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焦点の三角座銀河 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-684) 文庫 2023/3/7
H・G・エーヴェルス (著), 工藤 稜 (イラスト), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/3/7)
発売日:2023/3/7
文庫:272ページ
【※以下ネタバレ】
アトランの要望を受け、局部銀河群への帰還に成功したロコシャンは、広大な三角座銀河にてバス=テトのイルナを探そうとするが!?
アトランの要望を受け、力の集合体エスタルトゥの暗黒空間から局部銀河群へと帰還飛行を試みたトヴァリ・ロコシャンは、四千万光年もの膨大な距離を転移し、なんとか到着できた。すべては守護神ルログの超能力のおかげだった。だがこの広大な三角座銀河でどうやってバス=テトのイルナを探そうかと考えていたとき、三隻のハウリ船と遭遇する。なんとその一隻には瀕死の状態で冷凍睡眠させられたイルナが乗っていたのだ!
あらすじ
◇1367話 焦点の三角座銀河(H・G・エーヴェルス)(訳者:星谷 馨)
トヴァリ・ロコシャンは行方不明のバス=テトのイルナを探すため、守護神ルログの力を使い力の集合体エスタルトゥからM-33(三角座銀河)へと転移した。同じ頃アトランは不可思議なビジョンにより、ジェン・サリクがローダンとアトランの呪いを解くため、惑星クーラトで肉体を失ったことを知った。
バス=テトのイルナは、秘密組織「遺伝子同盟」が、アコン人女性イルナとサーレルゴルト人カッツェンカットの姉を元に作った超生物だった。イルナはM-33に出現したハウリ人の情報を得ようとした際攻撃を受け重傷を負ってしまった。トヴァリはルログをハウリ人に渡す代わりにイルナの身柄を引き取るが、回復したイルナはトヴァリをハウリ人に捕まえさせたあとに脱走を手助けし、トヴァリを混乱させる。(時期:NGZ447年8月1日~)
※初出キーワード=惑星スリンガルIV。
◇1368話 ふたつの顔を持つ女(H・G・エーヴェルス)(訳者:星谷 馨)
アトランたちは通常宇宙側のハンガイ銀河の近傍にある会合場所「Xドア」に到着し、さらに力の集合体エスタルトゥからヴィールス船団50万隻が帰還した。アトランはローダン救出のためタルカン宇宙に進出する準備を進めるが、トヴァリ・ロコシャンからイルナの消息を聞きM-33に向かった。M-33でアトランたちはイルナの裏切りでハウリ人に捕まるが、すぐにイルナは裏切ったふりだったことが判明し、ハウリ人の基地を壊滅させた。“それ”はアトランたちのタルカン宇宙進出を支援すると約束した。(時期:~NGZ447年8月25日)
※初出キーワード=Xドア。ヴァリオ・ストリクター。恒星スリンガル・アルファ/スリンガル・ベータ。
あとがきにかえて
・映画「アバター」の二作目「ウェイ・オブ・ウォーター」を見た話。
感想
・前半エピソード 原タイトル:BRENNPUNKT PINWHEEL(意訳:焦点ピンホイール)
お騒がせ男トヴァリ・ロコシャンのM-33に戻って来てのバス=テトのイルナ探しをメインに、イルナの過去が語られる話。過去回想が頻繁に挿入されてやたら読み辛かった。
今までイルナに関してはメチャクチャ設定をあいまいにしていて、アコン人女性の姿なのにサーレンゴルト人でカッツェンカットの姉で、と、読者が「つまりどういうこと?」と困惑しっぱなしだったのですが、ようやく素性の説明が行われました……、が、それがまたメチャクチャ(苦笑)
秘密組織・遺伝子同盟がアコン人女性のイルナとカッツェンカットの姉を合成して作った的説明ですが、遺伝子同盟が何故そんなことをしたのか不明ですし、そもそもサーレンゴルト人の故郷ナルツェシュ銀河はどこにあるのかも不明なのにどうやって連れてこれたの、とか、もう疑問が一杯。さらに後付けで、超人的回復能力があるとかペドトランスファー能力があるとか……、エーヴェルスはオリジナルキャラを優遇しすぎ!
・後半エピソード 原タイトル:IRUNA(意訳:イルナ)
アトランがイルナ探しにM-33へ出かける話。すっかり出番のなくなったエイレーネがただのお邪魔キャラになっているのが哀しい……