【映画】感想:映画「キングコング対ゴジラ」(1962年:日本)

キングコング対ゴジラ <東宝Blu-ray名作セレクション>

ゴジラ特集 | 無料ドラマ・映画 https://www.twellv.co.jp/program/drama/godzilla-2023/
放送 BS12。2023年5月2日(火)

【※以下ネタバレ】
 

ゴジラシリーズ、初のカラー作品


アメリカを代表する怪獣・キングコングを相手役に迎え、日米を代表するモンスター同士の対決が話題となったゴジラシリーズ第3作。TVカメラマンの桜井とプロデューサーの古江は、スポンサーの依頼で南海のファロ島の魔神キングコングを生け捕りにして日本へ運ぼうとする。その頃、北極海の氷山からゴジラが姿を現し、日本へ向って南下を続けていた。ゴジラが日本に上陸する可能性が強くなり、その影響でキングコングの日本への持込が禁止されるが、キングコングは自力で日本に上陸。遂にゴジラも日本に上陸し、2大怪獣が日本列島を舞台に大格闘を繰り広げる。

 

あらすじ

 昭和37年(1962年)。製薬会社パシフィック製薬がスポンサーを務めるテレビ番組「世界驚異シリーズ」は、視聴率が低迷し宣伝部部長の多湖は苦り切っていた。

 そんな折、多湖は南方に調査旅行に出ていた社の研究者の土産話で、ソロモン諸島の小島ファロ島の原住民が「巨大なる魔神(ましん)」云々と言っている事を知る。多湖は「魔神」を番組テコ入れの目玉企画としようと、TTVの若手社員・桜井(高島忠夫)と古江(藤木悠)の二人を取材のため現地に送り込んだ。

 一方、北極海では原因不明の海温の上昇が発生しており、原子力潜水艦シーホークが科学者を乗せて調査に向かったが、発光する氷山に衝突して沈没してしまう。そしてシーホークを捜索していたヘリは、氷山の中からゴジラが出現するシーンを目撃する。冬眠から目覚めたゴジラは、一種の帰巣本能で日本を目指して進み始めた。

 同じころ、桜井と古江はファロ島に到着すると現地人と友好関係を結ぴ魔神の調査を開始した。やがて島に巨大なタコが上陸して現地人を襲い始めるが、そこに現れた魔神ことキングコングがタコを簡単に追い払ってしまう。キングコングは現地人の用意した睡眠薬の効果のある液体を飲み、眠り込んでしまった。


 桜井たちはコングを巨大いかだに載せて日本に運び始めるが、目覚めたコングが暴れ出したため、いかだを爆薬で破壊する。しかしコングはまるでダメージを受けていなかった。

 日本では那須ゴジラが出現し暴れていたが、同時にコングも日本に上陸し、両者は本能で引き付けられるように激突した。しかしコングはゴジラの火炎放射でダメージを受け逃げ出してしまう。

 自衛隊ゴジラを落とし穴に落とし毒ガスを使って攻撃するものの、全く効果は無かった。しかし、自衛隊は東京周辺を100万ボルトの高圧電流を流した電線で守り、これによってゴジラは撃退された。ところがコングは電流に耐えて東京に侵入し、桜井の妹・ふみ子(浜美枝)を捕まえてしまう。桜井たちはファロ島の木の実を元に作った睡眠ガスでコングを眠らせふみ子を救出した。

 桜井たちは、再度ゴジラとコングを戦わせ共倒れさせようと、コングを気球で釣り上げ、富士山麓にいるゴジラの元に運んだ。目覚めたコングとゴジラは再度対決するが、やはりコングはゴジラに敗れてしまう。ところが雷がコングに落ちたことでコングは息を吹き返し、電気攻撃でゴジラを攻め立て、戦いは互角となった。

 結局両者は熱海まで移動し、熱海城を破壊しつくした後、同体で海中に転落した。やがてコングは泳いで日本を離れていくが、ゴジラの生死は不明だった。<完>

感想

 評価は○(まあまあ面白かった)。

 ゴジラ・シリーズ三作目。怪獣映画にも関わらず、妙なコメディ的なノリも併せ持ち、前半は怪獣映画というよりサラリーマン物みたいな感じでしたが、これはこれでこれがなかなかに面白かったです。


 本作を視聴するのは40年ぶりくらいで、どんな映画か完全に忘れ切っていたのですが、それだけに序盤の桜井(高島忠夫)とか多湖部長(有島一郎)たちの、怪獣映画とは思えないコントみたいなやり取りが妙におかしくておかしくて(笑)


例えば
多湖「おい、キミ!」、女性事務員「はい、五万八千六百、とんで五円なり」、多湖「キミじゃない、勝手に飛んどれ!」
とか


多湖「大林君!」、席で食事中の社員「ハ? 今日のソバ全然ダメ。伸びてます」、多湖「ソバよりキミの方がよっぽど伸びとる!」
とか


古江「番組の聴視率を上げろって」、桜井「あげろってねぇ、俺はクレーンじゃねえんだぞ」
とか


ふみ子「ノックぐらいしなさいよ」、桜井「ノックもバントもあるもんか」
とか


 もう怪獣映画なのだか、サラリーマンたちを主人公にしたコントなのだかわからないようなセリフの連発で、随所でフフッとさせられて、これが本当に楽しかったです(笑)


 怪獣映画としては……、高島忠夫たちの陽気な演技にあてられてか、キングコングの存在感がやたら軽い上に、ゴジラの方ももう負けずに存在が軽い……、本作ではゴジラは市街地を蹴散らす場面も無く那須と富士山麓無人地帯で暴れているだけなので破壊の象徴というイメージは皆無ですし。キングコングとの絡みも夢の対決という感じも無く、なにより自分の胸を叩くと「ペコッペコッ」と情けない効果音が聞こえてきて力が抜けそうでしたし……

 盛り上がったのは終了5分前くらいに、二大怪獣が熱海城(架空の城)を挟んで殴り合って、城がぶっ壊れるシーンくらいでしょうか。


 ということで、怪獣物としての評価はもう一歩でしたが、高島忠夫を筆頭にしたパシフィック製薬関係者の存在感が最後まで面白いし、何より出演者が「高島忠夫佐原健二藤木悠田崎潤平田昭彦浜美枝、田島義文」等々という「ザ・昭和特撮映画出演陣」という感じのメンバーなのは嬉しかったし。


 そのようなわけで、凄い怪獣映画というわけでは無く、サラリーマン映画的なノリの方が強い異色作ですが、まあ悪くはなかったという事で。


ゴジラ特集 | 無料ドラマ・映画 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ)
https://www.twellv.co.jp/program/drama/godzilla-2023/

5月2日(火)夕方 6:00~ 映画「キングコング対ゴジラ
番組概要


【ストーリー】
テレビ局員たちは、番組視聴率不振を打開するため、番組の目玉として、キングコングを求めファロ島へと向かう。紆余曲折の末コングの捕獲に成功するが、輸送中の洋上でキングコングは目を覚まし日本への上陸を許してしまう。時を同じく、北海の氷山から復活したゴジラも日本へ上陸。両怪獣は日本列島を縦断し中禅寺湖で激突!初戦はゴジラ優勢に終わるが、自衛隊の「100万ボルト作戦」により帯電体質を手に入れパワーアップしたキングコングの逆襲が始まる。


番組情報
【出演者】
桜井修:高島忠夫
藤田一雄:佐原健二
古江金三郎:藤木悠
桜井ふみ子:浜美枝
ほか


【スタッフ】
監督:本多猪四郎

 

2023年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ゴジラ」シリーズ作品あらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com

 
 
キングコング対ゴジラ 東宝DVD名作セレクション
キングコング対ゴジラ 4Kリマスター Blu-ray