【数学】感想:NHK番組「笑わない数学」第3回「四色問題」(2022年7月27日(水)放送)

四色問題 どう解かれ何をもたらしたのか (ブルーバックス)

笑わない数学 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
放送 NHK総合。全12回。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
パンサー尾形貴弘が難解な数学の世界を大真面目に解説する異色の知的エンターテインメント番組! 「リーマン予想」「フェルマーの最終定理」「連続体仮説」「四色問題」「ガロア理論」「abc予想」「確率論」「P対NP問題」「カオス理論」「ポアンカレ予想」「暗号理論」「虚数」・・・。天才数学者をも苦しめてきた数々の難問、そして美しくも不思議な知の世界を、1回30分ワンテーマ、ギャグ封印で、トコトン分かりやすく掘り下げる!


MC 尾形貴弘 (パンサー)

 

第3回「四色問題」(2022年7月27日(水)放送)

 

内容

笑わない数学「四色問題
[総合] 2022年07月27日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)


パンサー尾形貴弘が数学の難問を大真面目に解説する「笑わない数学」。今回は「四色問題」の証明に挑む!地図の塗り分け問題に秘められた、数学者たちのいわくつきの物語。


どんな地図でも四色で塗り分けることはできるのか? 19世紀のロンドンで生まれたこの「四色問題」は、話は簡単に理解できるのに、どんな地図の場合でも正しい、という証明は天才数学者たちにもできなかった。そのあと1世紀、挑戦と失敗が続き、数学者たちは次第に恐れをなす。そして登場した最終的な証明方法は、喝采と同時に、ある物議をかもすことに‥。いわくつきのこの難問の証明に、パンサー尾形が30分で挑む!


【司会】パンサー尾形

 
四色問題とは

 地図で隣り合う区画(国)が違う色になるように塗り分けるなら、最低何色必要か? 試してみると、1,2,3色では足りないことがすぐに解る。しかし4色ならなんとなく出来そうである。だが本当にどんな地図でも四色あれば塗り分け可能なのだろうか? これを「四色問題」という。

 1852年にイギリス・ロンドンで、ある若者が「どんな地図でも四色あれば塗り分け可能らしい……?」と気が付き、数学者のオーガスタス・ド・モルガン(1806-1871)に質問した。ド・モルガンはそれを数学的に証明しようと取り組み、この時から四色問題がスタートした。



●ケンプの論文

 1879年に弁護士のアルフレッド・ケンプ(1849-1922)が、四色問題について、塗分け可能と証明したという論文を発表した。


 ケンプは、ありとあらゆる地図を、地図上の国の個数で分けることにした。「国が1個の地図」「国が2個の地図」「国が3個の地図」…(中略)…「国がn個の地図」「国がn+1個の地図」……(以下略)、という具合である。


 次に、
「国が1個の地図」→1色で塗分け可能(当然)
「国が2個の地図」→2色で塗分け可能(当然)
「国が3個の地図」→3色で塗分け可能(当然)
「国が4個の地図」→4色で塗分け可能(当然)

までは明白である。


 さて、ここでケンプは次のように仮定した。
 ↓
 仮定『国が「n個」の地図を四色で塗分け可能な場合、国数が一つ多い「n+1個」の地図も四色で塗分け可能』

 この仮定が正しいと証明できれば、4国は塗分け可能だから、一つ多い5国も塗り分け可能、ということは6国も塗り分け可能(以下果てしなく続く)、となり、どんな地図でも四色で塗分け可能と言える。



●ケンプの証明方法

 どんな地図でも「二辺国」「三辺国」「四辺国」「五辺国」を一つは含むことが数学的に解っている。
 ↓
「二辺国」…二つの辺で他国と接する国
「三辺国」…三つの辺で他国と接する国
「四辺国」…四つの辺で他国と接する国
「五辺国」…五つの辺で他国と接する国

(注意)それより多い、六辺国とか七辺国というのは、二~五辺国に含まれる事になるので、それ以上考える必要はないとのこと。ただし何故かの説明はなし。


 つまり四つの場合で「n個で塗分け塗分け可能なら、n+1個でも塗分け可能」と証明すればよい。そしてケンプは次のように証明した。

・二辺国の場合
 まずn+1個の地図から二辺国を消して四色で塗分ける。次に二辺国を復活させて、戻した二辺国を含めても四色で塗分けられると示す。これで二辺国なら「n個で塗分け可能なら、n+1個でも塗分け可能」と証明できた。

 ケンプは同じようなやり方で、「三辺国」「四辺国」「五辺国」も塗分け可能と証明し、四色問題は完全に証明された……、と思われたが、11年後の1890年に「五辺国」については証明が間違っていることが解った。



●エレファントな証明

 その後「五辺国」については、地図が「五辺国+五辺国」「五辺国+その他の形の国」という風に分けて証明すれば良いという方針は見えたが、証明できず。そこで、もっと細かく細かく分類していくと、バリエーションが多すぎてもう人間の手には負えなくなった。ジョージ・バーコフという数学者はその中である一つの場合は、四色で塗分け可能と証明したが、他のパターンは手つかずのまま……


 1970年代に入り、数学者ヴォルフガング・ハーケンはコンピューターを使い、全部で1482個あるバリエーションをすべて計算させて、全て四色で塗分けられることを証明した。しかし、他の数学者からはその証明方法は「エレガントな証明」の正反対だとして、「エレファントな証明」と揶揄されることになった。


感想

 今回も「問題自体は小学生でも理解できるが、証明は困難」というネタでした。

 ケンプの証明の説明がまた難しい……、テレビの画面で絵付きで見れば、なんとなく「ははぁ」と解るのですが、これを文章で表現して書き残すのは困難だ……、自分用の備忘録のつもりで書いているのですが、とてもあの内容を書き表す力はないです……

 まあ大体のところが解っていればいいかぁ……


参考

四色問題とは?わかりやすく簡単に-なにかの知識
https://nanikanochishiki.blogspot.com/2021/10/blog-post_86.html

nanikanochishiki.blogspot.com

「証明」とは何か? 数学の難問「四色問題」がAI時代に突きつける問い | 本がすき。
https://honsuki.jp/review/28600/

honsuki.jp

 
 
四色問題 (新潮文庫)
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笑わない数学(NHKオンデマンド)
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