【ゲームブック】感想:ゲームブック「魂を盗むもの」(キース・マーティン/2022年)【一応クリア】

Stealer of Souls (Puffin Adventure Gamebooks)
Stealer of Souls

http://www.amazon.co.jp/dp/4815613966
ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活 単行本(ソフトカバー) 2022/7/16
出版社:SBクリエイティブ (2022/7/16)
発売日:2022/7/16
単行本(ソフトカバー):1280ページ

【※以下ネタバレ】
 

魂を盗むもの
シリーズ第34作目であり、過去に日本で展開されていたファイティング・ファンタジー全33作品の「次の1本」にあたる作品。日本におけるファイティング・ファンタジーの系譜、その再開という思いを込めての選定となる。タイタン世界全土を脅かす暗黒の魔術師モルドラネス。その脅威を排除するべく、嵐の海に浮かぶ孤島「絶望の島」での冒険が繰り広げられる。

 
 今年7月に発売されたゲームブック5冊詰め合わせセット「ファイティング・ファンタジー・コレクション~レジェンドの復活~」

www.sbcr.jp

 
 の中の一冊「魂を盗むもの」(本国イギリスでは1988年発売)を、ざっとですがプレイして一応ラストまで見ましたので、今の時点での感想をさらっと行きます。完全クリアを待っていると、いつ感想が書けるかわからないので……


概要

 「ファイティング・ファンタジー(FF)・シリーズ」34作目。王道ファンタジー作品。

あらすじ

 魔術師アルサンダーは、伝説的な闇の魔法使いモルドラネスの陰謀の内容を探るため、魔法で研究を行っていた。しかし、二週間前アルサンダーはモルドラネスの手下によって誘拐され、研究記録もろとも姿を消してしまったのだ。きみの任務は、現在孤島「絶望の島」に捕らわれているアルサンダーを救出し、さらに可能ならばモルドラネスを倒すことだ。きみは、死者の領域から力を引き出しているという噂のモルドラネスを倒すことができるか!?

ゲームシステムなど

 パラグラフ数は400。ファイティング・ファンタジーシリーズ共通の「サイコロを振ってキャラクターの3つの能力を決定」、「必要に応じてサイコロで判定を行い、戦闘や運試しなどを行う」というシステム。特別な追加ルールは無し。

感想

 評価は○(並)。プレイ時間:(現在までに)約3時間。

 FFシリーズ共通の世界を舞台とする王道ファンタジータイプです。

 あらすじから予想がつきますが、「探索型」ストーリーで、まず「絶望の島」に上陸して島内の探索を行い、続いてモルドラネスの本拠に乗り込んでダンジョンを探索し、という流れとなります。



 評価としては「悪くはないが、エキサイティングさがもう一つ」というところでしょうか。FFシリーズの一作なので、ある程度のクオリティは最初から保証されており、「箸にも棒にもかからない」などという事は全く無いわけですが……

 ただ、プレイしていて、機械的にというか、作業感覚というか、そんな感じで淡々とプレイを進めている感が否めませんでした。例えば「十字路に来た。北へ行く。XXと遭遇した。戦うか、話しかけてみるか、逃げるか。イベントをクリアして□□を手に入れた。また十字路に戻って来た。南へ行く……」という感じで、あくまで作業として、イベントを消化して話を進めている感が強かったですね。

 理想的な「目まぐるしくイベントが発生するストーリー展開に夢中になり、ページをめくる手ももどかしく次のパラグラフを探して……」という感じではなく、あくまで淡々とイベントに遭遇して対応し、そこを切り抜けると次に向かい……、という冷めた感じのプレイ感覚でした。

 あと、「やたらとパラメーターの変動が多く、いちいち能力を減らしたり増やしたりする」とか「アイテムがこれでもかと出てくる」という理由で頻繁にメモを取る必要があり、それが結構煩わしくて、そういう点も没入感を妨げる要因になっていた感がありました。


 同じ「レジェンドの復活」に同梱されている「死の罠の地下迷宮」(イアン・リビングストン)も、ダンジョンを探索して突破を目指すという方向性は同じですが、キレがあるというかテンポが良いというか、で、遥かにストーリーに入り込めて、次に何が起こるのか夢中で楽しむことが出来ました。具体的にどこがどう違うか指摘するのは難しく「テンポ」や「キレ」といったあいまいな印象レベルの批評になってしまいますが、本作にはそれがやや欠けていた感がありました。

 フローチャートを書いてみると、どこかで体力を失っても、正しいルート(と思われる)を進んでいれば後から取り返せるイベントが有ったりして、きちんと計算されているな、とか感じるのですが、そこにもう一つ魅力があったならば……

 まあ内容的には特に悪くはなかったのですが、「もう少しプレイしていて夢中になれる作品だったらな……」という評価ですね。
 

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perry-r.hatenablog.com