オカルト検証番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリーE+(プラス)」内容・感想まとめ

神秘のオーパーツ クリスタル・スカルの謎―古代マヤの遺跡から発見された驚異の水晶頭蓋骨

幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリーE+(プラス) https://www.nhk.jp/p/ts/R88ZYP985X/
放送 NHK Eテレ。毎週月曜午後7:25~午後7:50(25分)

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

目次

1. 概要
2. キャスト・スタッフ
3. 各回の内容・感想

1. 概要

超常現象の謎を楽しみながら、その正体を徹底検証!
BSプレミアムで大好評を博したシリーズが、地上波・Eテレの夜に出現!
2014年に放送した総合テレビ版から名作をセレクト。最新情報などを加え再構成。
みなさんの心に引っかかっている謎と神秘と不思議の真相に迫ります!


放送 Eテレ 毎週月曜 午後7時25分

 
放送期間:2020年9月28日~12月28日。全12回。
オカルト検証番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の25分再編集版。
 
 

2. キャスト・スタッフ

光と闇のナビゲーター 栗山千明
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ

 
  

BSプレミアム版「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の内容・感想まとめは以下からどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
失われた世界の超古代文明FILE 
 
 

【SF小説】感想「海底ドーム」(ローダンNEO 12)(2018年10月18日発売)

海底ドーム (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122032
海底ドーム (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2018/10/18
Marc A. Herren (原著), マーク・A. ヘーレン (著), 柴田 さとみ (翻訳)
発売日 : 2018/10/18
新書 : 293ページ
出版社 : 早川書房 (2018/10/18)

【※以下ネタバレ】
 

アンドロイドのリコは大西洋の海底ドームに侵入する。ファンタン星人の宇宙船内では、ブル、シドたちが脱出を図り失敗するが……


ブル、シド、スーらはファンタン星人の宇宙船内に軟禁されるが、シドはテレポートで脱出を試み、宇宙船のエネルギー・シールドに阻まれ意識を失ってしまった。地球では、金星のアルコン基地から来た謎のロボットのリコが、海中にある何かに自分は呼ばれていると確信し探索を続けている。ヴェガ星系では、フェロルでトプシダーに捕まりフェロリアの捕虜収容所へ移管されたタコ、アンネらに過酷な試練が待ち受けていた…。

 

あらすじ

 第2シーズン(9~16巻)4作目。原タイトル:TOD UNTER FREMDER SONNE(意訳:異なる太陽の下の死)。

 ヴェガでは、トブシダーの捕虜となったタコたちのグループは、フェロルの衛星フェロリアの捕虜収容所に送られ、捕虜同士の争いでニッセンは死亡した。一行は脱走し、第六惑星ピゲル行きのコンテナに忍び込んだ。

 ファンタン星人の宇宙船に拉致されたブル一行は、ミラナーと呼ばれる目的地にたどり着く。そこで一行はグッキーと名乗るネズミかビーバーの様な生物と出会う。

 地球では、リコがアルコン人の生き残りクイニウ・ソプトールと共に、海底の探索に乗り出していた。やがてリコは大西洋アゾレス諸島で、海底に隠されたアルコン戦艦とドームにたどり着く。しかしドーム内にリコの求めていた主はおらず、超能力でリコを探し当てたテラニアの兵士たちが追って来た。大破したリコとソプトールは謎の転送機に飛び込んだ。


感想

 あれ、ローダンが一行も出ていない……

 ヴェガの話は、収容所の描写が悲惨の一言に尽きて、もう読むのが嫌になった(´Д`)ハァ… タコとアンネのギスギスした関係もうんざりしてくるし……、あと、「フレイト&デリングハウス&ニッセン組」の扱いの悪さよ。フレイト:爆死、デリングハウス:重傷、ニッセン:死亡……、確かにオリジナル編でもいつの間にか消えてしまったトリオですが、少なくとも第三勢力時代は活躍していたのに……、NEOでは完全に要らないキャラ扱い……

 タコ・カクタの「タコ」は、本当にあの海の八本足生物のタコから来ているという衝撃の告白が……、子供にそんな名前つける親はいねーよ! 2011年に書かれた小説でこんな描写読まされるとは思わなかったよ……


 ブル一行のお話は……、最後にグッキーが出てきてちょっと笑った。そうですか、こういう風に出しますか……


 リコの海底ドーム探索話は、主との出会いは無し。気を持たせますなぁ。しかし実に都合よく「探し物を見つけることに特化したミュータント」がテラニアに参加してくれるのね……


 今回はいきなり内輪受けネタからスタートしていて、そこは笑った。

・P6「作家ヴァルター・エルンスティング」云々…オリジナル編の作家のクラーク・ダールトンの本名です
・P8「週刊SFシリーズが3908巻に到達」云々…もちろんオリジナル編ローダンの事
 
 
 

他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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2020年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

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海底ドーム (ハヤカワ文庫SF)

海底ドーム (ハヤカワ文庫SF)

 
 
 
 
 
 

【SF小説】感想「フェロル攻防戦」(ローダンNEO 11)(2018年9月19日発売)

フェロル攻防戦 (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121990
フェロル攻防戦 (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2018/9/19
Michael Marcus Thurner (原著), ミハエル・マルクス ターナー (著), 鵜田 良江 (翻訳)
発売日 : 2018/9/19
新書 : 247ページ
出版社 : 早川書房 (2018/9/19)

【※以下ネタバレ】
 

ローダンたちの乗る《グッド・ホープ》は、惑星フェロルに墜落・大破する。地球ではアダムスがファンタン星人と取引をするが……


“グッド・ホープ”は敵の攻撃で大破した。ローダンたちは異能者の能力によってかろうじて惑星フェロルに避難するが、ローダンとフェロン人のカクトールを中心とする一行と、タコ・カクタを中心とする一行に分かれてしまう。両チームとも負傷者を連れ密林地帯で待避するが、フェロルには容赦ないトプシダーの攻撃が続く。地球では独自の基準で地球の品々を収奪するファンタン星人と交渉するべくアダムスが接触するが…

 

あらすじ

 第2シーズン(9~16巻)3作目。原タイトル:SCHLACHT UM FERROL(意訳:フェロルのための戦い)。

 ローダンたちは、テレポーター二人の力でヴェガ第八惑星フェロルになんとか降り立つが、ローダンたちとタコ・カクタたちの二グループは離れ離れになってしまう。ローダンたちはフェロン人の助けを借り、首都トルタを目指した。一方タコたちはトブシダーの捕虜になってしまう。

 地球では、ファンタン星人が世界各地から様々な品物を奪い続けていた。アダムスは、その理由を理解するため一人のファンタン星人とコンタクトし、取引の結果、地球の環境変動を食い止めるためのデータを手に入れた。

感想

 ヴェガ星系の話は、鬱展開にもほどがあるというか……、これがリアル方面に振ってしまったローダンか……、シェールとかダールトンがこんな作風を志向していなくて本当に良かった。ロシア人のバトゥーリンがローダンに「ヴェガなんか連れてきやがって。地球にいれば良かったのに」と痛烈批判していましたが、いやホント、一言も反論できんぞローダン(笑)

 ところで地球人もアルコン人もフェロン人も解剖学的にはそっくりって……、これは「銀河系のヒューマノイドは全員レムール人が祖先、つまり同じ生物なんだよ!!」「な、なんだってー!?」という設定を今から見せているという事なんですかね?

 地球は地球で、全然別のノリのファーストコンタクト物SFみたいなのが始まってる……、うーん。
 
 
 

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【SF小説】感想「ヴェガ遭遇」(ローダンNEO 10)(2018年8月21日発売)

ヴェガ遭遇 (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/415012194X
ヴェガ遭遇 (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2018/8/21
Christian Montillon (原著), クリスチャン モンティロン (著), 柴田 さとみ (翻訳)
発売日 : 2018/8/21
新書 : 245ページ
出版社 : 早川書房 (2018/8/21)

【※以下ネタバレ】
 

緊急通信を傍受したローダン達はトーラの操縦する“グッド・ホープ”でヴェガ星系に跳ぶ。そこで見たのは、ヴェガ星系を守るフェロン人の宇宙艦隊を容赦なく殱滅する、トプシダーの大型戦艦だった。地球では、突如飛来したファンタン星人の宇宙船に初めての接触を試みるためブル、シド、スーらが向かう。そして、謎のアンドロイド・リコは、身体を自己修復し海を目指すが…遂に外宇宙での星間戦争が幕を開ける新展開!

 

あらすじ

 第2シーズン(9~16巻)2作目。原タイトル:IM LICHT DER WEGA(意訳:ヴェガの光の中で)。
 
 ローダンたちが《グッド・ホープ》でヴェガ星系に到着すると、ヴェガの住人フェロル人の宇宙船が、侵略してきたトカゲ種族トブシダーの艦隊に一方的に殲滅されていた。トーラはトブシダーの技術がアルコンよりはるかに劣る事を知り《グッド・ホープ》で攻撃に出るが、突然出現した直径800メートルのアルコン船の攻撃で《グッド・ホープ》は第八惑星に墜落し始めた。

 地球では、ブルたちがテラニアに着陸した宇宙船の乗員ファンタン星人とコンタクトするが、彼らは世界各地に展開し、自分たちが興味を持つものを手当たり次第に母船に持ち帰り始めた。やがて船はブルたちを乗せたまま突如発進してしまう。

 破壊されたロボット・リコは自己修復機能で元通りになると、謎の衝動で海を目指し始めた。やがてリコは謎の女性クイーンの助けで中国沿岸にたどり着くが、クイーンは自分はアルコン人だと告白した。

感想

 オリジナルシリーズ5巻のヴェガ星系進出の辺りのリブート展開ですが、心底面白くない。現実味を出すのとつまらなくなるというのはイコールなのだろうか……

 そして……、ファンタン星人(笑) オリジナルシリーズでは地球につく前にローダンたちに不意打ちで撃破され、クレストが回収した死体を見せながら「ファンタン星人はこういう形です」とか説明してだけのやられキャラでしたが、NEOではちゃんと地球に着陸出来て良かった良かった(笑)
 
 
 

他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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【オカルト】新番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー E+」が始まるぞー

神秘のオーパーツ クリスタル・スカルの謎―古代マヤの遺跡から発見された驚異の水晶頭蓋骨

ダークサイドミステリー NHK
https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/

www.nhk.jp

「ダークサイドミステリー season2」 ご視聴ありがとうございます!
そして入れ替わるように、
9/28(月)からEテレ・毎週月曜夜7:25~7:50で、
「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー E+」がスタートします!
なつかしの名作回を再構成!
第1回は「クリスタル・スカルと超古代文明!?」 
10/5(月)「心霊トンネル2本立て!」などなど。


もしかしてもしかすると、season3への布石か!?
それとも大人の事情の穴埋めか!?
一寸先は闇の2020年代!黒クリ・白クリの運命や如何に!?
待て!しかして希望せよ!

 
 キター!! 最近オカルトの方の「幻解!超常ファイル」の新作が無いなぁ……、とオカルト分に飢えていたのですが、こう来ましたか。ウッホホ、秋の新番組の中で一番楽しみじゃわい。
 
 
失われた世界の超古代文明FILE
失われた世界の超古代文明FILE
 
 
 

【ミステリー】感想:歴史ミステリー番組「ダークサイドミステリー」(2020年版)(最終回)『侵入率100%!ひとりで世界に挑んだ男 ~伝説の天才ハッカー・アイスマン~』(2020年9月26日(土)放送)

アイスマン

ダークサイドミステリー NHK https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/
放送 NHK BSプレミアム。毎週木曜夜9時放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

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本当の謎は、人間の闇
背筋がザワザワ、心がドキドキ、怖いからこそ…見たくなる!
世界はそんなミステリーに満ちている。
未解決の事件、自然の脅威、不思議な伝説、怪しい歴史など、謎と恐怖の正体に迫ります!

 

侵入率100%!ひとりで世界に挑んだ男 ~伝説の天才ハッカーアイスマン~ (2020年9月26日(土曜日)放送)

 

内容

侵入率100%!ひとりで世界に挑んだ男 ~伝説の天才ハッカーアイスマン
[BSプレミアム]2020年9月26日(土) 午後4:10~午後5:09(59分)


パソコン片手に「世界はひとりでも変えられる」と信じた、若き天才ハッカー。闇社会の4大詐欺サイトを叩きつぶし、FBIとも渡り合った伝説の犯罪者と闇サイトの世界!


あなたの近くに潜むネット詐欺や情報流出のサイバー犯罪。その闇業界でたったひとりの若者が、世界的な4大詐欺サイトをわずか2日で統一、「闇の帝王」となる事件が起きた。天才ハッカーアイスマン。もとは超絶能力で企業を守る側だった彼は、なぜ闇に落ちたのか?ハッカー同士のバトル!FBIのおとり捜査とのだましあい!知られざる闇サイトの暗闘、ネット詐欺の危険な手口とともに、天才がダークサイドに落ちる悲劇に迫る。


【出演】栗山千明,【ゲスト】岡嶋裕史,高橋郁夫,【語り】中田譲治,【司会】青井実

 
 今回のテーマは「ハッカーアイスマン」事件。


●マックス・バトラー

 ハッカーとはコンピューターの達人のこと。そのハッカーの中でも、知識を悪事に利用するものを特に「クラッカー」、または「悪のハッカー」という。

 凄腕の悪のハッカーアイスマン」ことマックス・バトラーは1972年アイダホ州生まれ。両親がコンピューターショップを経営していたため、8歳でプログラミングをマスター。彼の少年だった時代は、ハッカーはネットワークを通じて他人のコンピューターに侵入する「ハッキング」を遊び感覚で罪の意識なくやっており、マックスもハッキングに熱中していた。

 ある日、マックスの元をFBIが訪問するが、逮捕するどころか、マックスの能力をFBIに貸して欲しいと申し出てきた。マックスはFBIにスカウトされ、コンピューターへの侵入の痕跡のチェックを行ったり、またセキュリティコンサルタントとして企業のセキュリティの穴を見つけたりしていた。


●転機

 マックスが25歳の時ある事件が起きる。インターネットでサイトの名前「XX.com」などという文字と、住所を表す数字を結びつけるソフトを「BIND」(バインド)というが、そのBINDに欠陥があり、悪のハッカーがそれを利用すれば他のコンピューターに自在に侵入できるようになることを発見したのである。もし政府や軍のコンピューターに悪のハッカーが侵入すれば、社会はとんでもない混乱に陥ってしまう。

 それを防ぐため、マックスは勝手に政府や軍のコンピューターに侵入し、BINDの欠陥を修正した新しい物に置き換え、数日で作業を済ませてしまった。しかしその際に、自分だけがそのコンピューターに侵入できる隠し扉「バックドア」を残していった。

 このことがバレて、28歳の時にマックスは逮捕され、18か月の有罪判決を受けた。


●悪への転落

 2002年、マックスは30歳の時に刑期を終えて出所すると、またセキュリティコンサルタントとして働き始めた。ところがマックスが刑務所に入っていた間に、世の中ではインターネットの利用が普及し、企業のセキュリティも格段に向上していた。そしてマックスの能力では、もう軍・政府機関どころか民間企業のセキュリティも破れなくなっていた。

 行き詰ったマックスは方向転換し、裏社会でカード情報を売買する犯罪者を相手に、カード情報を盗むことにした。そういった犯罪者にソフトを添付したメールを送り付け、相手がそのソフトをクリックすればコンピューターを乗っ取って情報を盗み出したのである。

 マックスはクリス・アラゴンという男と手を組み、マックスがカード情報を盗み、クリスがその情報で偽造カードを作って高額商品を買ってから売り飛ばす、という分担で働いた。マックスの取り分は月一万ドルで、クリスはそれ以上稼いでいたはずだったが、マックスは気にしなかった。

 やがてマックスは自分でカード情報売買サイト「カーダーズマーケット」を立ち上げ、たちまち裏社会のカード情報サイトのトップ5に入るところまで成長させた。マックスはこの頃から「アイスマン」という名前を使い始める。冷静な男、あるいは殺し屋という意味である。


●悪のサイトの統一

 2005年にはクレジットカード情報がハッキングされる事件が起こり、社会問題になり始めていた。

 この頃、マックスは掲示板で「アイスマンはサイト運営は出来てもハッかーとしては二流」と揶揄されているのを読み、怒りのあまり、他のライバル闇サイトを潰して自分の実力を見せつけることを決意した。

 当時のライバルサイトは「スカンジナビアンカーディング」「トークキャッシュ」「ダークマーケット」「バウチト」の四つ。

 「ダークマーケット」と「バウチト」は同じ人物が管理しており、その管理者がカーダーズマーケットに参加していて、どれも同じパスワード「MSR206」を使いまわしていたので、その相手に成りすましてアクセスできた。また「スカンジナビアンカーディング」「トークキャッシュ」は『SQLインジェクション』という手法を使って侵入した。

 そしてライバルサイトの顧客データを丸ごとカーダーズマーケットにコピーし、相手のサイトのデータは丸ごと消して復旧不可能にして、顧客を全部取り込んでしまったのである。所要期間はわずかに二日。この統一劇は一般の新聞でもニュースになるほどだった。


●逮捕

 マックスは他のサイトを潰したのは良かったが、おかげで顧客に対応する仕事の量が激増し、手が回らなくなってしまった。そのため、闇サイトの関係者でこれはと思う人材三人に声をかけ、サポートを依頼した。その相手は

「ザ・コラプティッドワン」…サイト運営のエキスパート
「サイロ」…情報収集担当
「マスター・スプリンター」…ポーランドの巨大ネット組織の元リーダー。マックスが最も信頼

 しかし、マスター・スプリンターの正体は、犯罪者どころかFBIの捜査官J・キース・ムラースキーだった。ムラースキーはアイスマン逮捕のため、数年前からおとり捜査を行っていたのである。

 ところがある日、サイロからマスター・スプリンターが当局の人間だという告発があった。サイロがスプリンターのPCに侵入してみると、FBIとつながりの深いセキュリティ団体の内部資料が見つかったというのである。ところがサイロがスプリンターの代理人を追及すると、何故かそのセキュリティ団体の情報がネット上から消え失せていた。ムラースキーが侵入を察して、ネット上から情報を消し去ったのである。

 疑心暗鬼に陥ったマックスは、サイト運営をザ・コラプティッドワンに任せて姿を隠すことにした。しかしその直前、2007年9月5日にFBIに逮捕された。実はザ・コラプティッドワンはシークレットサービスの情報提供者で、その相手にサイトを任せてしまったのである。

 さらに、マスター・スプリンターを告発したことでマックスが一番信頼していたカイロも、バンクーバー市警の情報提供者だったのである。サイロはマスター・スプリンターがFBI捜査官と知ったうえで、あえてそれをばらすことでマックスの信頼を得て、隙を見てハッキングを仕掛け、アイスマン=マックス・バトラーと突き止めたのだった。

 マックスは、当時のサイバー犯罪史上最長の13年の刑が求刑され、また損害賠償としてカードの再発行費用2750万ドル(25億円)の支払いが命じられた。マックスが好んで使ったパスワードは、子供の頃に見たヒーロードラマの名言「!!One man can make a difference!」(ひとりでも世の中は変えられる)だったという。


感想

 悪のハッカー物語。終盤のアイスマン/マックスをFBIが追い詰める展開が面白いのですが、最後のオチ「協力者三人とも実は捜査側の人間でしたぁ~」には笑ってしまいました(笑)

 「One man can make a difference」は、調べてみると、どうも「ナイトライダー」の台詞みたいですね。ほーん。

 ゲストの人の、「今はもう個人でハッキングする時代ではなくなって、国家がやる時代になっている。マックスは古い時代のあだ花みたいな人」という論評に、なんとも哀愁というかなんというかの気分になってしまいました……

 面白かったこの番組も今回で最終回。ネタが尽きていないのなら、是非来年も放送してほしいです。
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
MC 青井実 (アナウンサー)
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ

 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
決定版 サイバーセキュリティ: 新たな脅威と防衛策
決定版 サイバーセキュリティ: 新たな脅威と防衛策
 
 

【SF小説】感想「美しき女アコン人」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 625巻)(2020年9月17日発売)

美しき女アコン人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ625)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122970
美しき女アコン人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ625) (日本語) 文庫 2020/9/17
H・G・エーヴェルス (著), トーマス・ツィーグラー (著), 星谷 馨 (翻訳)
発売日 : 2020/9/17
文庫 : 288ページ
出版社 : 早川書房 (2020/9/17)

【※以下ネタバレ】
 

ヴァジェンダの中枢ガラスの迷宮で、そこを守護する影法師軍に攻撃され、苦戦するアトランたち。その前にある女性があらわれた!


アトランたち深淵の三騎士とオービターや駆除部隊の一行は、ヴァジェンダ中枢にある"ガラスの迷宮"に到着する。だが、そこを守護する深淵種族ルラ・スサンは、三人の騎士オーラに気づかないでいた。ルラ・スサンひきいる影法師軍の実体化したホログラムの軍勢と、領主判事のグレイ軍団にはさまれて、アトランたちは苦戦する。危機におちいったアトランの前に、謎めいたアコン人女性、バス=テトのイルナがあらわれた!

 

あらすじ

◇1249話 美しき女アコン人(H・G・エーヴェルス)(訳者:星谷 馨)

 アトランたちはヴァジェンダを守る影法師軍に追い詰められるが、謎のアコン人女性「バス=テトのイルナ」に助けられ、またギフィ・マローターもアトランたちに合流した。アトランたちはヴァジェンダを守る種族「ルラ・スサン」がもう一人しかおらず、さらに時空エンジニアがヴァジェンダのヴァイタル・エネルギーを、自分たちが立てこもる光の地平に吸い上げていることを知る。直後ヴァジェンダは陥落し、アトランたちは捕虜としてニー領に連れていかれるが、すぐに脱走した。

 アトランは、イルナはアコン人ではなく、サーレンゴルト人でカッツェンカットの姉であることを知る。イルナは十戒の敵によって全く別の体を与えられ弟を殺す道具にされたが、弟を救おうと宇宙をさ迷ううち深淵にたどり着いたのだった。マローダーはイルナと共に通常宇宙を目指して去り、アトランたちは光の地平へ向かった。(時期:不明:NGZ428年12月頃)

※初出キーワード=バス=テトのイルナ、大いなるものたち



◇1250話 時空エンジニア(トーマス・ツィーグラー)(訳者:星谷 馨)

 深淵の騎士三人とホルトの聖櫃は光の地平へとたどり着いた。アトランたちは聖櫃が時空エンジニアの偵察員ではなく、単なる追放者だと知るが、それでも聖櫃の力を借り、背後から迫るグレイ軍団を引き離して、ついに時空エンジニアと対面した。

 時空エンジニアは時空を自在に操る不死の種族で、15万人がトリイクル9再建のため深淵の地にやってきた。しかし彼らは失敗を繰り返して次々と深淵に飲み込まれ、さらにグレイの領主と化して深淵の地に舞い戻ってきたのだった。時空エンジニアは無力を悟って光の地平に引きこもり、今や種族の残りは5人しかいなかった。

 時空エンジニアは、近い将来トリイクル9が深淵に帰還し、深淵の地は破壊されて住民は全滅することを予見していた。彼らは深淵の地を救うための計画を立てており、アトランとサリクはそれに従い、見かけ上グレイ生物となり領主判事の仲間に加わった。(時期:不明:NGZ429年2月1日とその前後)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

・作中に出てくる「老いたロバ」という表現の説明や、詩の出典について
コロナウイルス蔓延の昨今について
・今後の仮題(1251話~1300話)


感想

 前半エピソード … 原タイトル:AUF DEM WEG ZUM LICHT(意訳:光あるほうへ)。

 作者のエーヴェルスがやりたい放題やってしまったエピソード。自分のオリジナルキャラの、ギフィ・マローダー、時の子供シヴァ、バス=テトのイルナ、謎の存在ラーチ、たちだけで話をどんどん進めてしまい、主役の筈のアトランたちは彼らにひたすら翻弄されるだけ……、こんな話の作り方をして良いんでしょうか?

 ラーチは何者で何がしたかったのかもわからいまますぐ死んでしまうし(多分その後の謎解きとかは無いと思われる……)、イルナは実はカッツェンカットの姉でしたとかの仰天告白をするし、本来のストーリーよりエーヴェルスのオリジナルキャラ周りの話の方が量が多い有様。とどめで、終盤のアトランたちが領主判事の元から逃げ出して以降の展開を「ニー領じゅうを逃げ回り」云々と四行くらいで済ませているし、と、この回はベテラン作家にしか許されないような暴走ぶりでした。


 後半エピソード … 原タイトル:DIE RAUM-ZEIT-INGENIEURE(意訳:時空エンジニア)。

 今まで何度かアトランたちを助けていたホルトの聖櫃が、実は特命を受けた偵察員でもなんでもなく、ただの仕事が出来ずに解雇されて追い出された放浪者だった、という衝撃展開からスタート。時空エンジニアの過去語りは、まあ今までにも断片的に各所で語られていた事の集合体だったので、あまりおおっと思う要素は無しでした。

 それにしても1250話と、これから後半の新展開スタート!という回の割には、もう深淵編は終わりという雰囲気なのですけど……
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

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2020年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

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【SF小説】感想「グッドホープ」(ローダンNEO 9)(2018年7月19日発売)

グッドホープ (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121907
グッドホープ (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 ? 2018/7/19
Frank Borsch (原著), フランク ボルシュ (著), 鵜田 良江 (翻訳)
発売日 : 2018/7/19
新書 : 275ページ
出版社 : 早川書房 (2018/7/19)

【※以下ネタバレ】
 

アルコン人との遭遇を契機に、宇宙時代の到来を確信したローダンが、己の理想を実現させるべく建国したテラニア。しかし世界はいまだ彼らに対して毀誉褒貶相半ばしていた。ローダンたちは米軍に接収されたままのアルコン製宇宙船を奪還するべく、アルコンの超技術で大統領一行に成りすまし米国領に侵入するが―世界最長スペースオペラのリブート新シリーズ、外宇宙ヴェガ星系へ飛翔する新シーズン開幕!

 

あらすじ

 第2シーズン(9~16巻)1作目。原タイトル:RHODANS HOFFNUNG(意訳:ローダンの希望)。
 
 ローダンたちはアメリカに潜入し、アメリカ軍に奪われていたアルコン宇宙船を奪還するとテラニアに帰還した。ローダンは宇宙船を「グッドホープ」と命名した。同じ頃テラニアでは、調査中だったリコの残骸が奪われ、どこかに消えてしまった。

 トーラは、宇宙船の通信機で、地球から27光年離れたヴェガ星系からのアルコン語での助けを求める通信を受信した。ローダンたちは24時間だけの短期間でヴェガの状況を確かめるため飛び立った。ところが入れ替わるように、未知種族の宇宙船がテラニアに降り立った。


感想

 ようやく第2シリーズ開始。相変わらず世界の状況は薄暗く、ジョン・マーシャルは超能力を使うとすぐぶっ倒れ、トーラはダゴール拳法を使うとフラフラになり、船内のアメリカ軍を追い出すこともできず窮地に陥る、と、今まで同様にフラストレーションのたまる展開ばかり。

 最後の最後でようやく宇宙に飛び出すことになりましたが、難破船同然の宇宙船で自分たちが助けてほしいくらいなのに、人の事にかまっている暇あるのか、とか言いたくなるよねぇ。

 相変わらず面白いのは人名で、ジュリアン・ティフラーが出てきたのは、前期でティフラー弁護士が出たので驚きはありませんでしたが、ガールフレンドがミルドレッド・オーソンズというのには爆笑(笑) この娘はオリジナル版では、ティフ登場エピソードの宇宙のおとり作戦で一緒にスプリンガーに誘拐されたチョイキャラだったわけで、よくこんなキャラ忘れずに拾い上げたなぁと(笑)

 さらにしれっと「ハルナハン」が出てくる(笑) 将来ハルノが出てくる伏線か? あとリコを持って行った悪党コンビがロシア人のトミゼンコフとラスクヤンとかもワロタ(笑) そしてさりげなくイシ・マツも出てきた(笑) こういうコネタは面白いです、このシリーズ。
 
 
 

他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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グッドホープ (ハヤカワ文庫SF)

グッドホープ (ハヤカワ文庫SF)