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被告人ブル (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-652 宇宙英雄ローダン・シリーズ 652) 文庫 2021/11/4
アルント・エルマー (著), ペーター・グリーゼ (著), 林 啓子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/11/4)
発売日:2021/11/4
文庫:287ページ
【※以下ネタバレ】
ローダンと娘のエイレーネはトペラズ刑務所に収容される。刑務所の収容者のひとりシアコンは、なぜか所内で特権を有しており……
ペリー・ローダンは悪徳商人に捕まった娘エイレーネを、ようやく惑星パイリアで探しだした。ところが、パイリアから脱出した先の惑星トペラズでまたもや、娘ともどもソム人に拘束されてしまう。ふたたび虜囚となったローダンが監獄で出会ったのは、シアコンと名乗る、謎めいたネコ型生物だった。カルタン人のように見えるが真相は不明だ。シアコンはローダン親子に共感をおぼえたらしく、脱獄を手助けするというのだが!?
あらすじ
◇1303話 トペラズの救世主(アルント・エルマー)(訳者:林 啓子)
ローダンとエイレーネは惑星トペラズの監獄に収容されるが、そこでカルタン人にそっくりの「ラオ=シン」種族の囚人と出会う。ラオ=シンは何故かローダンたちに好意を抱いて脱獄を手引きし、ローダンたちは逃走の末、駆け付けたイホ・トロトに救助された。ラオ=シンとはカルタン人の別名で、彼らはアブサンタ=ゴム銀河を植民地化するという目標を追及していた。(時期:不明:NGZ445年11月頃)
※初出キーワード=ラオ=シン種族、惑星フベイ
◇1304話 被告人ブル(ペーター・グリーゼ)(訳者:林 啓子)
ブルは、カルタン人の宇宙船がアブサンタ=ゴム銀河で発見されたという噂の調査を開始するが、惑星エルファード近傍でエルファード人に捕まってしまう。エルファード人はブルを裁判にかけ、有罪を宣告するが、駆け付けたヴォルカイルのおかげでブルは無罪放免となった。(時期:不明:NGZ445年11月頃)
※初出キーワード=スティギアン銀河
感想
・前半エピソード 原タイトル:DER RETTER VON TOPELAZ(意訳:トペラズの救世主)
ローダンとエイレーネの親子の冒険談の続き。前サイクルでは、登場した意味がまるで不明だったカルタン人が意外な場所で再登場。このサイクルで、永遠の戦士たちとは別に重要な役割を果たしそうなので、ちょっとワクワクしてきました。それにしても、リニア・エンジンしか実用化していないのに、4000万光年離れた異銀河にやってくるガッツが凄い。
・後半エピソード 原タイトル:DAS GERICHT DER ELFAHDER (意訳:エルファード人の法廷)
序盤から中盤は、このサイクルからの新キャラ・ボニファジオ・スラッチの活躍話で、タイトルとなっているブルの裁判は終盤のみ、という、いささかタイトルに偽りあり的なエピソード。
スラッチが、人様の宝石を勝手にくすねた後、それをキーアイテムとして「わらしべ長者」的に、宝石を元に別のアイテムを、そのアイテムを元にまた別のアイテムを、と複数の商人と交渉し、ブルを助け出してから、最後に宝石を元に戻してプラス・マイナス・ゼロにして事態を収める、というコントみたいな展開が無性に面白かったです。こんなとぼけたキャラを作るのはエーヴェルスに違いない、と思っていたら違ってました(笑) 今後は、懐かしのタッチャー・ア・ハイヌ的ポジションで活躍するのかな?
[参考]エスタルトゥの銀河とその奇跡
◆626巻(1252話)
・エレンディラ銀河(M-60/NGC4649)…奇跡名「至福のリング」
・シオム・ソム銀河(NGC4503)…奇跡名「紋章の門」
・スーフー銀河(NGC4596)…奇跡名「怒れる従軍商人」
・シルラガル銀河(NGC4579)…奇跡名「歌い踊るモジュールの輪舞」
・トロヴェヌール銀河(NGC4564)…奇跡名「オルフェウス迷宮をめぐるカリュドンの狩り」
・ムウン銀河(NGC4608)…奇跡名「番人の失われた贈り物」
・アブサンタ=ゴム銀河(NGC4567)…奇跡名「不吉な前兆のカゲロウ」
・アブサンタ=シャド銀河(NGC4568)
◆650巻(1300話)
・銀河系…奇跡名「ゴルディオスの結び目」
・ダータバル銀河…奇跡名「カリュブディスのセイレーン」
◆652巻(1304話)
・パルカクァル銀河…奇跡名「エメラルドの鍵衛星」
・ムジャッジ銀河…奇跡名「閃光のダナイス」