感想:アニメ「フラクタル」第10話「僧院へ」/第11話(最終回)「楽園」

フラクタル第1巻Blu-ray【数量限定生産版】「ねんどろいどぷち ネッサ」付

 アニメ「フラクタル」(全11話)の感想です。

フラクタル - FRACTALE - 公式サイト
http://fractale-anime.com/

 BSデジタル放送・BSフジでの視聴です。

第10話 僧院へ

■あらすじ

 クレインとスンダはフリュネを救出するため僧院に乗り込んだ。祭司長モーランも元フリュネだったが、自分の人生が愛の無い不幸なものだった事を恨んで生きていた。モーランがフラクタルの再起動を望むのは、フラクタルに依存する人々を延々システムで飼い殺しにして、自分と同じような愛の無い人生を送らせるためだった。逃げ出したフリュネはクレインと再会するが、そこにバローが現われる。


第11話(最終回) 楽園

■あらすじ

 バローは僧院の「鍵」再生の歴史を語る。僧院は長く「神」が10歳の少女だと考えて何度も再生しようとしたが全て失敗した。実は神は年齢は16歳だったが、ある理由で精神が10歳に退行していた。バローはその理由を掴み、フリュネを「神」と同じ目に合わせていた。フリュネはクレインに秘密をバラされてバローを刺して逃げ出す。結局フリュネとネッサは鍵となってフラクタルを再起動する事にした。そこにクレインたちやディアスが乱入し、ディアスは祭司長と共に自爆し、スンダはクレインたちをかばって死んだ。フリュネとネッサは融合してフラクタルを再起動した。

 一年後、ずっと昏睡状態だったフリュネ/ネッサが目覚めた。終わり。



■感想

 はい、終了。ヤマカン監督(その筋には有名人?らしい)の新作という事で、放映前には結構話題になっていてアニメ系情報のWEBサイトにガンガン取り上げられていたのですが、終ってみたら、「ノイタミナ」らしい、クセが強くて万人受けしそうに無いアニメが一作出来ただけでした…

 イメージとしては「未来少年コナン」と「ラピュタ」をミックスして縮小したような感じで、文明が衰退した世界で、一握りの連中が科学技術を握っていて、男の子がいて、女の子が空から突然落ちてきて、なので、「今更こんなストーリー…」と思ってしまったわけですが…、途中での逆転を期待して最後まで見つづけたものの、結局B級作品のままで終ってしまいました。

 世界の奥行きの描写は不足していて、「フラクタルシステムはありがたいもの」云々と口で説明はされましたが、世界を覆う壮大なシステムというようなイメージはゼロ。だから「フラクタルが崩壊していて大変」という危機感はまるで伝わってこない。そのため「フラクタルを管理する僧院のメンバーは、世界を動かしている権力者たち」という印象も受けなかったし、それに反抗するロスミレたちもレジスタンスというよりただのチンピラ一家みたいな感じだしと、とにかく世界観の全てがチマチマしていました。世界の行く末を決める戦いというより、ただの地方の権力者とそれに反抗する山賊の抗争みたいなイメージ。

 で、舞台が狭いからそれに伴ってお話も小さくて、「女の子が落ちて来た」→「一緒に旅をした」→「いきなり最終決戦」、とただそれだけ。味わいも何も無かったですよ。

 公式サイトのトップに、監督=ヤマカン(バーンッ!)、ストーリー原案=東浩紀(バーンッ!)、キャラ原案=左(バーンッ!)、とか誇らしげに書いてあるのに、内容がそのスタッフ自慢に全くつりあっていないのに苦笑してしまいました。漫画とか小説も同時展開するなど、かなり力が入った作品だった様ですが、こんなトホホな結末になるとは関係者は思わなかったんじゃないかな…
 
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