【映画】感想：映画「オリエント急行殺人事件」(1974年:イギリス)

NHK BSシネマ　http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送　NHK BSプレミアム。2022年4月12日(火)

【※以下ネタバレ】
　

ミステリーの女王・アガサ・クリスティーの名作をオールスターキャストで映画化。国際列車オリエント急行で起きた殺人事件をめぐり、名探偵ポワロが事件の真相を追う。

ミステリーの女王・アガサ・クリスティーの名作をオールスターキャストで映画化。１９３０年代、アジアとヨーロッパを結ぶ国際列車オリエント急行で起きた殺人事件をめぐり、名探偵エルキュール・ポワロが事件の真相を追う。シドニー・ルメットのユーモアを交えた演出、ショーン・コネリー、ローレン・バコールはじめ名優たちの見事なアンサンブルが高く評価され、イングリッド・バーグマンがアカデミー助演女優賞を受賞した。

あらすじ

　1930年。アメリカ。アームストロング大佐の一人娘デイジーが何者かに誘拐され、夫妻は身代金を払ったものの、デイジーは遺体で発見された。

　５年後。イスタンブール。エルキュール・ポアロは現地での事件を首尾よく解決したあと、オリエント急行でロンドンまで戻ることになった。一等寝台車はあいにく満員だったが、ポワロは知人で鉄道会社の重役ビアンキのつてで席を確保することが出来た。

　出発後、ポワロは、列車の乗客のアメリカ人富豪ラチェットから、脅迫状を送り付けられているので護衛をしてほしいと頼まれるが、興味がそそられないとあっさり断る。

　出発から三日目の朝。ラチェットが自室で刃物でめった刺しにされて殺されているのが発見された。列車は雪で立ち往生しており、犯人は同じ寝台車にいた乗客・車掌計12人の誰かとしか考えられなかった。ポワロはビアンキの依頼で事件の捜査を担当することになった。

　ポワロはラチェットの部屋に残っていた脅迫状の燃えかすから、ラチェットの本名が「カセッティ」だと突き止める。カセッティは五年前にアメリカで発生したアームストロング事件の犯人の一人で、誘拐の実行犯は逮捕され、黒幕カセッティの名を白状したものの、カセッティはつかまらないまま逃げおおせていたのだった。

　事件では、誘拐されたデイジーが殺された他に、アームストロング夫人はショックで流産したあと死亡、アームストロング大佐は自殺、犯行の内通者と疑われたメイドも自殺、と五人の人間が死んでおり、その復讐のためカセッティは殺されたと考えられた。

　ポワロは捜査を進めるが、犯行現場ではパイプ掃除用具、女物のハンカチという相矛盾する証拠が見つかり、その後も、偽の車掌の制服、謎の女が着ていた赤い着物、犯行に使われたナイフ、等が次々と発見されるが、犯人に結び付く決定的な証拠は現れない。しかしポワロは、容疑者たちを一通り取り調べ終えると、すぐに容疑者全員を集め、推理を披露する。

　ポワロは「第一の簡単な答え」として、カセッティに恨みを抱くマフィアが車掌の服を着て列車に侵入、深夜にカセッティを刺し殺し、誰にも気が付かれずに逃げ去った、という推理を披露する。

　そのあと「第二の複雑な答え」として、犯行当夜寝台車にいた乗客と車掌計12人全員がアームストロング事件の関係者であったことを明らかにする。12人はカセッティに罰を下すため、全員が無関係を装いながら協力して復讐の舞台を整え、犯行に及び、偽の証拠をいくつも残すことでポワロを混乱させようとしたのだった。

　真相を知ったビアンキは、警察には「第一の答え」を伝えると宣言し、事件関係者12名は安堵する。直後、除雪車による除雪が完了し、列車は次の目的地に向けて出発した。＜完＞

感想

　評価は○（まあまあ）。

　超有名推理小説（読まなくてもみんな犯人を知っている）の映画化作品。評価はまあまあ。

　とにかく俳優が豪華で、
　被害者ラチェット … リチャード・ウィドマーク
　秘書マックイーン … アンソニー・パーキンス
　アーバスノット大佐 … ショーン・コネリー
　ハバード夫人 … ローレン・バコール
　グレタ・オルソン … イングリッド・バーグマン
　エレナ・アンドレニイ伯爵夫人 … ジャクリーン・ビセット

　等等、見ているだけでおなか一杯になります。

　しかしまあ、長編推理小説を二時間の映画にするというのはやはり厳しいものがあり、最初の30分で事件発生、次の一時間で容疑者の取り調べ、とこなすと、直後にポワロが「じゃあみんなを集めて真相を説明します」とやって残り30分で解決、と忙しいこと忙しいこと。

　名優たちも取り調べシーンで5分くらい演じたらもう出番はおしまいなので、演じがいが無いというかじゃなかったのかしらん。

　全体的にゴージャスな雰囲気は漂っていますが、映画としては物凄く駆け足の忙しい作品という印象しかないですね。悪い映画では無いんですけど……
　
　

シネマ「オリエント急行殺人事件」＜字幕スーパー＞＜レターボックスサイズ＞
[BSプレミアム] 2022年04月12日 午後1:00 ~ 午後3:09 (129分)

【製作】
ジョン・ブラボーン、リチャード・グッドウィン
【監督】
シドニー・ルメット
【原作】
アガサ・クリスティー
【脚本】
ポール・デーン
【撮影】
ジェフリー・アンスワース
【音楽】
リチャード・ロドニー・ベネット
【出演】
アルバート・フィニー、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、ジャクリーン・ビセット、マイケル・ヨーク、ジャン・ピエール・カッセル、マーティン・バルサム、リチャード・ウィドマーク　ほか

製作国：
イギリス
製作年：
1974
原題：
MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
備考：
英語／字幕スーパー／カラー／レターボックス･サイズ

2022年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com