【数学】感想:NHK番組(新番組)「笑わない数学」第1回「素数」(2022年7月13日(水)放送)

Newton 素数のふしぎ

笑わない数学 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
放送 NHK総合。全12回。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
パンサー尾形貴弘が難解な数学の世界を大真面目に解説する異色の知的エンターテインメント番組! 「リーマン予想」「フェルマーの最終定理」「連続体仮説」「四色問題」「ガロア理論」「abc予想」「確率論」「P対NP問題」「カオス理論」「ポアンカレ予想」「暗号理論」「虚数」・・・。天才数学者をも苦しめてきた数々の難問、そして美しくも不思議な知の世界を、1回30分ワンテーマ、ギャグ封印で、トコトン分かりやすく掘り下げる!


MC 尾形貴弘 (パンサー)

 

第1回「素数」(2022年7月13日(水)放送)

 

内容

笑わない数学 「素数
[総合] 2022年07月13日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)


パンサー尾形貴弘が数学の難問を大真面目に解説する「笑わない数学」。今回は「素数」の不思議な魅力に迫る。天才数学者たちを悩ませてきた、素数の“大いなる謎”とは。


「1と自分自身でしか割り切れない数・素数」。どんな数も素数の掛け算で表されることから、「数の原子」ともいわれている。最も基本的な数にもかかわらず、素数は謎だらけ。中でも数学者たちを悩ませてきたのが、「素数はどんなタイミングで出現するのか」という問題だ。素数は気まぐれに出現し、規則性が全く見当たらないのだ。この素数の並びには、一体どんな意味が隠されているのか?パンサー尾形が「創造主の暗号」に迫る。


【司会】パンサー尾形

 
素数とは
 
 素数とは、1とその数自身でしか割り切れない数の事。全ての数は素数で出来ているので(例:10=2×5)、素数は数の原子と呼ばれる。素数は無限に存在する。



●双子素数

 素数の中には「3と5」「11と13」のように一つの数を挟んでペアになっている素数の組み合わせがあり、これを「双子素数」と呼ぶ。双子素数は数が大きくなっても存在するのか、はたまた桁数が大きくなると無くなってしまうのか、今のところ分かっていない。



素数に規則はあるのか? その1

 素数は「2、3、5、7、11、13、17、19、23……」と並んでいるが、その並びに規則性はあるのだろうか?

 それを研究したのは18世紀の大数学者レオンハルト・オイラー(スイス:1707-1783)。オイラー素数の並びに何らかの規則があると考え、コンピューターが無い時代に手計算で次々と素数を見つけていったが、いくら調べても法則性は無いように思われた。

 しかしオイラーは、全ての素数を使ったある掛け算の答えが「πの二乗 ÷ 6」になることを発見した。つまり無秩序な数に思われた素数は、実は宇宙で一番美しい形「円」と関係があったのである。



素数に規則はあるのか? その2

 19世紀の天才数学者カール・フリードリヒ・ガウス(ドイツ:1777-1855)は、素数の並びと自然対数表を比較し、素数の個数が自然対数eと関係があることを発見した。

 オイラーガウスによって、無秩序な数だと思われていた素数は、実は自然界の二大定数「π」と「e」に関係がある、という事が明らかになったのである。



素数に規則はあるのか? その3

 19世紀の数学者ベルンハルト・リーマン(ドイツ:1826-1866)は、オイラーが見つけた掛け算を発展させ「ゼータ関数」というものを作った。そしてゼータ関数のグラフで高さがゼロになる点「ゼロ点」をいくつか調べてみると、それは無秩序に並んでいるのではなく一直線に並んでいることに気が付いた。

 リーマンは、ゼロ点は全て一直線上にあるはずだと予想した。これを「リーマン予想」という。そしてこの予想は未だに証明されていない。



素数と原子の繋がり

 50年前。プリンストン高等研究所に、ミシガン大学から数学者のヒュー・モンゴメリー博士が立ち寄っていた。モンゴメリー博士はリーマン予想の研究をしていたが、彼は「ゼロ点が一直線に並んでいるか」ではなく、ゼロ点同士の間隔について調べていた。そして素数の並びはバラバラなのに、ゼロ点の間隔はほぼ一定らしい、という事に気が付いていた。

 モンゴメリーは研究所のティータイムで、量子物理学の大御所・物理学者フリーマン・ダイソン博士と出会い、研究内容の話をするうち、ゼロ点の間隔に触れた。するとダイソンは、「ゼロ点の間隔の式は、ウランなどの重い原子核のエネルギーの間隔と同じ式である」と指摘したのである。

 原子の中心に有る原子核のエネルギーは、一定ではなく、とびとびの間隔で変化することが知られていた。ダイソンはそのとびとびの間隔を計算する式を見つけていたが、それはゼロ点の間隔の式と一緒だったのである。

 この大発見以降、数学者と物理学者が一緒になってリーマン予想について研究する会議が開かれたりしている。素数と宇宙の法則にどんな関係があるのか? 研究者はいまもその謎を追い続けている。


感想

 今年の6月12日に「レギュラー番組への道」という番組で一回だけ放送された「笑わない数学」が
 ↓

【数学】感想:NHK番組「レギュラー番組への道」『笑わない数学 フェルマーの最終定理』(2022年6月11日(土)放送)
https://perry-r.hatenablog.com/entry/2022/06/12/230442

perry-r.hatenablog.com

 
 この夏からホントにレギュラー番組となってスタートしました。


 初回は分かりやすく「素数」から。手堅くまとまっていて、まずまずの出来栄えでした。正直数学は大嫌いですが、この番組は好きになれそうです。
 
 

おまけ

 今回の番組の内容、このページのほぼそのままですね。
 ↓

【入試伝説・数学史】2003年 日本女子大学 素数の謎を解き明かせ~オイラーガウス・リーマンの挑戦~ | 受験の月
https://examist.jp/legendexam/2003-nihonjyoshi/

examist.jp

 
 
笑わない数学(NHKオンデマンド)
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