【SF小説】感想「ヴィジョン」(ローダンNEO 4)(2017年10月19日発売)

ヴィジョン (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121494
ヴィジョン (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2017/10/19
ヴィム ファンデマーン (著), Wim Vandemaan (原著), 長谷川 圭 (翻訳)
発売日 : 2017/10/19
新書 : 284ページ
出版社 : 早川書房 (2017/10/19)

【※以下ネタバレ】
 

ローダンたちへの中国軍の包囲が続くなか、 彼の理想に共感する人々はテラニアを目指し た。ドイツのエラートもまたその一人だった


トーラは、月の“アエトロン”を離れ、太陽系の惑星調査に向かった。その後“スターダスト”で月にやって来たブルは、“アエトロン”の残骸を目撃する…一方、膠着状態が続くテラニアでは、中国軍がエネルギードームの破壊作戦を密かに進めていた。それを察知したローダンもまた、対抗手段を指示する。同じ頃ドイツのミュンヘンにて、不思議な力を持つエラートは、あるヴィジョンを幻視しローダンの元へ赴く決意をする。

 

あらすじ

 第1シーズン(1~8巻)全8作の4作目。原タイトル:ELLERTS VISIONEN(意訳:エラートのヴィジョン)。

 ゴビ砂漠のエネルギードームは、中国軍の猛攻を受けていた。ローダンたちは月の宇宙船アエトロンと連絡が取れないため、ブルがアルコン技術で改造した《スターダスト》で月面の調査に向かった。月に到着したブルは、アエトロンが破壊されている事実と、米ロの四人の宇宙飛行士を発見する。ブルは四人を収容して地球へ向かうが、《スターダスト》は中国軍のミサイルによる攻撃を受けてしまう。

 少し前。アエトロンにいたトーラは、太陽系内を探索するため、小型宇宙船で二人の同行者と共に旅立った。そして土星の衛星タイタンで、アルコン技術から発生した物と思しき微弱なエネルギーを探知する。そのあと金星の調査に向かうものの、謎の敵に宇宙船を撃墜されてしまう。

 クレストはハガードの治療で回復しつつあった。しかし診療所にモンタニーと名乗る謎の男に率いられた一団が現れる。

 ゴビ砂漠には、ローダンに呼びかけに応じた数多くの人間が押し寄せていたが、エネルギードーム包囲部隊の指揮官バイ・ジュン将軍は彼らに生存のための物資を配給させていた。やがてバイ・ジュンは総書記からエネルギードームに対して核攻撃を行う様に示唆される。

 ドイツ人エルンスト・エラートは、夢で未来を見る不可思議な力を持っていた。エラートは仲間と共にゴビ砂漠に向かい、ローダンと対面するが、エネルギーシールドに触れて死んでしまう。

感想

 時空の放浪者(多分)エルンスト・エラート初登場の巻……、ですが、あまり活躍しないうえに、ローダンに出会った途端、速攻で生死不明状態になるという、超速展開(笑) いくらなんでもこれはどうなのか。

 アメリカが警察国家化していたり、中国がアメリカの債権を買い占めた世界最強国になっている、というのは結構リアル設定だと思うのですが、ロシアに帝政が復活して皇帝が支配しているというのはちょっとあんまりすぎませんかね……、それともこれはありなのか……?

 第四部の、バイ・ジュン将軍と総書記の、互いの腹の底を探り合うような会話は味がありました。ここは何度も読み返したくなるくらい面白かった。
 
 
 

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