【ネットの歴史】感想:NHK番組「平成ネット史(仮)」後編

iPhone10周年完全図鑑 (エイムック 4031)

平成ネット史(仮) NHK http://www4.nhk.or.jp/nethistory/
放送 NHK Eテレ。2019年1月3日(木) 23:00~0:00。

【※以下ネタバレ】
 

Windows95」の発売から、わずか20余年。まるで“魔法”のように世界を繋げ、生活に欠かせないものとなった「インターネット」。「テキストサイト」や「2ちゃんねる」から、「着メロ」「写メール」、そして「フェイクニュース」まで、平成の終わりに、その時代を活躍した多彩なゲストをスタジオに迎え日本のネット史を紐解く。


前編は、ネットで『つながった』PCそして携帯の変遷を、当時の映像や一世を風靡した人物のインタビューとともに振り返る。
後編は、ガラケーを駆逐したスマートフォン、そしてSNSの登場により、いつでも『つながった』わたしたちの変化とは何だったかを振り返るとともに、平成の次にやってくるネットが作り出す未来について検証する。

 

後編 (2019年1月3日(金)放送)

 

内容

 ホリエモンとかヒャダインを呼んできて、ネットの歴史を感じるキーワードを紹介してそれにコメントさせる番組。ナレーションは緒方恵美梶裕貴

 キーワード全12個のうち後編では7個を紹介。


●Emoji

 携帯電話の絵文字の事。1999年/平成11年。ドコモがiモードサービス開始。携帯電話で簡単にインターネットに接続できるようになり、パソコン不要、設定も不要、の手軽さでネットが一気に身近に。絵文字は日本から海外に伝わって「Emoji」として普及。また写真付きメール「写メール」、着メロなど、娯楽分野のサービスが大爆発。


●黒舩、襲来

 iPhone発売のこと。2008年/平成20年。iPhone発売。操作簡単、パソコンでやっていたことが手のひらで何でもできるスマホの登場で世の中激変。そのあおりを食ってそれまでのの携帯電話はガラパゴス呼ばわりされるように。またiPhone以前に日本のメーカーも同趣旨の携帯端末「PDA」を開発していたが普及には至らず。


●なう。

 ツイッターで一時期流行った言い回し。2004年/平成16年。SNSがブームに。特にMixiは数年で300万人が参加するサービスとしてもてはやされた。しかし数年経つと、使用者だった高校生・大学生が社会人になり、Mixiで作った人間関係が古臭い、という感覚となる。そこに新サービスのツイッターやらフェイスブックやらが登場して過去のものに。

 2008年/平成20年にツイッター登場。簡単に発信できるツールとして人気に。2011年/平成23年東日本大震災では、電話の代わりに安否を確認したり情報を発信したりするツールとして大活躍。それまでの「遊びに使う物」から「インフラ」という認識に代わった。


ヤシマ作戦

 2011年/平成23年に流行った言葉。東日本大震災のあと、電力会社は市民に節電を要求。アニメ「エヴァンゲリオン」でも、劇中で敵を倒すために政府が日本中に節電を要求するという一幕があり、その時の劇中の作戦名が「ヤシマ作戦」。市民が節電を苦労して暗く耐え忍ぶのではなく、前向きに何かの作戦に参加しているノリで乗り切ろう、という事でこの言葉が流行った。

 LINEの開発のきっかけも東日本大震災。電話の代わりにネットで手軽に通信できるツールを作ろう、と一か月半で開発した。


●炎上

 ネット上でやらかして大騒ぎになること。2013年/平成25年。飲食店に勤めるアルバイトが店内でとんでもない行為をやったうえに、それを撮影した写真をネットに公開する、という事件が相次ぎ、ツイッターは「バカッター」呼ばわりされることに。


●FAKE

 フェイクニュース。2016年/平成28年。 2016年の熊本地震の際「動物園からライオンが逃げ出してうろついている」というデマを発信した人間がいた。また同年のアメリカ大統領選挙では、本物の記事のふりをしたデマ・フェイクニュースが氾濫。

 もう今では動画であろうと巧妙に偽物を作れるようになっており、受け手としてはこれが本物かもしれないが偽かもしれない、と用心するしかない。


●マカンコウサッポウ

 2013年/平成25年。女子高生たちが、一人が気合か何かで回りの人間を吹っ飛ばしている体の写真を撮影して、「マカンコウサッポウ」というタイトルでネットに上げたらこれが世界的話題に。2016年/平成28年。ピコ太郎の動画「PPAP」も世界的で真似する人が続出。

 今は一億総クリエイター時代と言える。ユーチューバーは子供があこがれる職業の上位に。さらにバーチャルユーチューバーも出現。

 ネットのクラウドファンディングで資金を集めることもできるようになった。


感想

 平成のネット事情を2時間で総ざらえする番組、の後編。前編で2007年頃の初音ミクあたりまで行ってしまい、そのあと語ることあるのかと思ったら、1999年までいったん戻ってまたやり直したので一安心。

 意外にツボを押さえた作りで、リアルの出来事とネットサービスの出現を上手く対比させながら進めていったので、結構腑に落ちる構成で、見ていて「それは違うだろ!」と不満の唸り声をあげるようなことも無かったです。

 ゲストで来ているホリエモンとかヒャダインとか落合陽一とかがグチャグチャ喋っているシーンは正直どうでも良いし大したことを言っていなかったので、こんな連中の映像は全てカットしてくれた方が良かった、と思ったあたりが唯一の不満でしょうか。

おまけ

 ナレーションの一人が声優の梶裕貴だったのですが、何故か声や喋り方を聞いていて、置鮎龍太郎に聞こえて仕方なかったのです……
 
 

前編の内容・感想はこちら

perry-r.hatenablog.com
 

Eテレ]2019年1月3日(木) 午後11:00~午前0:00(60分)


平成最後の年に日本のネット史をふりかえる番組。後編はiモードによるモバイルネット革命から、iPhone、SNSの問題まで貴重な映像と関係者の秘話で一挙にひもとく


後編は、モバイルを中心に日本のネット史を振り返る。さまざまな世界初を生み出してきた日本のモバイルネットの歴史を、インタビューと懐かしい映像や端末でひもとく。またiPhone上陸の裏にある秘話や、その革新性を堀江さんらゲストが語りつくす。さらに日本のSNSの変遷に隠された背景を、数々の関係者の証言でたどるとともに、炎上やフェイクニュースなど現在の問題もスタジオの論客たちが語りつくす!


【出演】池田美優宇野常寛,落合陽一,堀江貴文ヒャダイン眞鍋かをり,森永真弓,【VTR出演】夏野剛,栗田穣崇,笠原健治津田大介,石森大貴,及川卓也,舛田淳,【司会】恵俊彰,是永千恵,【語り】緒方恵美梶裕貴

 
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