【ホラー】感想:NHK番組「声優×怪談」第1夜「赤の怪談」(2019年8月14日(水))


絶叫学級 1 (りぼんマスコットコミックス)

声優×怪談 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5947/
放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

夏の夜にお届けする、新感覚エンターテイメント!
人気の「声優」が、「怪談」にチャレンジ!
『リング』『絶叫学級』『死役所』など、古典から現代ホラーまで、ドラマやマンガの映像などと共にお届けします。
第1夜は“赤の怪談(復しゅう話)、”第2夜は“黒の怪談(亡霊物語)”です。

 

第1話 赤の怪談 (2019年8月14日(水)放送)

 

内容

https://www4.nhk.or.jp/P5947/3/
8月14日水曜
NHK総合1 午後10時50分~ 午後11時20分


豪華「声優」陣が「怪談」で夢の競演!1人複数役に初コラボも。迫真の朗読劇をドラマやマンガの映像と共にお届け。怖くて切ない新感覚エンターテインメント。涼感、満点!


第1夜は「赤の怪談」と名付け、復しゅう劇をラインアップ。学園を舞台に次々と巻き起こる怪しい出来事。その真相は?「108人目の卒業生」(緒方恵美×竹達彩奈)「黒いプロフィール」(桑島法子)。横暴な権力者に愛する人の命を奪われた怒りと哀しみを描く「佐賀の化け猫」(三石琴乃)、疑心暗鬼が生む悲劇「呪怨」(神谷浩史)、心をもてあそぶ人間を許さない「轢(ひ)いた女」(池田秀一)、「元カノ」(緒方恵美)。


【朗読】緒方恵美,竹達彩奈,神谷浩史,桑島法子,三石琴乃,池田秀一

 
緒方恵美×竹達彩奈「108人目の卒業生」(いしかわえみ絶叫学級」より)

 小学校の卒業式。主人公の女の子が卒業アルバムを見ていると、自分のアルバムだけ、自分の写真の後ろに変な影が映っていた。実は学園の女王様的なキャラだった主人公は、ある女の子を取り巻きに入れようとして断られ、キレて焼却炉に突き飛ばして殺した、という過去があった。しかし、その相手は行方不明という事で処理されていた。

 やがてアルバムに、主人公とその女の子が焼却炉の前で出会っている写真が現れる。主人公は焼却炉の前に行き、アルバムを炉に叩きこんで高笑いするが、直後焼却炉の中から人の形をした何かが飛び出して襲い掛かってきた。



神谷浩史呪怨」(大石圭

 主人公の男は妻の日記を盗み見て、妻が浮気しており、息子は他所の男、今の息子の担任教師の子供だと知ってしまう。キレた男は妻を殺害する。数日後、そこの子供が登校してこないので担任教師が訪ねてくるが、押し入れの中から死体の女が飛び出してくる。怯えた担任教師は逃げようとして階段から転げ落ちて死ぬ。



桑島法子「黒いプロフィール」(いしかわえみ絶叫学級」より)

 主人公の女の子は、友達同士で長所・短所などを書いた紙「プロフィール」を交換し合っていたが、誰のものかわからない真っ黒なプロフィールに気が付いて不審がる。そのあと、プロフィールの長所に足が速いと書いた子は足に大怪我し、顔を自慢した子は顔に大怪我をする。

 都市伝説によれば、かつて友達がおらずプロフィール交換ができないまま死んだ子供がおり、黒いプロフィールはその子の物だと言う。そして各自のプロフィールの長所に書いた内容が、そのまま当人に不幸となって降りかかると言う。プロフィール欄を空白にしていた子も、謎の影によって窓から外に放り出されて殺される。主人公は失神する。

 やがて主人公が目を覚ますが、自分には何も起きていなかった。ところが教室に行くと生徒が全員死んでいた。主人公は自分の長所に「友達の多い事」と書いたことを思い出す。謎の影は主人公の友達を皆殺しにして孤独にしたのだった。絶望する主人公の後ろから、謎の影が「自分が友達になってあげる」と近づいてくる。



三石琴乃「佐賀の化け猫」

 佐賀藩。藩主に理不尽に殺された藩士がかわいがっていた猫が、化け猫と化して人間を殺し、藩主に復讐しようとするものの、最後には討たれてしまう。



池田秀一「轢(ひ)いた女」(高港基資「恐之本」より)

 主人公の若い男が車の運転中に女性を轢いてしまうが、相手は胴体が二つにちぎれても話し続けていた。主人公は入院するものの、女は幽霊となってついてくる。悔恨の念から、主人公は女が近々結婚するはずだった相手に会いに行くが、その男は単なる遊び相手で結婚する気も無かったという。

 やがてその相手が主人公の病室を訪ねてきて、結婚する気も無かった相手だが、供養のため慰謝料をもらってやるとヘラヘラしながら言う。主人公が病室から追い出すものの、その男はエレベーターに挟まれて胴体が二つにちぎれて死んでいた。



緒方恵美「元カノ」(高港基資「恐之本」より)

 主人公の若い女性はSNSをやっていたが、毎晩深夜3時に「怜子」という見知らぬ相手から友達申請が来るのに困っていた。やがて主人公は交際相手から結婚を申し込まれ、有頂天になってその事をSNSに書き込むと、直後「怜子」からメッセージが届く。しかしその内容は祝福ではなく「死ね」という言葉がひたすら書き込まれていた。

 主人公は怯えてSNSを止めることにしたが、深夜3時になると、パソコンの電源を落としているはずなのに何故かメッセージの着信音が聞こえる。恐怖に震え上がった主人公は、恋人に対応してもらうことにしたが、「怜子」というのは恋人の元カノで、別れた後ストーカー化した挙句自殺したと聞かされる。SNSの「怜子」のページを見ていると、写真が動き出し主人公たちに話しかけてくる。


感想

 評価は△。

 有名声優にホラーを朗読してもらうという企画で、声優のしゃべりに合わせて、画面では声優たちのアフレコの様子や、原作漫画のカット、あるいはドラマ的な俳優の演技シーン、を流す、という構成。


 しっかし……、これは企画が失敗しておりますな。集めた声優は業界トップクラスの知名度を持つ面々ですが、用意した原作が悪い。

 「108人目の卒業生」「黒いプロフィール」は、りぼん系の小学生向け少女漫画なので、大人が怖がるには無理があり過ぎるし、高港基資のホラー漫画が原作の「轢いた女」「元カノ」はあの気持ち悪い絵が無かったら怖くもなんともないし、「呪怨」もオチが「( ゚Д゚)ハァ?」だし、「佐賀の化け猫」なんてなぜこんな話を持ってきた?みたいなチョイス。


 もう少し真面目に企画してほしかったよ。これは2夜目も期待できませんな。とんだ声優の無駄遣い企画で終わりそう……
 
 
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