【映画】感想:劇場アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海」(2014年:日本)

宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 [Blu-ray]

宇宙戦艦ヤマト2199 http://yamato2199.net/about/story_b.html
放送 BS12。2021年11月14日(日)

【※以下ネタバレ】
 

16万8千光年……。イスカンダルへの旅路。


イベント上映、配信、パッケージ販売、TV放送とあらゆる展開で大ヒットした「ヤマト2199」。
追加カット、新たな視点でTVシリーズ全26話を再構成した特別総集編。


西暦2199年。人類は絶望の淵に立たされていた。
外宇宙から襲来した謎の星間国家<ガミラス>による遊星爆弾により地球は壊滅的な被害を負い、人類滅亡までの猶予はわずか1年…。
残された最後の希望、それは、人類初の恒星間航行が可能な宇宙戦艦<ヤマト>で、ガミラスの攻撃によって汚染された地球を浄化再生するシステム<コスモリバースシステム>を受け取りに行く<ヤマト計画>だった…。
人類の命運を懸けた16万8千光年の大航海を追想する。

 

あらすじ

 冒頭。ヤマトは冥王星ガミラス基地を攻撃し、これを破壊した。(5~6話)


 西暦2199年。地球は八年前に地球外文明「ガミラス」と接触したが、ガミラス冥王星を拠点に地球に対し猛攻を仕掛け、科学力で劣る地球側は一方的な敗北を重ねていた。ガミラスの「遊星爆弾」の攻撃で地表は汚染しつくされ、人類の絶滅は目前に迫っていた。

 しかし、危機に陥る地球に対し、マゼラン星雲の惑星「イスカンダル」の「スターシャ」と名乗る存在から救いの手が差し伸べられていた。イスカンダルは超光速航行を可能とする「次元波動エンジン」の技術を供与し、さらにイスカンダルには汚染された地球を救うための機器「コスモリバースシステム」があると伝えて来る。人類はその希望にすがり、宇宙戦艦ヤマトで片道16万8000光年という途方も無い旅に出発した。(1~2話)


 ヤマトはワープに失敗し「次元断層」という異空間に捕らわれる。次元断層内には脱出できなかった船の残骸が漂流していたが、まだ活動しているガミラス艦がヤマトに接触してきた。古代たちは、コンタクトしたガミラス人が肌が青い以外は地球人とそっくりであることを知る。ヤマトはガミラス艦と協力し次元断層を脱出した。(10話)


 ガミラスの名将・ドメル提督は、デスラー総統からヤマト討伐の命を受け出撃した。一方、デスラーの乗る宇宙艦が大爆発を起こし、帝国首脳たちはデスラーの死に大混乱に陥る。ドメル率いる艦隊はヤマトと接触し、猛攻でヤマトを追い込むが、突然本星からの帰還命令を受けてやむなく撤退し、ヤマトは九死に一生を得た。(15話)


 ヤマトは補給のため、地球型惑星ビーメラ4に着陸した。ヤマト艦内ではイスカンダルへの旅に疑問を持つ者たちが、この惑星を第二の地球として移住すべきとして反乱を起こすが、最終的に鎮圧された。(16話)


 ヤマトは、ガミラス艦が長距離移動のために利用するワープ・ゲートを利用し、一気に大マゼランまでたどり着いた。(18話)


 実はデスラーは生きており、改めてドメルにヤマト討伐を指示した。ドメルは七色星団に艦隊を配置しヤマトを迎撃する一方、ヤマト艦内にいるというイスカンダル人救出のため、決死隊をヤマトに突入させる。決死隊は森雪をユリーシャ・イスカンダルと誤解して拉致してしまう。ヤマトは激戦の末ガミラス艦隊を壊滅させ、ドメルも自決した。(19~20話)


 ヤマトが立ち寄った惑星レプタポーダには、ガミラス帝国の捕虜収容所があった。古代たちはここでガミラスと目指すイスカンダルが双子星だと知る。(21~22話)


 ヤマトは、イスカンダルガミラスがあるサレザー星系に突入したが、ガミラスの宇宙要塞・第二バレラスから攻撃を受ける。デスラーは、帝国首都バレラスを自ら破壊することで新しい時代を始めようとしていた。しかしヤマトとの戦いで第二バレラスは破壊され、デスラーは死んだ。(23話)


 ヤマトはようやくイスカンダルに到着するが、スターシャはヤマトが波動エネルギーを武器にしていたと知って憤慨し、コスモリバースシステムの引渡しを迷う。しかし結局、引渡しを決断し、ヤマトそのものにシステムを組み込んだ。太古、イスカンダル人自身が波動砲で大マゼラン雲で破壊を繰り広げたという過去があり、スターシャはヤマトに同じ道を歩まないように願う。(24話)


 ヤマトはイスカンダルを離れて地球へと帰還し、地球は再生された。(26話)<完>


感想

 評価は○(まあまあ面白かった)。

 2013年4月~9月にテレビ放送された「宇宙戦艦ヤマト2199」の総集編。テレビシリーズを見ていたので、軽く復習するだけのつもりで見たのですが、視聴した内容を九割がた忘れていたので、「えっ、次元断層?」とか「えっ、伊藤静声のガミラス人美女?」とか「えっ、森雪が拉致?」とか、ほぼ新作ノリで楽しめました。


 しかし、この「ヤマト2199」は、1970年代のオリジナル版を知っていると、愛憎半ばしてしまうタイトルで、見ていて複雑な気持ちになってしまいましたね。


 プラスに評価する点としては

・絵が凄く綺麗
・キャラデザは、男性はハンサム、女性は美人かエロくなって、と( ´∀`)bグッ!
・声優は、隅から隅まで有名声優ぞろいで物凄いゴージャス感
・ストーリーの細かい部分(例:ストーリー開始時点で、既に一年前にイスカンダル技術を手に入れてヤマトを作っていた等々)について、出来るだけ納得のいくような作り替えをしている
・オリジナル版より女性キャラをドッと増やしているのが嬉しい心配り

と褒めるところ多々です。


 しかし……、オリジナル版の根本的な部分、つまり「たった一隻のヤマトのせいで、ガミラス帝国が崩壊してしまう」という点を上手く説明しようとして「ガミラスに支配されている種族の反抗がある」とか「政権内部で権力闘争が存在する」といった要素を入れることでなんとか無理さを消そうとしていますが、そういうつじつま合わせをすればするほど、却ってストーリーの無理さ(?)が露わになってしまったという感じ。

 ドメルが大艦隊でヤマトを仕留めようとしたら本国への帰還を命令されたとか、バラン星で一万隻の大艦隊が集結しているのに同士討ちを恐れてモタモタしている間にヤマトに逃げられたとか、昭和版ヤマトでは感じられなかった「いやいや、ヤマト、いちいち運が良すぎだろ(笑)」という感覚が最後までぬぐい切れませんでした。

 まあ、こういう話の流れを「いちいち運命がヤマトに微笑んでくれた」とポジティブに考えればいいのかもしれませんが、私としては「なんたるご都合主義か(笑)」としか受け取れなくて……、ダメという訳では無いのですが、昭和版の(勢いだけで突っ走った的な)豪快なストーリーを小手先の改編でどうにかできるものでも無かった、というところでしょうか。


 しかし、まあ、新見さんとかスターシャとかがエロ美人だから、OKという事にしときましょう(笑)
 
 

TVシリーズ公式サイト

宇宙戦艦ヤマト2199
http://yamato2199.net/index_theater.html

yamato2199.net

 

https://www.twellv.co.jp/program/anime/sunday-animation/archive-sunday-animation/sunday-animation-051/
2021年11月14日放送 宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海


【出演者】
沖田十三菅生隆之
古代 進:小野大輔
森 雪:桑島法子
島 大介:鈴村健一
真田志郎大塚芳忠
徳川彦左衛門:麦人
佐渡酒造:千葉 繁
新見 薫:久川 綾
山本 玲:田中理恵
加藤三郎:細谷佳正
篠原弘樹:平川大輔
AU09:チョー
南部康雄:赤羽根健治
相原義一:國分和人
太田健二郎:千葉優輝
原田真琴:佐藤利奈
岬 百合亜:内田 彩
ゲール:広瀬正志
メルダ:伊藤 静
セレステラ:茅原実里
ゼーリック:若本規夫
ヒス:秋元羊介
フラーケン:中田譲治
ドメル:大塚明夫
スターシャ:井上喜久子
デスラー山寺宏一


【スタッフ】
原作:西﨑義展/構成:森田 繁、加戸誉夫/ディレクター:加戸誉夫/編集:小野寺絵美/監修:出渕 裕/ナレーション:小野大輔桑島法子/アニメーションスタッフ:結城信輝前田明寿/アシスタントディレクター:中野 剛/CG制作協力:SUNRISE D.I.D./CGディレクター:今西隆志/音響監督:吉田知弘/音響効果:西村睦弘/音楽:宮川彬良、宮川 泰


<TVシリーズ>
原作:西﨑義展/総監督・シリーズ構成:出渕 裕/キャラクターデザイン:結城信輝/ゲストキャラクター・プロップデザイン:山岡信一チーフディレクター:榎本明広/チーフメカニカルディレクター:西井正典/CGディレクター:今西隆志/メカニカルデザイン:玉盛順一朗、石津泰志山根公利、出渕 裕/セットデザイン:高倉武史、小林 誠、渡部 隆/コンセプトデザイン協力:宮武一貴/撮影監督:青木 隆/美術監督:前田 実/色彩設計:鈴城るみ子/音響監督:吉田知弘/音響効果:西村睦弘/音楽:宮川彬良、宮川 泰/CG制作協力:SUNRISE D.I.D./アニメーション制作:XEBEC/製作:宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

 

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