【映画】感想:映画「地球の静止する日」(1951年:アメリカ)

地球の静止する日 [DVD]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2022年5月19日(木)

【※以下ネタバレ】
 

突如地球に現れた異星人と巨大ロボット。その目的は無意味な争いを続ける人類への警告だった…。多くの映画作家に影響を与えたロバート・ワイズ監督の古典的SF映画。


ある日、謎の円盤が首都ワシントンの上空に飛来、人の言葉を話す異星人クラトゥと、巨大ロボットのゴートが出現し周囲は騒然となる。クラトゥは、無意味な争いに明け暮れる地球の将来の危機的状況を伝えることが目的だと語るが…。宇宙平和のため地球へ警告しに来た異星人と人類のファースト・コンタクトを描き、キアヌ・リーヴス主演でリメークされるなど、多くの映画作家に影響を与えたロバート・ワイズ監督の古典的SF映画。

 

あらすじ

 ある日、地球の上空に時速6400キロで飛行する人工物体が出現し世界中が騒然となるが、やがてその物体はワシントンD.C.に着陸した。

 着陸したのは異星人の円盤で、軍は円盤を包囲するなか、船内から宇宙服姿の異星人が現れ、英語で平和と友好を呼び掛ける。しかし異星人の動きに過剰反応した兵士が銃撃してしまい、異星人は倒れてしまう。直後、円盤からロボット(ゴート)が現れ、光線で兵士の持つ銃や戦車・大砲などを一瞬にして消滅させてしまったが、異星人がロボットを停止させた。

 傷ついた異星人は病院に収容されたが、その異星人は地球人そっくりの姿をしており、自らを「クラトゥ」と名乗り、四億キロの彼方から来訪したと説明した。そしてアメリカ政府の人間に対し、全世界の元首に向けて話すことがあると言い出す。

 合衆国の大統領は各国に会合を開催するための呼びかけを行うが、会合をどこで開くかという段階で意見が衝突し、会合が開ける目途すら立たなかった。クラトゥは地球人の愚かさに呆れ、病院から姿を消してしまう。


 クラトゥは地球人に変装してカーペンターと名乗り、部屋を借りてそこで生活して地球人について調査を始め、同じ借家人の子供ボビーと親しくなる。クラトゥはホビーの母・ヘレンの知り合いのバーンハート教授の家を訪ね、教授が黒板で計算中の数式に手を加え、連絡先を残して立ち去る。

 帰宅したバーンハートはクラトゥを呼び出し、クラトゥはバーンハートに正体を明かす。クラトゥは、地球人が近年ロケットと原子力を実用化した結果、他の星に危害を加えかねないことに懸念を表明し、全人類にメッセージを届けたがっていた。バーンハートは近く開催される予定の科学者の会合に各国のトップも集めるように約束し、その前にクラトゥの力を示してほしいと頼む。

 夜。ボビーは外出したカーペンター(クラトゥ)の後をつけ、円盤に乗り込むところを目撃して慌てて部屋に戻る。そして母ヘレンとその恋人トムに一部始終を話すと、ヘレンは全て夢だと信じないが、トムはクラトゥの部屋に押し入り、小粒のダイヤを見つけ、きっと宝石の密輸人だと決めつける。

 翌日。トムはダイヤを宝石店に持ち込み、地球のどこにも産出しないものだと知らされ、カーペンターことクラトゥの正体に気が付く。一方、クラトゥはヘレンに正体を打ち明け、また正午から30分間、世界中で病院など以外の全ての電気を使用不能にして自分の力を見せつける。

 トムの密告で軍隊がクラトゥを捕まえるために出動し、クラトゥはヘレンと共に車で逃走するが射殺されてしまう。ヘレンは逃げ出して円盤まで向かい、クラトゥから聞いていた合言葉をゴートに話すと、ゴートはヘレンを円盤に収容した後、クラトゥの元に向かった。そしてクラトゥの死体を回収し、円盤内で処置を施すとクラトゥは蘇生した。

 円盤の側ではバーンハートが主催する会議が開始された。そこにクラトゥが姿を現し、宇宙の文明は一種の警察のような組織を作り、平和を維持していることを説明する。そして人類は、今のように互いに争い続けていればいずれ殲滅させられることを予告し、今後も争い続けるのか平和を目指すのか、という選択を提示すると円盤で立ち去った。


感想

 評価は○(なかなか)

 SF映画ファンなら必ず名前を知っている一作。50年代らしい地味な内容でしたが、きちんと満足できるなかなかの一作でした。

 大昔から「ロボット・ゴートが登場する映画」、と作品名とゴートのデザインだけは有名なものの、視聴したのは今回初めてでしたが、サスペンスとかアクションとか派手な要素のない作品にも拘らず、これがなかなか面白くまとまっていました。

 クラトゥが数式に手を加えてさりげなく自分の正体を伝えるところとか、世界中の電気を使用不可能にする場面とか、クラトゥが自分のメッセージを秘密にして最後まで引っ張る展開とか、色々見どころが多く、70年前の映画にも関わらず退屈する事も無かったです。

 結末も宇宙人が地球人に選択を託してそのまま平和に立ち去っていくとか、もうこれ、1950年代くらいでしかあり得ない平和なオチとなっており、派手な作品に慣れた身には、なんともしみじみさせられました。


 地味の一言な映画でしたが、これは見てよかったですね。


おまけ

 SF小説宇宙英雄ローダン・シリーズ」の一場面で、ローダンが異星文明の超科学を使って世界中の電力を停止させる一幕があるのですが……、思いっきりこの映画のパクリだった(笑)
 
 

シネマ「地球の静止する日」<字幕スーパー><スタンダードサイズ>
[BSプレミアム] 2022年05月19日 午後1:00 ~ 午後2:33 (93分)


【製作】
ジュリアン・ブロースタイン
【監督】
ロバート・ワイズ
【原案】
ハリー・ベイツ
【脚本】
エドマンド・H・ノース
【撮影】
レオ・トーヴァー
【音楽】
バーナード・ハーマン
【出演】
マイケル・レニー、パトリシア・ニールヒュー・マーロウ ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1951
原題:
THE DAY THE EARTH STOOD STILL
備考:
英語/字幕スーパー/白黒/スタンダード・サイズ

 

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