【ボードゲーム】感想:ボードゲーム関連本「ボードゲーム・ブロードウェイ」(安田均 グループSNE/2023年)

ボードゲーム・ブロードウェイ

https://www.amazon.co.jp/dp/4775320114
ボードゲーム・ブロードウェイ 単行本 2023/5/1
安田 均 (著), グループSNE (著)
出版社:グループSNE (2023/5/1)
発売日:2023/5/1
単行本:218ページ

★★【以下ネタバレ】★★
 

ボードゲーム紹介の第一人者・安田均が、2010~2022年に発表されたボードゲームの中から選りすぐりの名作132点を一挙紹介!


2011年~2019年に発売された年鑑シリーズ「ボードゲーム・ストリート」の集大成でもある本書では、これまで紹介されなかった隠れた名作もピックアップし、まさに“ベスト・オブ・ザ・ベスト”を選出しています。


遊び方がよくわかるボードゲーム・リプレイも多数掲載。さらにコラム記事も、初心者向きの簡単ゲームから玄人好みの複雑ゲームまで、いろいろ取り上げています。


またアラカルト記事として、今注目のボードゲームカフェ、ますます市場をにぎわせる同人ゲーム、海外と同時期に発売されることも多くなった翻訳ゲームといったテーマごとに深く掘り下げます。執筆者たちがお気に入りゲームについて語り合う座談会も必読。


そして最後をしめくくる安田均の総括――「アナログゲームの時代」を読めば、2010年以降のボードゲーム界の流れが手に取るようにわかるでしょう。


往年のゲームマニアもこれからボードゲームを始めようと思うビギナープレイヤーも、きっと一生の友になるゲームに出会えるはず。

 

内容(概要)

 ボードゲーム関連書籍。2009年に発売された「ボードゲーム・ジャンクション」の続編で、2010年~2021年の12年間のボードゲームの各種の情報がまとめられている。


内容(詳細)

安田均ボードゲーム紹介

 ゲームカタログ。2010年~2021年を二年おきの6つの期間に分け、各期間毎に「ベスト・オブ・ザ・ベスト 2本」「ベスト10 10本」「準ベスト10 10本」を選出。各ゲームあたり四分の一ページのスペースで内容紹介。

 ベスト・オブ・ザ・ベストは
 2010~2011年 世界の七不思議、ディクシット
 2012~2013年 テラ・ミスティカ、アヴァロン
 2014~2015年 宝石の煌めき、パンデミック:レガシー シーズン1
 2016~2017年 EXIT 脱出:ザ・ゲーム、テラフォーミング・マーズ
 2018~2019年 王府百年、ザ・クルー:第九惑星の探索
 2020~2021年 アーク・ノヴァ、ミクロマクロ:クライムシティ


ボードゲーム・リプレイ

 グループSNE関係者によるリプレイ8タイトル分。過去に「ロール&ロール」誌に掲載された内容の再録。



●ウニ頭でもできるもん!/こじらせオタクのゲーム論

 グループSNEメンバーによるゲームレビュー。各タイトル1ページづつで10タイトル。過去に「ロール&ロール」誌他に掲載された内容の再録。



●アラカルト

 色々な読み物。国産ボードゲーム紹介、ケームカフェについて、ゲームイベントについて、グループSNEメンバーによる座談会、等。



アナログゲームの時代 この12年を振り返って(安田均

 2010年~2021年の分析。一年毎の業界の動向と、この期間に目についたゲーム分野(協力、謎解きパズル、マダミス、ビッグゲーム、コミュニケーションゲーム)について。


感想

 評価は○(まずまず)

 グループSNEによる、2010年~2021年の間、つまり日本でボードゲームが(ようやく)流行り出してから現在までの期間を網羅したボードゲームに関する本。評価はまあまあ。


 購入前は「ここ10年位の間のお勧めのボードゲームを紹介してくれるカタログ本」という風に思っていて、実際そういう面も十分あったのですが、全体的には思っていたのと結構違っていました……


 予想していたゲーム紹介は大体全体の三分の一くらいで、残りは三分の二は「読み物」が占めており、

・リプレイ(結構ページ数が多い)
・座談会
・業界ネタ(国産ゲームの動向、ゲームマーケット他の話、ゲームカフェの話、他)
安田均先生の業界分析

といった内容。別に期待外れという訳でも無く、安田均先生の業界分析とかすんごく面白かったので(こういう業界の歴史みたいなのを読むの大好き)、面食らいはしましたが内容に不満は無し。


 読みおえた後にようやく理解したのですが、この本はカタログではなく、過去12年間のボードゲームについてを俯瞰して記載した一種の歴史書でしたね。だからその間に発売されたボードゲームのことも書く、業界の動向も書く、そしてこの時期に急成長したゲームマーケットのことも、ケームカフェのことも、国産ボードゲームのことも、書いてある。

 後世の歴史家(?)が「2010年代頃の国内外のボドゲはどんなことになっていたのか?」と振り返りたくなった時に、この本を読めばすべて理解できる、と、そういう内容になっています。

 2010年代は、日本国内でそれまでマニアしか認識していなかったはずのボードゲームが、あれよあれよと世の中に浸透していった激動の時代でしたから、海外のゲームだけでなく、国内の「人狼ゲームの大ブーム」とかも含めて文章としてきっちり記載されていて、あの頃のことを振り返ることが出来る、ということで貴重な書籍だと思います。ネットに残った情報だけだと、後からふりかえってもさっぱり解んないことが多いので、これは数十年単位で本棚に残しておくべき本ですね。
 
 
 

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