アナザーストーリーズ 運命の分岐点 NHK https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/
放送 NHK総合。
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【※以下ネタバレ】
あなたが気になる“あの事件”の裏には、かならずもう一つの物語がある。
内容
アナザーストーリーズ▽アントニオ猪木vs.モハメド・アリ“世紀の一戦”の真実
[総合] 2023年07月07日 午後10:00 ~ 午後10:45 (45分)
ボクシング対プロレス、夢の異種格闘技戦。猪木は寝そべり、アリは挑発するばかりで“世紀の凡戦”と酷評されたが…格闘技史の流れを変えた、知られざる闘いの物語。
最強の格闘技は何?誰もが知りたい夢の「世界一決定戦」が、ボクシング世界チャンピオンと日本を代表するプロレスラーの間で行われた。ところが、猪木はマットに寝そべり、アリは挑発するばかりで見せ場を欠き、“世紀の凡戦”と酷評された。しかし、両陣営の関係者や試合を追ったジャーナリストを取材すると、知られざる“真剣勝負”が浮かび上がってきた。貴重な映像や肉声とともに、格闘技史の流れを変えた一戦の真相に迫る。
1976年(昭和51年)6月26日にボクシングのヘビー級王者・モハメド・アリとプロレスラーのアントニオ猪木による「格闘技世界一決定戦」が行われた。しかし試合は15ラウンドの間、寝そべり続ける猪木をアリが攻めあぐねる展開となり結局引き分けに終わる。マスコミはこの試合を世紀の茶番と叩きまくった。実はこの試合は全く別の展開になるはずだった。
視点1 “世紀の一戦”すれ違う二人の思惑
アリは1974年に世界ヘビー級王座に返り咲いた。アリは突然アジアの格闘家で自分に挑戦する者はいないのかとぶちあげた。当時アメリカではブルース・リーが人気となっており、アリはアジアの格闘家に興味を抱いていた。
1975年。アリが日本に立ち寄った際、猪木はアリに対して挑戦状を送り、ファイトマネー1000万ドル(現在の価値で70億円)を提示した。
アリ側のプロモーターは、ボクサー対プロレスラーの試合をどうすればいいのか困り、アメリカプロレスの大物プロモーター・ビンス・マクマホン・シニアに相談した。ビンスは筋書きのあるショーにすればいいと提案した。ビンスのアイデアによれば、
・最初は普通に戦う
・やがてアリが猪木を殴りまくり、猪木がこっそりカミソリで顔を切って流血する
・アリはそれを見てレフリーに試合を止めるように詰め寄るが、その隙をついて猪木がフォールしてしまう
・怒ったアリが「まるでパールハーバーだ」と叫ぶ
というものだった。
やがて猪木とアリとの試合が正式に決まり、1976年3月にニューヨークで記者会見が行われた。
視点2 ルールを巡る水面下の攻防
試合10日前の6月16日にアリ陣営が来日した。アリは猪木陣営にリハーサルについて尋ねると、猪木側はリハーサルはしないと回答した。
猪木は「ボクシング 真剣」「プロレス フェイク」という構図をアリ戦でひっくり返したかった。また異種格闘技戦でライバルのジャイアント馬場を超えることも狙っていた。
試合6日前に両者は公開スパーリングを行ったが、アリ陣営は猪木が本気で試合をするつもりだと気が付き、ルールの注文を付けてきた。試合は3分15ラウンドのボクシングルール、禁止技はチョップ、体当たり、肘打ち、膝蹴りなど、プロレス技の殆どを禁止としていた。しかし、ルールについての混乱は続き、試合当日になっても関係者の誰一人正確なルールを把握していなかった。
視点3 “世紀の一戦”の真実
ついに試合が開始された。猪木はまともに立ち向かえばパンチを受けてしまうので、寝そべりながらアリの下半身をキックで攻め込むという奇策を取った。猪木もアリも相手に決定打を与えられないまま時間だけが過ぎた。
しかし第六ラウンド。アリは猪木の足を掴むが、次の瞬間猪木はアリに絡みつき馬乗りになると肘打ちを打ち込んだ。しかし肘打ちは明らかに反則だった。そして両陣営が緊張する中、アリがロープを掴んでブレイクとなった。結局その後決着はつかず、15ラウンド引き分けとなった。
マスコミは失望し「スーパー茶番劇」云々と叩いたが、この一戦で猪木は知名度を上げ、以後様々な格闘家との異種格闘技戦を次々と行った。そしてこの試合は1990年代の総合格闘技を生み出す元となった。
アリは後に猪木を称える手紙を送った。またアリの伝記映画の挿入曲「アリ・ボンバイエ」を、猪木陣営が入場テーマとして使いたいと頼むと、アリは快諾したという。それが有名な「猪木ボンバイエ」だった。
感想
伝説の異種格闘技戦の内幕。近年になってようやく評価する動きが出てきましたが、まさかマクマホン・シニアが筋書きを提案して、台本有りの試合にするつもりだったとは知らなかったなぁ。全体に冗長でしたが、そこそこ見どころもある内容でした。
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