本一のボードゲーム専門店代表が語る、ボードゲーム最前線
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コロナ禍でステイホームが推奨されたとき、家で楽しめるとボードゲームが注目された。ただ、ボードゲームと聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか? 『ドンジャラ ドラえもん』? 『人生ゲーム』? ボードゲーム専門店の会社「すごろくや」の丸田康司さんは、「いま人気のボードゲームは大人が遊べるものとして大人用に作られたもの」と言う。すごろくやが「ボードゲームを選ぶならココ」と言われるまでのお店に成長した理由、さらにはボードゲームを取り巻く状況や定番・最新ゲームなど、さまざまな視点でボードゲームを解剖する。

 
 有名なボードゲーム専門店「すごろくや」の店長インタビュー。2020年と古い記事ですが、引用だらけでお送りします。
 

――丸田さんが起業した当時(2006年)、ボードゲーム業界は1000人程度のマニアに支えられていたそうですが、現在、プレイヤーは増えましたか?


まだまだ日本市場は小さいですが、広がりつつあると思います(※)。コアなファンが占める割合は全体の5分の1程度で、そのほかデジタル系に強い20~30代の若者を中心に支えられていますね。

 

――デジタル系に強い人たちもボードゲームで遊ぶんですか?


大人向けのボードゲームはデジタル要素のほうがはるかに強いんですよ。たとえば将棋はアナログなゲームだと思われていますが、実は違います。手番という完全に区切られたターンを使って、完全に理詰めで先々を考えていくゲームで、プログラミングと同じようなことをしているわけです。だから、デジタル系が好きな人のほうが、ボードゲームに向いていますよね。

 

――ボードゲーム=アナログというイメージがあります。


アナログという言葉は、最初はアナログ時計のように量的なもので計るものを指していたはずですが、コンピューターではないものがアナログだという定義が根拠なく広がってしまった。その結果、手作業=アナログにすり替わってしまったんだと思います。


――そのすり替えはいつ起こったんでしょうか。


根底を考えれば、子どもの頃から根拠なく受け入れることが染みついているからだと思います。子どもが言葉や世の中のしくみを覚えるとき「なんでだろう?」と疑問に思っても、「そういうものだから覚えろ」と言われてしまうことが日本では多い。


幼少期からそうした教育がくり返された結果、言葉の定義をよく考えずに受け入れることがふつうになってしまったように思います。ぼくはゲームをつくっていたから、元・ゲームクリエイターと言われることも多いんですが、ゲームクリエイターをはじめとしたカタカナ言葉もその一つですね。

 

――カタカナ言葉はビジネスの現場でもよく使われますよね。


そうした言葉って「どういう意味ですか?」と聞き返せないじゃないですか。ですから、なんとなく暗号的なことを言うと煙に巻けるという部分が好まれているんだろうと思います。ゲームクリエイターも同じ文脈で存在していると思うので、「開発者」でいいよと思っています。


お互いの共通認識をしっかり確認しないと、理解のズレがあることに気づくことができません。それはボードゲームも同じです。たとえば『カタンの開拓者たち』は万人にはむずかしいゲームなんですけど、戦略好き、つまり、むずかしいことを考えるのが楽しいファンは「自分たちが簡単にわかるから、誰でもわかるだろう」と思っている。さらに、最初はおもしろさがわからなくても、「初心者」なんだから、みんなが最終的にはカタンを好んで遊ぶとも思っています。


でも、ボードゲームを遊ぶのは戦略好きばかりじゃありません。いろいろな人たちがいて、理解度が違えば、素養も違う。ずっと『ウノ』を楽しむ人だっています

 

――商品のラインナップが500種類以上と豊富な理由でもあるわけですね。


そうです。逆に言うと、戦略好きには、「すごろくや」が子ども向けのゲームだけを売っているお店に見えるんですよ。自分たちには受け入れられないゲームを売っていますから。戦略好きにとっては、単純なゲームではなく、複雑であるほどウケがよくて、そういう複雑なゲームを中心に売っているお店を好む傾向があります。

 

――ボードゲームが注目されているいま、新規参入する同業他社は増えましたか?


増えたと思います。そして、薄利多売をするところが増えた。同じボードゲームを安く売るので、もちろん危機感はあります。薄利多売で売れるときに売ってしまおうと考える業者は、ゲームの魅力の紹介に手間をかけようとはさらさら思っていません。


だからこそ、「自社でつくったり、発信を増やしたり、イベントをしたりといった手間がしっかり利益になりますよ、仕事になりますよ。だから、手間に反して価格を落とすようなことはやめよう」ということも広めていくことが大事だと思っています。

 
 結構辛辣な言葉が多いです。まあ日本でボードゲームが持ち上げられるはるか以前からやっている方だから言葉にも重みがあるというかですわね。
 
 
ボードゲーム パンデミック:レガシー シーズン1 (青箱)