【アニメ】感想:アニメ「ゲキドル」第12話(最終回)「終わりよければすべてよし」:もうちょっと緻密に話を組み立てて欲しかった(嘆き)

TVアニメ「ゲキドル」

TVアニメ「ゲキドル」公式サイト http://gekidol.com/
放送  AT-XAT-Xが最速放送)

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『Stage.12 終わりよければすべてよし』 (2021年3月23日(火)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 SMT(スーパーマテリアルシアター)の世界同時公演は大成功を収めるが、終了と同時に世界中の人間が次々と消滅し始めた。

 アリスインシアターでは、愛美たちがこの異常事態に動揺するが、せりあ・あいり・いずみの三人だけは、何も気が付かないように「クロノゲイザー」の各人の役割を演じ続けていた。

 失神から目覚めたかをる/ミキは、あずさ/エンリ・ビアンノと出会い、五年前にミキが殺したエンリ・ビアンノはGMS(グランドマテリアルシステム)の端末のドールだった事を知らされる。せりあがアリスインでドールと出会ったことで、GMSの中の人格データであるあずさ/エンリ・ビアンノが目覚め、5年前にイノヴェイターが行おうとした未来の救済、サーベイションを再開したのだった。

 エンリ・ビアンノは竹崎を利用することでGMSを起動させ、結果として人類50億は精神体として余剰次元に格納されていった。エンリ・ビアンノの計画では、50億の精神は5年前に戻され、その結果時空の支流「トワイライトディメンション」は消滅し、また行き詰った未来への道も閉ざされ、新しい歴史が作られることになる事になっていた。

 かをるは、自分の左足に残ったエネルギーを使い、クロノクリスタルのリミッターを外すことで暴発させ、GMSを止めようとする。しかしその行為もまたエンリ・ビアンノの計画内であり、その暴発のエネルギーこそが50億の精神を過去に送り返すために使われることになっていた。


 一方、精神体となったせりあ・あいり・いずみの三人は、50億の観客が見守る中「クロノゲイザー」のクライマックスを演じていた。エンリ・ビアンノは、五年前に起きた出来事を芝居の形で再現することで過去と同期させるつもりだった。

 ところがクライマックスで、せりあ(ミキ)は、あいり(キョウコ)がいずみ(エンリ・ビアンノ)を撃つのを止めようとする。やがて、三人の芝居は現実と融合し、あいりがいずみに対してアリスインを捨てたとなじれば、逆にいずみはあいりが常に人に頼ってばかりとやり返した。せりあ(ミキ)は二人に対して解り合うように求め、未来は自分たちが取り戻すと宣言して幕を閉じる。直後GMSによって50億の精神が過去に送り返された。

 2012年。世界同時都市消失は発生せず、せりあの両親もありすも無事外出から戻ってくる。


 五年後。昔から演劇についての夢を見続けていたせりあが、夢をかなえようと街を走っているシーンで〆。


脚本 大知慶一郎
絵コンテ・演出 上田 繁
作画監督 末田晃大、小林利充


感想

 ん、まあ、悪くはなかった……(ト書き:歯切れ悪く)

 まあ、要するに今までで描写されたゲキドル世界は「アクシデントで生まれた間違った世界」であり、最終的に悲惨な方の世界は消え、明るい希望に満ちた世界が残りました、めでたしめでたし、という時間改変SFのハッピーエンドになったのは解りました。

 時間修正に必要なのが、五年前と現在の同期であり、そのために首謀者エンリ・ビアンノが長~い計画で「クロノゲイザー」という芝居を演じさせるように持って行った、というのもまあ分かりました(これが計画通りだとして、そんなにうまくいくかよ、というようなことはさておき)

 クライマックスの、演劇の途中で色々あって、首謀者のエンリ・ビアンノも予想しなかったオチになりました、というのも解りました。

 と、後味は悪くなかったのですが……


 だからこそ、途中をもっと丁寧に作ってほしかった。竹崎がこだわっていたミキって誰?、とか、ドールの謎のふるまいとか、GMSってなんだったのか、とか、未来人が何故ドールを持ち込んだのとかとか、いろいろ。細かい所をしっかり作りこんでこそ、クライマックスが生きるでしょうに、なんかあちこちが未完成のベータ版を見せられたような、そんなモヤモヤした感じが残りました……、基本的な方向はわりと良かったと思うのだけどねぇ……


総括

 評価は△(もっと頑張りましょう)。
 
 うーん、惜しいよなぁ、雰囲気は良かったのに……


 「世界同時都市消失」と呼ばれる謎の災害から五年後。守野せりあは、友人から譲ってもらったチケットで劇団「スーパーマテリアルシアター」の芝居を観劇に行き、主演の雛咲いずみの演技に魅了される。そしてせりあは劇団「アリスインシアター」の劇団員募集のチラシを受け取り、興味を持つが……


 基本的には現代が舞台に見えるのですが、人型のロボットが普通に使われていたり、ホログラムで舞台劇を演出する装置「シアトリカルマテリアルシステム」が使われていたり、で、近未来と思しき時代が舞台。最初は他人の演技を完璧にコピーできるという特別な才能を持つせりあが、演劇の世界で女優として成長していく話、という風に見えたのですが……

 途中で、せりあが五年前の災害で両親も妹も亡くしているとか、サブヒロインがかつてジュニアアイドルだった頃、金欲しさに結構きわどい事をしていてそれが黒歴史だとか、薄暗い話が次々と飛び出してきて、『ゲキドル』というアイドルアニメ風のタイトルが明らかにタイトル詐欺に見えるようになり……

 やがて途中から、演劇の話とは関係ない謎めいた描写が次から次へと出て来てミステリアスな雰囲気が醸し出され、「これはパッと見通りの演劇アニメではなさそうだ……、一体どうなる?!」と興味を惹かれてしまい、途中からは食い入るように視聴していたのですが……


 残り3話となった第10話で、登場キャラの日記の形で、このお話がタイムトラベルSFだった事が暴露され、まさかの展開に仰天しつつ、残り三回でいったいどうオチを付けるのかと思っていたら……、予想通りあまりうまくいきませんでした(泣き笑い)

 こういう急展開をやるのならば、それまでに入念に伏線を敷いておかないといけないのに、


・竹崎とミキの繋がりが説明不足過ぎ
とか

・竹崎がミキ=かをるって気が付かないとか変じゃない?
とか

GMSとは何だったの?
とか

・イノヴェイターがドールがこの時代に持ち込んだ理由は?
とか

・かをるがSMTの公演を見て「あなたのやりたいのはこんなものだった?」と非難していましたが、あれはなんだったの?
とか

・深夜かをるのところにドールが押しかけてきてビルから転落するシーンがあったのは何だった?
とか

 色々説明不足で聞きたいことがあり過ぎ。


 過去のシーンの再現を、本人たちではなく「あいり・いずみ・かをる」に演じさせて、過去の話なのか演劇なのかあいまいにする、とか、最後の最後に演劇が重要な役目を果たす、とか、色々面白い試みもあっただけに、細部の作りこみが甘く、話のかなりの部分を視聴者に投げっぱなしにしてしまったというのが惜しかった。ダメでは無かったのですが、これは他人には勧め辛い……


 挑戦的な内容の作品で注目していただけに、完成度がイマイチだったのが悔やまれます。本当に。
 
 

謎の災害・世界同時都市消失から5年
世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていた


そんな世界で
3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った演劇
に魅せられ、光り輝くステージを目指す少女たちがいた


それぞれの思いを胸に
今、ステージの幕が上がる

制作会社
フッズエンタテインメント


スタッフ情報
【原作】ゲキドル製作委員会
【監督】上田繁
【シリーズ構成】ゲキドル製作委員会
チーフライター】大知慶一郎
【キャラクター原案】関谷あさみ
【キャラクターデザイン・総作画監督】立石聖
【メカデザイン】今門卓也
色彩設計】斉藤麻記
美術監督】清水哲弘
【撮影監督】戸澤雄一郎
【編集】廣瀬清志
【音響監督】本山哲
【音楽】Prhythm/epx


キャスト
守野せりあ:赤尾ひかる
各務あいり:持田千妃来
雛咲いずみ:諏訪彩花
榊原かをる:花澤香菜
ドール:M・A・O
浅葱晃:山本希望
藤田愛美:髙野麻美
山本和春:秋吉あや
中村繭璃:佐藤亜美菜
竹崎宏和:鳥海浩輔
樋口真琴:八島さらら
日向智子:水橋かおり

 
ゲキドル!(TVアニメ「ゲキドル」前期オープニングテーマ)
 
 
 
 

【SF小説】感想「ウパニシャドの修行」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 637巻)(2021年3月17日発売)

ウパニシャドの修行 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-637 宇宙英雄ローダン・シリーズ 637)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123195
ウパニシャドの修行 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-637 宇宙英雄ローダン・シリーズ 637) 文庫 2021/3/17
H・G・エーヴェルス (著), H・G・フランシス (著), 赤根 洋子 (翻訳), 星谷 馨 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2021/3/17)
発売日 : 2021/3/17
文庫 : 286ページ

【※以下ネタバレ】
 

英雄学校ウパニシャッドに試験的に入学することを許されたティフラーは候無事補生となるが銀河評議会の事件に巻き込まれてしまう


力の集合体エスタルトゥからの使者ストーカーは、エスタルトゥ諸種族の教え“ウパニシャド”を学ぶ銀河系初の学校をエベレスト山の頂上に創設した。英雄学校チョモランマだ。自由テラナー連盟の首席テラナー、ジュリアン・ティフラーも新入生として名を連ねている。あくまで政治的・外交的配慮によるポーズだと考えていたティフラーだったが、宇宙ハンザの要請で、チョモランマに週末だけ訓練に行かされることになった!

 

あらすじ

◇1273話 ウパニシャドの修行(H・G・エーヴェルス)(訳者:赤根 洋子/星谷 馨)

 NGZ429年10月。地球。ティフラーはストーカーに対する外交的儀礼で、ストーカーがエベレストに設立した戦士養成学校「ウパニシャド」に二日間体験入門するが、何の興味も抱かずに終わった。ところが数週間後には修行の事ばかり考えるようになり、銀河系に謎の勢力が暗躍しているにも拘らず、またウパニシャドに戻ってしまう。そして遂には修行に集中するため、全ての公職から身を引いてしまった。(時期:NGZ429年10月4日~12月31日)

※初出キーワード=テレポート・システム


◇1274話 パラ露泥棒(H・G・フランシス)(訳者:赤根 洋子/星谷 馨)

 銀河系では、エスタルトゥから運ばれて来た「テレポート・システム」の実証実験が開始された。一方、ろ座銀河では宇宙ハンザがノクターンとの協定に基づき「パラ露」の回収を開始した。しかし、ギャラクティカムは宇宙ハンザの利益独占に異を唱えて使者を派遣し、宇宙ハンザをけん制し始めた。さらに、かつてノクターンのためにパラ露を回収していた種族「カルタン人」が出現し、宇宙ハンザのパラ露回収を妨害した上に、パラ露の独占を主張して姿を消した。(時期:NGZ429年12月末~NGZ430年1月)

※初出キーワード=ヌジャラの涙


あとがきにかえて

 赤根洋子氏。ウパニシャドの外観がドイツのノイシュヴァンシュタイン城にそっくり、という話。


感想

 前半エピソード … 原タイトル:UPANISHAD(意訳:ウパニシャド)

 ティフラーが怪しげな修行にどんどんはまっていってしまうエピソード。一応戦士としての実力は付くようですが、修行者は人里離れたウパニシャドに籠り、最後には家族・知人とも縁を切ってしまう、というあたり、もうカルト宗教の犠牲者の転落を見ているようで、読んでいて不安でたまらなくなります。

 P25~P26に、ムチャクチャ唐突に「光の子供たち」「IPC(銀河系平和部隊)」についての説明が語られてびっくりしますが、どうやらこれらはエーヴェルスが外伝シリーズの方で書いていた物語の設定を本編に持ってきた、という事みたいです。外伝シリーズも読んでみたくありますよね。

 P130~P131で、ティフラーがローダンやアトランたちと別れるシーンが描かれるのですが、ティフラーが洗脳されていて既におかしくなっているためローダンたちに興味がないのはともかく、ローダンたちの方も“それ”の力の集合体から追放されるのに全然悲壮感が無く、「達者でな」と実に明るいのが、なんというか違和感が凄い。もう二度と会えない涙々の別れのシーンとかを期待したのは間違っていたのでしょうか。



 後半エピソード … 原タイトル:DIE PARATAU-DIEBE(意訳:パラ露泥棒)

 新しい舞台「ろ座銀河」での、新しい局面の幕開けの回。もうコスモクラートも混沌の勢力も、それどころかヴィーロ宙航士もエスタルトゥ関係者も誰も出てこない、ということで、今一体どういうサイクルなんだろう、と立ち位置が解らなくなってきます。

 P143。アダムスは、ローダンたちがコスモクラートの力で追放されたのに、それを評して「ヴィールス船でどこかに行ってしまったし」と、まるで無責任な観光旅行に出かけたような言い草なのがなんとも……、まあブルやロワ・ダントンやイルミナ・コチストワたちが一斉に仕事を辞めてヴィールス船でどこかに行ってしまったので、ローダンもそれと同じようなものだと思ったのかもしれませんけど。
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

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2021年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

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【アニメ】感想:アニメ「装甲騎兵ボトムズ」第5話「罠」

装甲騎兵ボトムズ 総音楽集

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【※以下ネタバレ】
 

第5話 罠

 

あらすじ

http://www.votoms.net/about/01/05.php
治安警察によって連行されたキリコは、秘密結社による尋問を受けていた。
一方、ゴウト、ココナ、バニラは、彼を救出しようと治安警察に忍び込む。ギリギリのところでキリコの救出に間に合い一旦ゴウトの事務所に戻るが、密告によってすぐに居場所がバレてしまう。そして治療を受けているキリコへ、マッチメーカーが法外なファイトマネーのリアルバトルを持ちかけてきた。ゴウトはキリコの体を心配して断るが、キリコ自らがそのリアルバトルを受けてしまう。実はその相手もまた、リド作戦における上官オリヤ大尉であった。

 
 イスクイ署長は、キリコを逮捕すると、薬剤や拷問でウドに来た目的や背後関係を聞き出そうとするが、何も知らないキリコには自白しようも無かった。

 一方、バニラはキリコを助け出して自分の相棒にしようと、治安警察の警官に賄賂を送ってキリコが捕らえられている独房の場所を探り出していた。そしてやはりキリコに恩を売りたいゴウトもバニラの計画に加わり、ゴウト・バニラ・ココナの三人は治安警察のビルに忍びこんだ。イスクイはキリコから何も聞き出せないため、遂に銃殺を命じるが、キリコは間一髪でゴウトたちに助けられ脱出に成功した。

 直後、ゴウトの元にバトリングのマッチメーカーから、キリコに対してリアルバトルのオファーが来る。ゴウトはキリコか拷問で怪我をしているため躊躇するが、キリコはその試合を受ける。しかしこのマッチメークの背後にはイスクイたちがおり、戦う相手は小惑星リドの作戦に参加したオリヤ大尉とその部下二名だった。

 キリコは数的ハンデを跳ね返して戦いに勝利し、オリヤに何故自分が狙われるのか、あの小惑星リドの作戦は何だったのか、を問い詰める。しかし次の瞬間治安警察の大部隊が攻撃を開始し、オリヤは死亡し、キリコも危機に陥る。

感想

 話がグングン面白くなってきて、もうたまりません。

 ゴウト・バニラ・ココナ、の呉越同舟的というか、全然仲間という関係ではないのに、利用できそうなキリコを助けるためにとりあえず手を組む、みたいな関係が、これはこれで味が有って楽しい。
 
 
装甲騎兵ボトムズ プラスチックモデルキット 1/20 スコープドッグ
 

https://www.at-x.com/program/detail/1003
装甲騎兵ボトムズ


<ストーリー>
ギルガメスとバララント、対立する星域同士によるアストラギウス銀河を真っ二つに分けた百年戦争の末期、キリコ・キュービィーは謎の作戦に参加する。それは味方が守備する小惑星リドを襲撃するという、不条理な作戦であった。作戦中、謎の女を目撃したキリコは同僚に裏切られ、所属していたメルキア軍から追われる身となってしまう。
百年戦争終戦後、キリコは流れ着いたウドの街で、謎の女と再会する。彼女の正体は、軍の最高機密“素体”であった。だが、完璧なる兵士“パーフェクトソルジャー”となるべく誕生した素体は、ひとりの女性としてキリコを愛するようになっていた。キリコは彼女にフィアナという名を与え、行動をともにする。キリコとフィアナ、一組の男女が戦いの果てに、数々の戦場をめぐる遍歴の末に、たどりつく地はいずこか──!?


<スタッフ>
原作・監督:高橋良輔
キャラクターデザイン:塩山紀生
メカニカルデザイン大河原邦男
音楽:乾 裕樹


<キャスト>
キリコ・キュービィー郷田ほづみ
フィアナ:弥永和子
イプシロン:上恭之介
ブールーズ・ゴウト:富田耕生
バニラ・バートラー:千葉 繁
ココナ:川浪葉子
ル・シャッコ:政宗一成
ロッチナ:銀河万丈
ワイズマン:柴田秀勝


1983-1984年放送作品 全52話

 

装甲騎兵ボトムズ」あらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

アニメ「装甲騎兵ボトムズ」シリーズあらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
ボトムズバイブル―装甲騎兵ボトムズ 全記録集〈1〉 (装甲騎兵ボトムズ全記録集 (1))
ボトムズアーカイヴ―装甲騎兵ボトムズ 全記録集〈2〉 (装甲騎兵ボトムズ全記録集 (2))
 
 

【SF小説】感想「叛逆の騎士たち」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 636巻)(2021年3月3日発売)

叛逆の騎士たち (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-636 宇宙英雄ローダン・シリーズ 636)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123187
叛逆の騎士たち (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-636 宇宙英雄ローダン・シリーズ 636) 文庫 2021/3/3
クルト・マール (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2021/3/3)
発売日 : 2021/3/3
文庫 : 254ページ

【※以下ネタバレ】
 

タウレクとヴィシュナが待ちうけていた《バ ジス》に帰還したローダンは、この宇宙の究極の謎の答えを知ることを拒否したと告げる


遂にトリイクル9の帰還が果たされ、タクヌ星系が誕生した。このミッションを完遂したローダンたちも“バジス”に帰着した。ローダンをはじめとする深淵の騎士4名はコスモクラートのタウレクとヴィシュナに、任務が終了したので深淵の騎士の地位を放棄し、コスモクラートへの奉仕を終了すると宣言した。しかし、任務の終了を認めないタウレクらは深淵の騎士たちの翻意を促すため、かれらに数々の幻覚を見せるのだった!

 

あらすじ

◇1271話 深淵のフィナーレ(クルト・マール)(訳者:嶋田 洋一)

 《バジス》はフロストルービン/トリイクル9と共に、一瞬で二億光年を跳躍し、ベハイニーン銀河近傍に到着した。タウレクたちはローダンにトリイクル9の最終調整の任務を与え、深淵に送り込んだ。ローダンは、深淵で謎の存在「無の勢力スィ・キトゥ」の妨害を受けつつも任務を達成した。直後、ローダンに対して第三の究極の謎の答えが接近してくるが、ローダンは内容を知れば精神が破壊されることを察し、答えを知ることを拒絶した。(時期:不明:NGZ429年9月頃)

※初出キーワード=スィ・キトゥ、恒星タクヌ


◇1272話 叛逆の騎士たち(クルト・マール)(訳者:嶋田 洋一)

 深淵を脱した15万の島々は、時空エンジニアの作った人工恒星の周囲に安定した。タウレクたちはローダンが第三の究極の謎の答えを持ち帰らなかったことを責めるが、逆にローダンやアトランたちはコスモクラートが深淵の地の住人の命を顧みなかったことを非難し、両者は対立する。タウレクはローダンたちの精神を攻撃し従属を迫ると同時に、《バジス》を加速させ三週間で故郷銀河へと帰還させた。最終的にタウレクは、深淵の騎士たちは、コスモクラートに従わない限り、“それ”の力の集合体で意識が麻痺するという措置を取る。ローダンは宇宙の彼方からの謎の声を頼り、友人たちと共に最後のヴィールス船で地球を離れる決心をした。(時期:~NGZ429年12月24日)

※初出キーワード=無し


あとがきにかえて

・新型コロナのせいで「ガタコン」で利用していた旅館がつぶれてしまった話。
・新型コロナのmRNAワクチンの話


感想

 前半エピソード … 原タイトル:FINALE IN DER TIEFE(意訳:深淵のフィナーレ)

 ローダンがアトランたちと再会して、トリイクル9も本来の位置に復帰する話。話の概要だけ見るとクライマックスなのですが、大半がローダンが深淵でうろうろして、謎の相手に翻弄されて死にかける、みたいな内容で、退屈で寝落ちしそうでした……、ここにきてそれはないのでは……、ちなみに無限アルマダサイクル以来ご無沙汰だったアンブッシュ・サトーが再登場します。

 終盤の、「第三の究極の謎の答え」が大波のように迫ってくる、という描写を見て、ローダン・シリーズも随分ファンタジー寄りになったものだ、としみじみしました。第三勢力の頃は遠くなったよね……

 今回唐突に、コスモクラート・カオタークに匹敵する存在として「無の勢力/熱力学第二法則の守護者スィ・キトゥ」が登場して、ローダンにちょっかいを出します。熱力学第二法則は色々難しいのですが、要するにエントロピーの事を言っているらしい。世の中は秩序から混沌に向かう、という理解で間違っていないと思いますが、そういう自然な流れを守る秩序でも混沌でもない勢力、という理解で良いのでしょうか。


 後半エピソード … 原タイトル:REVOLTE DER RITTER(意訳:騎士の反乱)

 1000話から始まった大きなストーリーの事実上の最終回。深淵の騎士、フロストルービン/トリイクル9、無限アルマダ、深淵、といった設定に一斉に区切りがつく展開で、サイクルの最終回並みの総決算回でしたが、それがこういう後味の悪い〆かたとなるとは……、うーん。この時点でフォルツが健在だったら、1000話以降の展開にどういう風に幕を下ろしたのかと考えずにはいられません。

 P149~151のあたりで、深淵の地でアトランたちと共に活躍したキャラがずらーっと登場するのですが、アバカー種族のボンシンが出てこなくて、どうやら完全に忘れられていたらしいのに苦笑い(笑)
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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【アニメ】感想:アニメ「装甲騎兵ボトムズ」第4話「バトリング」

装甲騎兵ボトムズ 総音楽集

ボトムズWeb http://www.votoms.net/
ボトムズWeb http://www.votoms.net/index.html

www.votoms.net
【※以下ネタバレ】
 

第4話 バトリング

 

あらすじ

http://www.votoms.net/about/01/04.php
ブーンファミリー、治安警察との戦いの中で、炎に囲まれて窮地に陥るキリコであったが、キリコを追うメルキア軍情報部の一団によってATに消火液をかけられ、すんでのところで救われた。だが、キリコはまだこの情報部による監視を知らない。
逃げ戻ったキリコはゴウトの勧められるままにバトリング会場に赴き、成り行きからバトリングをすることになるのだが、対戦相手が小惑星リドの作戦の上官で秘密結社の一員であるコニン少尉にすり替わっていた。コニンとキリコのバトリングが始まる。しかし、それはゴウトもキリコも知らないままに実弾使用のリアルバトルに変更されていた。

 
 ブーンファミリーと治安警察との戦いで一面は火の海となり、キリコは熱で意識を失う。しかしキリコを密かに監視していた軍は、ATを消火してキリコが死なないように処置したあと、すぐさま立ち去る。

 キリコはゴウトに助けられ、ゴウトはキリコに自分と契約してバトリングの選手になるように持ち掛ける。バトリングとは、元軍人たちの操縦するATが戦うギャンブルで、ゴウトはその関係者だった。

 ゴウトはキリコを連れてバトリング会場に向かい、選手たちに引き合わせるが、キリコは武器を使わない戦いを見て、選手たちの前で所詮遊びだと言い放つ。それを聞いていきり立った選手とキリコはバトリングで対決することになった。

 しかし選手たちの中に、あの小惑星リドの作戦でキリコの上官だったコニン少尉がおり、コニンは治安警察署長のイスクイにキリコ生存を報告すると同時に、自分がバトリングでキリコを始末するという。コニンはゴウトやキリコに無断で、一方的に試合方式を実弾を使う「リアルバトル」に変更し、自分が対戦相手となる。キリコは何の躊躇も無くリアルバトルに挑み、戦いの最中対戦相手がコニンだと気が付くが、きわどい所でコニンを殺す。

 試合が終了した直後、治安警察のヘリがバトリング会場に現れ、キリコを連行していった。

感想

 AT同士の戦いが満載、ドラマも大きく動き出し、と、この辺りからエンジンフル回転感が出てきましたね。

 ストーリーの細かい所は殆ど忘れていたのに、コニンの「お前はあの時死ぬべきだったんだ、キリコ曹長」という台詞は38年経っても覚えていて、自分でもびっくりした。
 
 
装甲騎兵ボトムズ プラスチックモデルキット 1/20 スコープドッグ
 

https://www.at-x.com/program/detail/1003
装甲騎兵ボトムズ


<ストーリー>
ギルガメスとバララント、対立する星域同士によるアストラギウス銀河を真っ二つに分けた百年戦争の末期、キリコ・キュービィーは謎の作戦に参加する。それは味方が守備する小惑星リドを襲撃するという、不条理な作戦であった。作戦中、謎の女を目撃したキリコは同僚に裏切られ、所属していたメルキア軍から追われる身となってしまう。
百年戦争終戦後、キリコは流れ着いたウドの街で、謎の女と再会する。彼女の正体は、軍の最高機密“素体”であった。だが、完璧なる兵士“パーフェクトソルジャー”となるべく誕生した素体は、ひとりの女性としてキリコを愛するようになっていた。キリコは彼女にフィアナという名を与え、行動をともにする。キリコとフィアナ、一組の男女が戦いの果てに、数々の戦場をめぐる遍歴の末に、たどりつく地はいずこか──!?


<スタッフ>
原作・監督:高橋良輔
キャラクターデザイン:塩山紀生
メカニカルデザイン大河原邦男
音楽:乾 裕樹


<キャスト>
キリコ・キュービィー郷田ほづみ
フィアナ:弥永和子
イプシロン:上恭之介
ブールーズ・ゴウト:富田耕生
バニラ・バートラー:千葉 繁
ココナ:川浪葉子
ル・シャッコ:政宗一成
ロッチナ:銀河万丈
ワイズマン:柴田秀勝


1983-1984年放送作品 全52話

 

装甲騎兵ボトムズ」あらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

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アニメ「装甲騎兵ボトムズ」シリーズあらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

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ボトムズバイブル―装甲騎兵ボトムズ 全記録集〈1〉 (装甲騎兵ボトムズ全記録集 (1))
ボトムズアーカイヴ―装甲騎兵ボトムズ 全記録集〈2〉 (装甲騎兵ボトムズ全記録集 (2))
 
 
 
 

【OVA】感想:アニメ(OVA)「機甲猟兵メロウリンク」第12話(最終話)「ラストステージ」(1989年)

機甲猟兵メロウリンク Vol.1[松本保典][Laser Disc]

ボトムズWeb http://www.votoms.net/
放送 AT-X

www.votoms.net
【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終話) 『stage 12 ラストステージ」(発売日:1989年4月28日)

 

あらすじ

http://www.votoms.net/about/05/12.php
キークによってヘルメシオン准将殺害の汚名を着せられたメロウリンクとルルシーは、コーザシティ基地からの脱出を計る。だが、その途中でメロウリンクは基地のAT乗りから罵られる。「仲間の仇」と。自分の行為もまた、誰かの仇となっていたことに気づかされ、呆然とするメロウリンク。


そこへキークからの通信が入る。キークはシュエップス少尉の裏切り行為を語った。シュエップス少尉は上層部との取引に応じて小隊を犠牲にし、成功の暁にはシルバースター勲章を約束されていたというのだ。そして、メロウリンクの復讐をチャチで鼻持ちならない自己満足だとあざ笑う。ルルシーが通信機を壊したことにより、キークの言葉は中断された。だが、メロウリンクは動揺せずにいられなかった。もちろん、キークの言葉が真実であるという証拠はなにもない。しかし、あの時ミヨイテでシュエップスが見せたささいな表情を思い出したメロウリンクには、自信を持って否定することもできなかったのだ。兵士たちの銃撃で我に返ったメロウリンクは、ルルシーとともに基地から脱出する。


その頃、惑星メルキアの衛星軌道上には、バララント軍の艦隊が迫っていた。基地から離れたところに落ち着いたルルシーは、メロウリンクにともに逃げることを提案する。だが、メロウリンクは彼女に街へ向かうよう伝え、自分は基地に戻ることを告げた。

 
 全12話中の第12話。

 メロウリンクとルルシーは、トラックでコーザシティ基地からの逃亡を図り、一方キークはバッテンタイン中将の特命をかさに着て基地の全権を握り、二人を追撃させた。

 キークは無線でメロウリンクに呼び掛け、シュエップス小隊の最後の任務についての秘密を打ち明ける。シュエップス少尉は上層部からの無謀な命令を受け入れる代わりに、もし帰還した暁にはシルバースター章を約束されており、メロウリンクの復讐は全て無駄だったと嘲笑する。ルルシーは無線を破壊し罠だというが、メロウリンクは動揺する。

 キークはなおも追撃を続けさせようとするが、惑星の軌道上にバララント艦隊の接近が確認され、メロウリンクの追跡どころではなくなり、基地は臨戦態勢に入る。

 メロウリンクたちは追跡を振り切るが、メロウリンクはルルシーに一人で街に向かうように言い、自分は基地へと戻っていく。そして基地と艦隊との戦闘が開始された中で、待ち構えていたキークと対峙する。自分を利用したキークを許せないメロウリンクと、スキャンダルの関係者の口をふさごうとするキークの戦いは、メロウリンクの勝利に終わる。そして基地はバララントの攻撃で壊滅する。

 基地から離れ荒野を歩くメロウリンクの前に、ずっと待っていたルルシーの姿が見えた。<完>


感想

 最終回に相応しく盛り上がった展開で良し。シュエップス少尉の話が本当だったのかキークの作り話だったのか、その辺りをあいまいにしつつ終わらせたのもこれはこれで良かったかなと。最後の敵となったキークが、最期には「お前なら戦争という巨大な流れからはみ出て生きていけるかもしれん」とか良い感じの台詞を残しつつこと切れるとか、なかなか味がありました。


 さて、今回やっと気が付いたのですが、このシリーズは

・主人公が休戦直前に参加した作戦で、上官たちの裏切りで死にかける
・その後、軍を脱走して軍に追われる身となる
・主人公はPS計画に巻き込まれていた
・最終回でバララントとの休戦が終わり再度戦争が始まる

 と、TV版「装甲騎兵ボトムズ」の物語と、主人公の立場も扱っている期間も同じなんですよね。30年前に見た時には、単にスピンオフシリーズとしか受け止めていませんでしたが、ちょっと考えれば「裏ボトムズ」だったわけです。なるほどねぇ。


総括

 1988~1989年にOVA展開された「装甲騎兵ボトムズ」のスピンオフシリーズ。

 上層部の裏切りで戦友を失った兵士メロウリンク・アリティが、軍を脱走した後、命令を下した元上官たちに復讐を果たしていく、というハードボイルド物。

 元々ボトムズ世界は殺伐としたハードな世界観でしたから、こういう設定の話を十分受け止める余地があった訳ですが、実に上手く話を組み立てていました。

 最初は単なる単発の復讐談だったのが、後半になって「PS計画」が絡んでくるというボトムズ本編との連携や、最終盤の意外な(?)展開、等、後ろに行けば行くほど話のクオリティが上がっていったのは嬉しい限りでした。特に最終回は何回も見返したくなるくらい見ごたえがありましたしね。

 30年ぶりの視聴でしたが、十分見直す価値のある作品でした。
 
 

機甲猟兵メロウリンク
https://www.at-x.com/program/detail/1173

<ストーリー>
軍隊の暗部によって濡れ衣を着せられ仲間を殺されたメロウリンクが、その青春をかけて復讐を誓う。巨大なライフルと、おのれの身一つで鋼鉄のATに挑む異色ロボットアニメ。
濃厚なボトムズワールドを完全に継承し、本編以上に練りこまれたミリタリーとハードボイルドが魅力の外伝作品。



<スタッフ>
企画:伊藤梅男(バップ)、渋江靖夫(サンライズ
原案:江田文行
原作・シリーズ構成:高橋良輔
キャラクターデザイン・作画監督谷口守泰
メカニックデザイン大河原邦男
音楽:乾 裕樹
音響:浦上靖夫
美術:平川栄治
撮影:奥井 敦
監督:神田武幸
プロデューサー:平山博志(バップ)、指田英司(サンライズ
製作:バップ、サンライズ



<キャスト>
メロウリンク:松本保典
ルルシー:玉川紗己子
キーク:大塚明夫
ドックマン:永井一郎
フォックス:納谷六朗
スタブロス:加藤精三
ゴメス:飯塚昭三
ゴルフィ:若本規夫
ガナード:岸野一彦
ボイル:兼本新吾
バンス:仲木隆司
ヌメリコフ:三田松五郎
シュエップス:森 功至
スタルコス:田中信夫
ヘルメシオン:阪 脩


1988年-1989年OVA作品 全12話

 

機甲猟兵メロウリンク」あらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

アニメ「装甲騎兵ボトムズ」シリーズあらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

2020年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
機甲猟兵メロウリンク音楽集
機甲猟兵メロウリンク ステージ・コンプリーツ (フィギュア同梱 初回限定生産) [DVD]
機甲猟兵メロウリンク
 
 

【アニメ】感想:アニメ「ゲキドル」第11話「わたしたち死んだものが目覚めたら」

TVアニメ「ゲキドル」

TVアニメ「ゲキドル」公式サイト http://gekidol.com/
放送  AT-XAT-Xが最速放送)

【※以下ネタバレ】
 

第11話 『Stage.11 わたしたち死んだものが目覚めたら』 (2021年3月16日(火)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 竹崎は、かをるが死んだと思っていたミキと同一人物と知り驚くが、かをるはすぐに姿を消してしまう。

 アリスインの新作「クロノゲイザー」の初演が近づく中、SMT(スーパーマテリアルシアター)は池袋と世界30ヶ国を結んだ、シアステ(シアトリカルマテリアルシステム)とドールを利用した世界同時公演を目前にしていた。竹崎は、自分の夢である、GMS(グランドマテリアルシステム)を使った究極のエンターテインメントの実現を目前にして満足していたが、美濃はかをるが阻止に現れるだろうことを警告する。

 ドールの前に、GMSにインストールされていたあずさ/エンリ・ビアンノの人格データが姿を現した。あずさは、かをる/ミキが殺したのは自分ではなくドールだった事を明かす。

 人類が時間移動を始めた時から時空の分裂は始まっていた。イノヴェイターは2012年にGMSとドールを持ち込み、行き詰った未来を救済しようとしたが、ゲイザーの介入で失敗し、その結果時空の支流「トワイライトディメンション」が発生した。本流から枝分かれした支流は、いずれは消滅してしまう。現在ドールが生きている世界こそ、時間の本流から分裂した支流だった。

 そして竹崎の行おうとしている計画は、奇しくもイノヴェイターの実行しようとしていた事の繰り返しであり、シアステによって欲望を満たされた人類は、GMSが開く無意識の記録庫に収束される。あずさはドールにこの時空の人類に残された時間はわずかしかないという。


 かをるは竹崎の計画を阻止するため、GMSに強行に乗り込み、竹崎と再会する。5年前、竹崎とミキは異国で出会っていたが、ミキは爆弾テロで重傷を負い、竹崎はミキを病院に連れて行こうとするものの、何者かに眠らされ、ミキは居なくなっていた。竹崎はミキとかをるが同一人物だと認識しかをると抱き合うが、次の瞬間ドールはミキを失神させ、竹崎を洗脳してしまう。


脚本 大知慶一郎
絵コンテ 小島正幸
演出 原 英和、上田 繁
作画監督 末田晃大、小林利充


感想

 ……、あ~(嘆息)、これはぁぁぁぁ~(二度目の溜息)

 悪い方に予想が当たってしまった……、作っている方は解っているのだろうけど、見ている方には全く伝わらず、何が何だか全然分からない、という話になり果ててしまった……、これを恐れていたのに…… あぁ……

 今回はもう意味不明の話を詰め込み過ぎ。竹崎とミキの事なんかもっと前に説明しておくべきなのに、それが無いから「ミキとかをるは同一人物です」と言われても「それがどうした」になってしまうし、そもそもあの五年前の回想シーンがどういう状況での話なのか分からないので、もう視聴者は完全に置いてきぼり……、シリーズ構成ってそういう事が起きないように、全体に目配りして話を組み立てる立場じゃないんですか……? いきあたりばったりでシナリオを書いたとしか思えない……

 あーあ、期待していたのに。

 ところで、かをる/ミキたちが現れたのが2012年で、それから五年後の話だと言っているので、この作品は2017年の出来事なんですね。ロボットやら何やらが出て来るので近未来の事かと思っていましたが、違った歴史をたどった別の世界の話だというのは、ちょっと面白い。
 
 
ゲキドル!(TVアニメ「ゲキドル」前期オープニングテーマ)
 
 
 

【映画】感想:映画「ゾンビ ディレクターズカット版」(1978年:アメリカ/イタリア)

ゾンビ ディレクターズカット版<HDリマスター版> [Blu-ray]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2021年2月1日(月)

【※以下ネタバレ】
 

よみがえった死者が人間を襲う恐怖を描くホラー映画の金字塔。ゾンビ映画の帝王・ジョージ・A・ロメロ監督自らが編集と選曲も手がけたディレクターズカット版での放送。


よみがえった死者が人間に襲いかかる…。ショッキングな描写、卓抜なアイデアで世界中の映画作家に影響を与え、ホラー映画の金字塔となったジョージ・A・ロメロ監督の代表作。TV局に勤務するフラニーと恋人スティーブンは、SWAT隊員のロジャーとピーターと共に、ヘリコプターで脱出。ショッピングモールに逃げ込むが、そこにはさらなる恐怖が…。監督自らが編集と選曲も担当したディレクターズカット版での放送。

 

あらすじ

 数週間前から、死者が動き出して生きている人間を襲う、という異常事態が発生し、社会は大混乱に陥っていた。死者は脳を破壊するか首を切り離さない限り止めることは出来ず、死者に噛まれた者もまた数日で死んだ後、やはり動く死者と化してしまう。警察や軍が出動し、死者を食い止めようとしていたが、事態は悪化する一方だった。

 テレビアナウンサーのスティーブンは、テレビ局のヘリに、恋人で仕事仲間のフラニー、SWAT隊員のロジャーとピーターを乗せ、死者たちのいない場所を求めて旅立った。しかしどこまで飛んでも死者たちが徘徊しており、一行は仕方なく、大型ショッピングモールの屋上に着陸する。

 四人はショッピングモールの管理者たちの部屋に一時的に身を隠し、死者を避けながら店内で食料や銃・弾丸を確保する。フラニーはスティーブンの子供を身ごもっていた。四人は物資の豊富なこの場所を住処にすると決め、死者の侵入を防ごうと、入り口を封鎖するため大型トラックを移動させるか、作業中にロジャーが死者に足をかまれてしまう。

 それでもスティーブン・ロジャー・ピーターは作業をやり遂げ、店のドアの鍵を全て閉め、店内に残った死者を一掃することで、ついに安全を確保する。その後、ロジャーの体調は悪化し、遂に死亡するが、蘇った瞬間にピーターによって頭を撃ちぬかれる。

 スティーブン・ピーター・フラニーは、先は見えないながらも、衣食住には全く困らない生活を送りはじめた。しかしある日、数十人の略奪者集団がモールの扉を破って侵入し、店内を荒らしまわり始めた。スティーブンとピーターは反撃するものの、多勢に無勢で略奪を止めることは出来ず、さらに死者たちがまた店内に侵入してきてしまう。

 略奪者たちは引き上げたものの、スティーブンは死者に襲われて殺された末に、自分も動く死体と化した。そして生前の記憶に導かれ、ピーターやフラニーがいる隠し部屋へと他の死者たちを引き連れて現れる。ピーターはスティーブンの脳を破壊した後、フラニーにヘリで逃げるように指示し、自分はここに残ると言う。ピーターは死者に取り囲まれると自分の頭に銃を向けるが、最後の瞬間思い直し、死者に向けて発砲すると、屋上に向かう。

 屋上ではフラニーがピーターを待っており、二人はヘリに乗ってモールを去った。<完>


感想

 評価は○(そこそこ)。

 ホラー映画の伝説的な作品ですが、意外と面白くなかった……


 日本初公開当時、テレビCMで、「エレベーターのドアが開いた瞬間、青白い顔の死者たちがこちらに向けてどっと飛び掛かってくる」というシーンを見せられて「凄く怖い映画だな」と怯えていたのですが、いざ見てみると、怖いシーンはそこだけでした……

 恐怖シーンの連発で盛り上げる、というタイプの映画ではなく、全体に淡々としており、四人がショッピングモールに潜り込んで、死者を避けながらこそこそと物資を集めたり、トラックを運転して入り口をふさいだり、といった話が派手さも無く展開していきます。

 もちろん、そこらじゅうを青白い顔をした動く死体がうろうろしており、危険なことは危険なのですが、動きが遅いため、その間をかいくぐって突っ走っていったりすることもできるため、それなりにハラハラはするものの、怖くて仕方ない、という雰囲気でも無かったです。リアリティ重視というか、劇的な展開というものはほぼないので、慣れて来るとかなり退屈に感じました。

 2時間20分映画で残り20分くらいになって、略奪者集団がモールになだれ込んできて、一応銃撃戦なども起こるのですが、略奪者たちが死者の顔にパイをぶつけてふざけるシーンなどもあり、興奮するクライマックスというノリでも無かったですしね。

 ということで、まあ悪いとは言いませんが、映画として凄く面白かった、という程では無かったです。
 
 
 

シネマ「ゾンビ ディレクターズカット版」<字幕スーパー><レターボックスサイズ>
[BSプレミアム] 2021年02月01日 午後1:00~午後3:20 (140分)


【製作】
リチャード・P・ルビンスタイン
【監督・脚本】
ジョージ・A・ロメロ
【撮影】
マイケル・ゴーニック
【音楽】
ゴブリン、ダリオ・アルジェント
【出演】
デビッド・エムゲ、ケン・フォリー、スコット・H・ライニガー ほか


製作国:
アメリカ/イタリア
製作年:
1978
原題:
DAWN OF THE DEAD
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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