【SF小説】感想「水の惑星レヤン」(ローダンNEO 20)(2019年10月17日発売)

水の惑星レヤン (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122555
水の惑星レヤン (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2019/10/17
Hermann Ritter (原著), ヘルマン リッター (著), 安原 実津 (翻訳)
発売日 : 2019/10/17
新書 : 289ページ
出版社 : 早川書房 (2019/10/17)

【※以下ネタバレ】
 

ローダンらが転送機で移動した惑星レヤンは、 歴史上有名なフェロン大戦争の2日前だった。 戦争を止めようとするが、総攻撃が始まる……


クレストたちを捜索中のローダンらがヴェガ星系惑星ロフスの転送機を潜り抜けた先は、ある惑星上に浮かぶ宇宙船の中だった。謎の“諜報者”が操る宇宙船から脱出したローダンらは、眼下に大海原が広がっているのを知る。ここはフェロルの植民惑星レヤンであった。惑星環境に適応したレヤンの海の民に救出されたローダンらは、彼らと陸上のフェロン人との確執が、やがて大きな戦争へと発展していくことに気づくが……。

 

あらすじ

 第3シーズン(17~24巻)全8作の4作目。 原タイトル:DIE SCHWIMMENDE STADT(意訳:浮かぶ街)。

 暗黒時代のロフスから転送されたローダンたちは、ある惑星の上空を飛行中の未知の宇宙船内で実体化した。ローダンたちは「諜報者」と名乗る乗員に監禁されそうになり、テレポーテーションで逃走し、奇跡的に惑星海面への脱出に成功する。

 ローダンたちが到着したのはヴェガの水惑星レヤンで、フェロン人が入植していたが、バイオテクノロジーで海に適応した住民と、陸に住む住民との間で小競り合いが頻発していた。やがて陸と海の住人は、フェロルの中央政府に操られて互いに対立させられていた事に気が付き、中央との対決を考え始める。

 ローダンたちは、自分たちがいる時代が一万年前の内戦が勃発する直前だと知り、戦争を防ぐために、未来からやって来た歴史研究者だと名乗り、戦争回避を呼び掛ける。ところがそこにローダンたちを追って来た「諜報者」の宇宙船が現れ、さらにその船が未知の敵の攻撃で墜落し大爆発が起こったため、レヤンの環境は破壊され、これが内戦の引き金になってしまう。ローダンたちは助けた諜報者に事情を話し、彼の用意した転送機でまた未知の場所へと向かった。


 太陽系では、マノリがローダンたちの跡を追うため、衛星タイタンに墜落したアルコン艦の中に物質転送機が無いか調べようと考える。しかし彼らの乗った宇宙船はタイタン上空で突如操縦不能になって墜落し、なんとか脱出したマノリやグッキーたちはアルコン艦を調査するが、見つけた転送機は何者かに破壊されていた。マノリたちは救出されるものの、突然グッキーが倒れてしまう。

感想

 暗黒時代の話に比べると、展開はいささかマイルドになっていて、それなりには楽しめました。しかしローダンはもう宇宙英雄ではなく(というか最初からそう名乗ってないけど)単なるタイムトラベラーで、彼らのタイムトンネル巡りみたいになっちゃっている…… 

 ローダンたちが戦争勃発を止めようとしたら、実は彼らが出現したこと自体が戦争勃発の引き金だった、という展開が皮肉で良かった。あと、諜報者の名前がカルフェシュというのにはウケました。
 
 
 

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