【ゲーム関連番組】感想:NHK番組「ゲームゲノム SPECIAL EDITION」(2022年1月23日(日)深夜放送)

【PS5】DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT

ゲームゲノム NHK https://www.nhk.jp/p/ts/LJWWVGY6J2/
放送 NHK総合

www.nhk.jp

ゲームゲノム
あなたの心に刻まれた“ゲームの遺伝子”を呼び覚ます!

【※以下ネタバレ】
 

内容

ゲームゲノム【拡大SP】本田翼×星野源×小島秀夫出演!初のゲーム教養番組
[総合] 2022年01月24日 午前0:35 ~ 午前1:30 (55分)


あなたの心に刻まれた“ゲームの遺伝子”を呼び覚ます!


名作ゲームの魅力を深堀りする教養番組。今回は55分の拡大版!本田翼、星野源、世界的なゲームクリエイター小島秀夫が「デス・ストランディング」の魅力&奥深さに迫る。


ゲームの誕生から半世紀…現代人の心に影響を与えてきたゲームを「文化」として捉え、名作の魅力に迫っていく。今回はコロナ禍を予見していたかのような内容が再注目される「デス・ストランディング」!何がおもしろいのか、なぜ語り継がれるのか…本田翼や星野源が作品愛を、さらに小島秀夫監督が作品に込めた思いを語り尽くし、奥深い世界へといざなう!昨年の反響を受け、未公開トークや追加要素を含む拡大版でお届けする。


【出演】本田翼,星野源小島秀夫,林克彦,【語り】神谷浩史

 
 2021年10月15日(金)に放送された30分番組の拡大55分版。

その時の内容&感想。

【ゲーム】感想:NHK番組「ゲームゲノム」(2021年10月15日(金)放送)
https://perry-r.hatenablog.com/entry/2021/10/19/004212

perry-r.hatenablog.com

 
 2019年発売のゲーム「デス・ストランディング」は、荒廃し分断された世界を、主人公が荷物を配達して繋いでいく、という作品。分断された世界を繋ぐという設定が、最近のコロナ禍で再び注目されている。

 作ったのは「メタルギア」シリーズなどで有名な小島秀夫で、企画・脚本・ゲームデザイン・総合演出まで一人でこなしている。

 本田翼と星野源がスタジオに小島秀夫を呼んで色々聞くという内容。



●KEYWORD 1 分断と孤立

 ゲームの舞台は近未来の北米大陸。あの世とこの世が繋がる超常現象「デス・ストランディング」が発生し、あの世からやって来たものが地上を徘徊し、捕まれば大爆発が発生する事態となり、地上は荒廃し社会は分断されてしまった。生き残った人々はシェルターに籠り、「ポーター」と呼ばれる配達人が命がけでそれらのシェルター間で物資を運んでいる時代。

 伝説の配達人サムは、「ブリッジス」という組織に呼び出され、各シェルター間の繋がりを取り戻すため、「カイラル通信」という通信ネットワークのための起動プログラムを各シェルターに届けるように依頼される。


小島氏コメント
 企画したのは五年くらい前。トランプ大統領が壁を作る云々と言っていたことにヒントを得て作った。しかしコロナ禍で本当に社会が分断されることになってしまった。



●KEYWORD 2 唯一無二の“配達ゲーム”

 ゲームではサムは、ネットワーク設置の仕事だけではなく、様々な依頼を受けて各地に荷物を届けていく。プレイヤーは荷物の持ち方を工夫したり、様々なツールを使って障害を乗り越えたりできる。配達が完了すると「イイネ」がもらえる。


小島氏コメント
 配達業の人に取材すると、荷物を届けた時に感謝されるのが一番うれしいとのことだったのでイイネで評価することにした。

 他のゲームなら「イイネ」ではなく、報酬としてゲーム中で使えるコインの形でもらえるはず。このゲームでは「感謝の気持ち」だけ。

 昔郵便局で年賀状の配達のアルバイトをしていた。届けなければという義務感もあり、届けると感謝されて嬉しかった。

 人類が最初に手にした道具が棒で、その次が縄だとのこと。棒は殴るためのもの。縄は結び付ける。今まで35年ゲームを作って来たが、棒で殴るものばかりだったので、縄で「結びつける」ゲームを作った。



●KEYWORD 3 一人だけど“孤独”じゃない

 ゲームは基本的に一人でプレイするが、「ソーシャル・ストランド・システム」という仕掛けで他のプレイヤーと繋がることができる。ゲームがある程度進むと、ゲームが現実の世界のネットと接続され、他のプレイヤーと情報を共有できる。

 すると、ゲーム上に他のプレイヤーが作った橋などが現れ、旅が楽になる。また自分が同様に崖などにロープを置いておいて、他の人に使ってもらう、という事も出来るようになる。


小島氏コメント
 山登りをしたときに、道が有ったり山小屋が有ったりして助かるが、それは他の人が作ってくれたもの。道路もコンビニも他の人が作ってくれたもの。そういう物に対する感謝の感覚をゲームにも入れたかった。



●ゲーム専門誌編集者 林克彦氏の語り

 ゲームと人とのつながりを解説。

。1980年代まではアーケードゲームとか高価なゲーム機しか無かったので繋がりとかは無いに等しい状態。

 1983年にファミコン登場。二つあるコントローラーで二人でプレイするというスタイルが誕生。

 1990年代。ゲーセンで格闘ゲームを対戦プレイしたり、またポケモンではケーブルでゲーム機同士をつないで通信したり。

 2000年代。インターネットの登場でMMORPG誕生。多くの仲間と共に協力して敵を倒したり、という遊び方が生まれた。またネットで対戦プレイしたりするだけではなく、他の人のプレイを見て楽しむ、という新しい楽しみ方、つまりEスポーツが生まれた。

 そして2019年の「デス・ストランディング」に至る。



●KEYWORD 4 依存と分離

 大陸横断するサムを襲って来る者たちがいる。その一つが「ミュール」と呼ばれる者たち。彼らはかつてはサム同様の配達人だったが、いつしか配達ではなく荷物を持っていることに存在意味を見いだすようになってしまった「配達依存症」の者たち。


小島氏コメント
 ミュールはその時点では敵だが長い目で見ると悪人ではない。



 また「破壊分離主義者」(ディメンス)というテロ組織もサムを襲ってくる。ディメンスは、国家や宗教などの「繋がり」こそが人々から自由を奪うと考えている。組織のリーダーは死の世界の怪物を呼び出す力を持ち、サムを攻撃してくる。


小島氏コメント
 繋がるとよい事もあるが、個人情報の漏洩とかの弊害も出てくる。良い事も悪い事もある。そのバランスをどうするべきか。



●KEYWORD 5 生と死の絆を抱えて

 ゲームには「B.T.」(Beached Thing)という存在が登場する。これはあの世からさ迷い出てきた魂で、目に見えず、また生きているものと触れると大爆発を起こす。

 サムはB.T.に対抗するため「BB」(Bridge Baby)という赤子を連れている。BBは脳死状態の母親から生まれた赤子で、いうなれば生と死のはざまにいる存在。B.T.を発見するためのセンサーの役割を果たし、サムは容器の中に入れて運んでいる。BBはB.T.に襲われると消耗してしまうので、容器を揺らしてあやしてあげる必要がある。

 B.T.はサムに斬られると成仏し、その時に感謝の気持ちで「イイネ」をくれる。


小島氏コメント
 親子というのは究極の繋がり。それをゲームで表現した。



●まとめ
星野源
 「デス・ストランディング」の中には、過去のゲーム「ドンキーコング」「ハングオン」「メタルギア」「ストリートファイターII」などの要素が入っているのでは?

小島氏コメント
 全くその通り。


感想

 去年(2021年)10月にNHKで放送された、ゲームをテーマにした単発番組の拡大版。トークの細かい所が少しずつ増えているだけでなく、

・ゲーム専門誌編集者 林克彦氏の語り
・KEYWORD 5 生と死の絆を抱えて

 という完全新規部分が追加されてました。

 一度見た番組を見直すというのも徒労感が無くも無かったのですが、まあ新規追加パートが面白かったので良しとしましょう。
 
 

おまけ

とあるテレビディレクターがたどりついた“ゲームの遺伝子”解剖記録|NHK広報局|note
https://note.com/nhk_pr/n/nacaf8fa9be78

note.com
 
  

この番組について


テレビゲームを“文化”として捉え、名作の魅力を深堀りするNHK初の教養番組!今回取り上げる作品は、世界で累計500万本以上を売り上げ、コロナ禍を予見していたかのような内容が再注目される「デス・ストランディング」!何がおもしろいのか、なぜ語り継がれるのか…本田翼や星野源が作品愛を、さらに開発者の小島秀夫監督が作品に込めた思いを語り尽くし、奥深い世界へといざなう!


MC 本田翼 (俳優・モデル)
ゲスト 星野源 (俳優・音楽家・文筆家)
ゲスト 小島秀夫 (ゲームクリエイター)
ナレーション 神谷浩史 (声優)

 
【PS4】DEATH STRANDING
THE ART OF DEATH STRANDING