【SF小説】感想「ハルト人ソクラテス」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 609巻)(2020年1月23日発売)

ハルト人ソクラテス (宇宙英雄ローダン・シリーズ609)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122652
ハルト人ソクラテス (宇宙英雄ローダン・シリーズ609) (日本語) 文庫 2020/1/23
ペーター・テリド (著), H・G・フランシス (著), 増田 久美子 (翻訳)
文庫: 288ページ
出版社: 早川書房 (2020/1/23)
発売日: 2020/1/23

【※以下ネタバレ】
 

アトランとサリクたちがスタルセンから転送されて向かった先は、住人がみなグレイ生物になった深淵の別の領域、ムータンだった!


アトラン、ジェン・サリク、テングリ・レトス=テラクドシャンの三騎士は、スタルセンの完全なグレイ化を阻止したあと、危機にあるという謎のエネルギー存在、ヴァジェンダに転送機で向かった。ところが、転送された先はヴァジェンダでなく、あたり一面グレイの国だった。かれらはロボット部隊の奇襲を受けたのち、謎の細菌兵器に襲われる。どうやら、この国を支配するグレイの領主が三人を捕まえようとしているらしい!

 

あらすじ

◇1217話 グレイの国での冒険(ペーター・テリド)(訳者:増田 久美子)

 アトランたち三人は、謎の「ヴァジェンダ」を目指しスタルセンから転送機で旅立ったが、グレイの領主の一人「領主ムータン」の妨害で、彼の領地「ムータン」に到着してしまう。アトランとサリクはグレイ生物のふりをして領主ムータンに接近することに決め、一方レトスは「アバカー種族」の超能力を持つ少年「ボンシン」と知り合う。(時期:不明。NGZ427年12月頃)

※初出キーワード=ムータン領、ティジド種族、アバカー種族、シャツェン



◇1218話 ハルト人ソクラテス(H・G・フランシス)(訳者:増田 久美子)

 アトランとサリクは、領主ムータンの配下「ティジド種族」の元に滞在していたが、そこでハルト人「ドモ・ソクラト」と出会った。ドモ・ソクラトは、12,000年前に衝動洗濯のために深淵に来たハルト人の五代目の子孫だった。ドモ・ソクラトはグレイの領主たちに親近感を抱いていたが、彼らが自分の遺伝子で生体実験をしていたことを知って激怒し、アトランの要請で彼のオービターとなった。(時期:不明。NGZ428年1月10日~2月10日)

※初出キーワード=グレイ値


あとがきにかえて

クチナシの木から青虫を駆除した話
副鼻腔炎になった話から、匂いの話


感想

 前半エピソード … 新展開、スタルセンの外にある「ムータン」での冒険スタート。スタルセンではボスだった「最長老」と「助修士長」が、実はグレイの領主たちの中では下っ端だった、という事実にもう笑いました。(『「最長老」と「助修士長」が負けたか……』『フッ、所詮やつらはグレイの領主の中で最弱よ……』とかいう会話が空耳しました(笑))

 スタルセンではアトラン・サリクは身一つで冒険していて心細い事この上なかったのですが、今回からはレトスにもらったティラン服のおかげで快適な冒険が送れていて、読んでいて安心します。

 深淵作用/グレイ力は、生物を殺すか石に変えるか、という魔力の様なものだと思っていたのですが、スタルセンの外に出てみると、「生物を陰気な性格に変えるだけ」みたいな感じでなんかとまどいます。まあ致命的な力だったら、スタルセンの外の冒険はあり得ないので仕方ないですけど。


 後半エピソード … ハルト人ドモ・ソクラトとの出会い編。P263でアトランがドモ・ソクラトにオービターになってくれというと、すぐにOKの返事が来ますが、何故ドモ・ソクラトはオービターが何なのかを知っていたのか? 深淵の騎士の事を知らないとオービターも知らないと思うけど?
 
 
 

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